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Google「G」アイコンを10年ぶりの刷新か? 虹色グラデーションの新デザインが登場

Y Kobayashi

2025年5月13日

Googleの顔とも言える、カラフルな「G」のアイコン。私たちが日々目にするこのマークが、約10年の時を経て、新たな装いを見せ始めている。9to5Googleが最初に報じた所では、従来の4色ブロックデザインから、色が滑らかに溶け合うグラデーションスタイルへと「G」アイコンのデザインを変更しつつあるようだ。この変化は、単なる見た目のリフレッシュに留まらない、Googleの次なる一手を示唆しているのかもしれない。

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約10年ぶりの刷新、何が変わった?

今回の変更を理解するには、まず2015年9月に行われたGoogleのブランドアイデンティティ刷新を振り返る必要があるだろう。当時、Googleは長年親しまれたセリフ体(文字の端に装飾がある書体)のロゴから、独自開発のサンセリフ体「Product Sans」を用いた、よりモダンで親しみやすいロゴへとデザインを大きく変更した。このタイミングで、それまでの青地に白抜きの小文字「g」だったアイコンも、現在の赤・黄・緑・青の4色で構成された大文字の「G」アイコンへと生まれ変わったのだ。

今回発見された新しい「G」アイコンは、この2015年版のデザインを踏襲しつつも、決定的な違いを見せている。それは、色の表現方法だ。従来のデザインでは、4つの色が明確な境界線によって区切られた「ブロック」として配置されていた。しかし、新しいデザインでは、これらの境界線がなくなり、赤から黄色へ、黄色から緑へ、緑から青へと、色が滑らかに変化する「グラデーション」で表現されている。

また、単にグラデーションになっただけでなく、色味自体にも微調整が加えられており、赤、緑、黄色はわずかに明るく、青色はより彩度が高くなっているようだ。全体として、より鮮やかで、動きのある印象を与えるデザインになったと言えるだろう。

発見の経緯と現在の展開状況

この新しいアイコンは、まずGoogleのiOS版アプリで、5月11日頃のアップデート後に適用されているのが確認された。Redditユーザー(u/Eyal-M)やテクノロジーメディア「9to5Google」などが最初にこれを報じている。

その後、Android版のGoogleアプリでも、バージョン16.18(ベータ版)以降で同様の変更が確認された。

ただし、現時点(2025年5月13日)で、この変更はiOSおよびAndroidのGoogleアプリ(一部ベータ版含む)に限定されているようだ。Web版のGoogle検索や、その他のGoogleサービス(Gmail, Maps, Chromeなど)のアイコンは、依然として従来の4色ブロックデザインのままである。

Googleからこのアイコン変更に関する公式な発表はまだ行われておらず、変更の正式な理由や、今後の展開計画の全容は明らかになっていない。

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なぜ今、このデザイン? 変更の背景を探る

公式な声明がない中、今回のデザイン変更の意図については、いくつかの推測が飛び交っている。

推測1:AI戦略との視覚的連携強化

最も有力視されているのが、Googleが近年注力するAI(人工知能)戦略との関連性だ。特に、同社の生成AIモデル「Gemini」のロゴや関連デザインには、特徴的なグラデーションが多用されている。新しい「G」アイコンの滑らかな色の移り変わりは、このGeminiのデザイン言語と明らかに共鳴しており、GoogleアプリがAI機能を統合していく方向性を視覚的に示唆しているのではないか、という見方だ。9to5Googleは、検索結果にAIによる要約などを表示する「AIモード」のショートカットアイコンにも同様のグラデーションが使われている点を指摘している。つまり、ユーザーに「Google = AI」というイメージを無意識のうちに植え付け、エコシステム全体でデザインの一貫性を高める狙いがあるのかもしれない。

推測2:デザイントレンドへの追随と「現代化」

グラデーションは、近年のデジタルの世界におけるデザイントレンドの一つでもある。フラットデザインが主流となる中で、単調さを避け、深みや活気を表現する手法として用いられるケースが増えている。今回の変更は、こうしたデザイントレンドを意識した「軽い現代化」の一環とも考えられる。約10年という節目を迎え、アイコンデザインをリフレッシュすることで、ブランドイメージを常に最新の状態に保とうとする意図もあるだろう。MicrosoftがOfficeアイコンを3D風に刷新する動きと比較しているが、Googleの今回の変更はフラットデザインの範疇でグラデーションを取り入れるという、また異なるアプローチと言える。

推測3:現時点では憶測の域を出ない

もちろん、これらはすべて現時点での推測に過ぎない。Googleが単に視覚的な魅力を高めるためにマイナーチェンジを行っただけ、という可能性も否定はできない。

今後の展開と注目ポイント

今回のアイコン変更が、Googleブランド全体にどのような影響を与えていくのか、いくつかの注目点がある。

まず、このグラデーションスタイルが、Googleの他の主要サービス(Gmail, Google Maps, Google Chrome, Google Driveなど)のアイコンにも波及するのかどうか。これらの多くも現在、4色を組み合わせたデザインを採用しており、統一感を出すために同様の変更が行われる可能性は十分に考えられる。

次に、正式な発表のタイミングだ。間もなく開催されると見られるGoogleの開発者向け会議「Google I/O」が、この新しいデザインを正式に披露する絶好の機会になるのではないかと推測される。 もしI/Oで発表されれば、単なるアイコン変更に留まらず、Google全体のデザイン哲学やAI戦略に関する新たなメッセージが込められている可能性もありそうだ。

そして、この変更が一時的なものなのか、あるいはGoogleのブランドアイデンティティにおける恒久的なシフトとなるのかも注視していく必要がある。

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小さな変化に潜む大きな意図

一見すると、色の境界線をなくしただけの些細な変更に見えるかもしれない。おそらく、多くのユーザーは、スマートフォンのホーム画面に並ぶこのアイコンの変化にすぐには気づかないだろう。検索結果のファビコンのような小さな表示領域では、その差はさらに僅かなものになるはずだ。

しかし、Googleのような巨大企業にとって、最も広く認知されているシンボルの一つである「G」アイコンのデザイン変更は、決して軽い決断ではないはずだ。そこには、ブランドイメージの維持・向上、競合との差別化、そして将来の技術戦略の方向性といった、様々な意図が込められている可能性がある。

今回のグラデーション化は、特に「AI」との連携を強く感じさせる。GoogleがAIを自社サービスの核に据え、あらゆるプロダクトに深く統合していくという強い意志の表れと見ることもできるだろう。Geminiという新たなブランドを立ち上げた今、そのデザイン言語をGoogle本体の象徴である「G」アイコンにも反映させることで、視覚的な一貫性を図り、「Google = AIの最先端」というイメージを強化しようとしているのではないだろうか。

公式発表がない現時点では断定は避けるべきだが、この小さなアイコンの変更が、Googleの今後のデザイン言語、ひいては企業戦略全体の方向性を示唆する、重要な布石である可能性は否定できない。今後のGoogleからの正式な発表が待たれる所だ。


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「Google「G」アイコンを10年ぶりの刷新か? 虹色グラデーションの新デザインが登場」への1件のフィードバック

  1. 『愛の戦士レインボーマン』で、ダイバ・ダッタの魂がタケシに見せた「レインボー合体の術の手本」でダッシュ7が1から6まで合体した時の額のサンランプの配色に似ている。

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