Samsungの折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold8」の実機1台が、逆方向へ強く曲げる破壊試験に耐えた。JerryRigEverythingが2026年8月8日に公開した動画では、短く幅広くなった本体へ大きな力を加えても、フレームやヒンジは破断せず、画面も動き続けた。10日に続いた分解では、Samsungが「Flex Titanium」と呼ぶ画面下の支持材と、本体下側へ寄せられたワイヤレス充電コイルが姿を現した。1台の試験で確かめられた構造の粘りと、画面表面や磁気アクセサリーに残った制約が同時に見えてきた。

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201gの幅広ボディが曲げテストに耐えた

 

Galaxy Z Fold8は、開いた状態で123.9×161.4×4.5mm、閉じると123.9×81.9×9.7mm、重量は201gである。縦長だったGalaxy Z Fold7は閉じた状態で高さ158.4mm、幅72.8mm、厚さ8.9mm、重量215gだった。Fold8は高さを34.5mm縮め、幅を9.1mm広げ、14g軽くなった一方、閉じた厚さは0.8mm増えた。数字からも、Fold8が従来機の薄型化をそのまま延長した製品ではなく、持ち方から変える新設計だと分かる。

JerryRigEverythingの試験では、開いた本体を画面の裏側へ折り返すように力を加えた。フレームはたわんだものの折れず、ヒンジの左右も分離しなかった。試験後も内側画面は表示とタッチ操作を続けている。短く幅広い形へ変わっても、今回の1台では筐体とヒンジが荷重を受け止めた。

ただし、これは規格に沿って荷重や回数をそろえた試験ではない。落下や繰り返し開閉、水濡れを含む長期の故障率も分からない。確認できたのは、動画に登場した1台が強い曲げを受けても即座には壊れなかったことだ。それでも、新形状を初めて採用した年の製品で筐体が破断しなかった事実は、初期の構造破損に対する不安を和らげる材料になる。

2層のFlex Titaniumが画面を下から支える

分解で露出した金属板は、Samsungが発売前に説明していたFlex Titaniumの一部である。構造は2段になっている。OLEDパネルのすぐ下には薄いチタン合金フィルムがあり、さらに下のチタンプレートがディスプレイモジュールを支える。Samsungによると、フィルムは従来のポリマーフィルムに比べて機械的強度が20倍高く、厚さは人の髪の毛のおよそ3分の1だという。

硬い金属を折り目へ使うには、曲がりやすさを持たせなければならない。Samsungはチタンプレートの折り目に微細な穴を並べ、柔軟性を確保した。フィルムはOLEDを直下から支え、プレートはさらに下でディスプレイモジュールを支える。分解動画では、公式説明にあったチタン製の支持材が実機から取り出された。

前世代のFold7もチタンプレート層を採用していた。Fold8ではOLED直下のポリマーフィルムがチタン合金フィルムへ変わり、既存のチタンプレートと2層で支える構造になった。したがって「チタン画面」という呼び方は正確ではない。チタンが強くするのは表示面の下にある支持構造だ。

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内側画面の柔らかさは変わらない

耐久試験では、外側のカバーガラスが一般的なスマートフォンのガラスに近い傷つき方をしたのに対し、折りたたむ内側画面には弱い力でも跡が残った。指で触れる最上層は柔らかく、下にチタンを敷いても表面の傷つきやすさは変わらない。爪や鋭い異物を押し付けないという折りたたみ端末の扱い方は、Fold8でも続く。

ここでSamsungの「20倍」という数字を端末全体の強度へ広げると誤る。比較対象は新旧のフィルム材料であり、フレームの曲げ強度や画面表面の耐傷性ではない。今回の曲げテスト結果は、筐体、ヒンジ、画面下の支持材を組み合わせた実機の挙動である。どの部品がどれだけ効いたかは、動画から切り分けられない。

バッテリー表記にも同じ注意が要る。分解された2セルにはリチウムイオンと記されていたが、これは負極にシリコンカーボンを使ったかどうかを判別できる表示ではない。Samsungが公表する容量は標準値4,800mAh、定格4,660mAhであり、ラベルだけから内部材料まで断定することはできない。

Qiコイルが下へ移り、磁石はケース側へ

分解で最も実用に響く発見は、ワイヤレス充電コイルの位置である。円形のコイルは背面中央よりかなり下にあり、端末内にはQi2で使うような円環状の磁石が見当たらなかった。これは組み立て上の偶然ではない。Samsungはサポートページで、新しい画面比率に合わせてコイルを中央から本体下側へ移したと説明し、充電パッドの中心とコイルをそろえなければ充電が始まらない場合があると案内している。

低いコイルは、従来の台座やスタンド型充電器で位置合わせを変える必要を生む。大型のウォレットやモバイルバッテリーは、コイルに合わせて装着すると端末下端からはみ出す場合がある。Samsungの解決策はケース側にある。純正Clear Magnet Caseは磁石を内蔵し、対応充電器とアクセサリーをコイルに合う位置へ固定する設計だ。端末内部ではなく、磁力による位置決めを別売りケースへ任せた構成である。

充電器側にも条件がある。Samsungは、サードパーティー製品ではコイル構造が異なり、端末を中央へ置いても充電が途切れる場合があるとして、WPCのQi認証を確認するよう求めている。厚さ5mmを超えるケースやカードを挟んだケースも外す必要がある。純正ケースの磁石についても、カメラのオートフォーカスとコンパスに加え、ワイヤレス充電やNFCへ干渉するおそれを明記した。磁石があれば無条件に使いやすくなるわけではなく、位置と組み合わせの確認が要る。

購入者がまず確かめられるのは、極端な曲げへの耐性より日常の充電条件である。手持ちの充電パッドで下寄りのコイルを正しく合わせられるか、磁気アクセサリーが端末下端や縦並びのカメラへ干渉しないか。ケースや充電器を選ぶ前に、この2点を確認したい。筐体の長期耐久性については、発売後の修理件数と、繰り返しの開閉を経た実機が答えを出す。