Term

Gate All Around

別名: GAA, GAAFET, Gate-All-Around, Gate-All-Around Field-Effect Transistor, ナノシート・トランジスタ, ゲート・オール・アラウンド

Overview

最終更新: 2026年7月9日

Gate All Around(GAA)は、トランジスタのゲート電極がチャネル部分を四方から完全に取り囲む構造を持つ次世代トランジスタ技術である。従来主流だったFinFET構造に代わり、微細化が進む2ナノメートル(nm)世代以降のロジック半導体で採用が進んでいる。チャネルを全周から制御することでリーク電流を抑えつつ、電流駆動能力を高められる点が特徴である。

概要

FinFETはチャネルの三方をゲートで囲む構造であり、微細化に伴いチャネル幅を狭めるほどオン電流が低下するという課題を抱えていた。GAAはチャネルをシート状やナノワイヤ状に加工し、その全周をゲートで包み込むことで、より短いチャネル長でも高い電流制御性を実現する。この構造上の優位性から、2nm世代以降のファウンドリプロセスにおける標準的なトランジスタ構造として位置づけられている。

沿革

GAA構造の実用化はSamsung Foundryが先行し、2022年に3nm世代でMBCFETと呼ぶ独自のGAA構造の量産を開始した。これはファウンドリ業界で初めてGAAFETを量産適用した事例とされる。一方、TSMCは2nm世代(N2)で初めて自社プロセスにGAAFETを導入する方針を示しており、後発ながら歩留まりと性能目標の両立を進めている。

技術的位置づけ

GAAはFinFETの微細化限界を打破する構造として位置づけられ、ロジック半導体の性能・電力効率競争における中核技術となっている。2nm世代以降ではGAAFETが事実上の標準となる一方、TSMCは1.6nmのA16プロセスなどでさらなる微細化を進めており、発熱課題からデータセンター向けAIチップが初期採用の主戦場になるとされる。また、シリコンの微細化限界を見据え、二硫化モリブデンなどの二次元材料をチャネルに用いる研究や、新たな基板材料を用いた研究も進められており、GAA構造そのものの延命や次世代チャネル材料への応用が模索されている。

主要な動向

2026年4月14日には、TSMCが1.6nmのA16プロセスの2026年末量産を発表しており、発熱課題からデータセンター向けAIチップが初期採用の主戦場になると報じられた。2026年5月6日には、TSMCの2nm(N2)ノードにおいて性能と歩留まりの目標がほぼ達成され、同社初のGAAFET採用を伴う量産が計画通り進む見通しであることが明らかになった。同じ2026年5月6日には、GAA構造自体の技術解説記事も公開され、トランジスタ構造における10年に一度規模の技術転換として位置づけられている。2026年6月3日には、Samsung Semiconductorが2nmおよび3nmチップの製造ロードマップを発表し、2025年中に2nmモバイルチップの製造計画を示した。2026年6月8日には、Samsung Foundryが現時点で唯一GAA FETによるチップ量産を行っている企業であることが改めて報じられ、2022年の達成以降、次世代GAA技術への取り組みを進めていることが伝えられた。2026年6月27日には、SamsungがGalaxy S26向けとされる2nm世代のExynosチップの開発を進めているとの情報も報じられている。加えて、2026年6月5日には東京大学の研究チームが窒化ホウ素ナノチューブを鋳型とした直径1nmの二硫化モリブデンナノチューブの合成に成功したことが報告され、2026年6月8日にはシリコンに代わる基板材料として液体金属を用いる研究も紹介されており、GAAを含む微細トランジスタ技術がシリコンの限界に近づく中で、次世代の材料・構造探索が並行して進んでいる状況がうかがえる。

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よくある質問

Gate All Aroundとは何ですか?
Gate All Around(GAA)とは、トランジスタのゲートがチャネルの四方を完全に囲む構造を持つ次世代トランジスタ技術であり、FinFETの後継として2nm世代以降の先端半導体プロセスで採用が進んでいる。
GAAとFinFETの違いは何ですか?
FinFETはチャネルの三方をゲートで囲む構造であるのに対し、GAAはチャネル全周をゲートで囲む構造である。これによりリーク電流を抑えつつ電流制御性を高められる点が主な違いである。
GAAはどの企業がいつ量産を開始しましたか?
Samsung Foundryが2022年に3nm世代でMBCFETと呼ぶGAA構造の量産を開始しており、ファウンドリ業界で初めてGAAFETを量産適用した事例とされる。TSMCは2nm世代(N2)で初めてGAAFETを導入する計画を進めている。
TSMCの2nmや1.6nmプロセスとGAAの関係は?
TSMCのN2(2nm)プロセスは同社初のGAAFET採用ノードであり、2026年5月時点で性能と歩留まりの目標がほぼ達成されたと報じられている。さらに微細な1.6nmのA16プロセスも2026年末の量産開始が発表されている。
GAAの次に来る技術的な流れはありますか?
シリコンの微細化限界を見据え、二硫化モリブデンなどの二次元材料をチャネルに用いる研究や、新基板材料の開発が進められており、これらはGAA構造の延命や次世代トランジスタ材料への応用が期待されている。

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