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Google NotebookLM、Web検索で情報源を自動収集する新機能「提供元を見る」を発表

Y Kobayashi

2025年4月3日

GoogleのAIリサーチアシスタント「NotebookLM」に、Web上の関連情報を自動で検索・収集する新機能「提供元を見る(Discover sources)」が追加された。これまでユーザー自身が情報源をアップロードする必要があったが、今後はNotebookLMがGeminiの能力を活用し、指定したトピックに関連する最大10件のWebサイトやPDFを提案。リサーチの初期段階を大幅に効率化する。

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NotebookLMの新時代:手動アップロードからWeb自動検索へ

Googleが提供するAI搭載のリサーチ・ノート作成ツール「NotebookLM」は、複雑な情報源を要約したり、音声で概要を説明する「Audio Overviews」機能などで、研究者や学生から高い評価を得てきたツールだ。従来、NotebookLMはその能力を発揮するために、ユーザーがPDF、Googleドキュメント、WebサイトURL、YouTube動画リンク、コピー&ペーストしたテキストといった情報源を、意図的に「ノートブック」と呼ばれるプロジェクト空間にアップロードする必要があった。このアプローチは、特定の情報群に焦点を当てる上では有効だったが、適切な情報源を手元に持っていない場合、利用のハードルとなっていた側面もある。

今回、Googleはこの制限を解消し、より手軽にNotebookLMを活用できるよう、新たな扉を開いた。それが「提供元を見る(Discover sources)」機能となる。この機能により、ユーザーは調査したいトピックを記述するだけで、NotebookLMがWeb上から関連性の高い情報源を探索し、リストアップしてくれるようになった。これは、リサーチプロセスの初期段階における情報収集の手間を劇的に削減する可能性を秘めたものだ。

「提供元を見る」機能の使い方と仕組み

この新機能の利用は直感的に簡単に行う事が可能となっている:

  1. アクセス: NotebookLM (notebooklm.google.com) を開き、既存のノートブックを開くか、新規に作成する。
  2. 起動: 画面左側の「ソース」パネルにある「ソースを追加」ボタンの隣に、新たに虫眼鏡と輝き(スパークル)のアイコンが付いた「提供元を見る」ボタンが表示される。これをクリックする。
  3. トピック入力: 「どんなことに興味がありますか?」というプロンプトが表示されるので、調査したいトピックや概念をテキストボックスに具体的に記述する。AIツール一般に言えることだが、より詳細で具体的な指示を与えるほど、精度の高い結果が期待できる。
  4. 検索と提案: 「送信」ボタンを押すと、NotebookLMは背後で動作するGoogleの高性能AIモデル「Gemini」の能力を活用し、数秒のうちに数百もの潜在的なWebソースを収集・分析する。その中から、入力されたトピックとの関連性が最も高いと判断された最大10件の情報源(WebサイトやPDFドキュメントなど)を候補としてリストアップする。
  5. 候補の確認と選択: 各候補には、その情報源がトピックとどのように関連しているかを説明する注釈付きの要約が付与される。ユーザーはこれを参考に、各情報源をクリックして内容を確認できる。
  6. インポート: 採用したい情報源のチェックボックスを選択し、「インポート」ボタンをクリックすると、選択されたソースがノートブックに追加される。これにより、従来通りAudio Overviews、FAQ生成、Q&A、要約作成、チャットによる質問応答、引用、ノート作成といったNotebookLMの豊富な機能で活用できるようになる。

XDA Developersによる試用では、「Nintendo Switch 2の新機能や価格、発売日など」と入力したところ、公式サイトへのリンクだけでなく、関連するニュースサイトへのリンクが表示される。また、内容によってはReddit等も含まれるようだ。これは、単なる一般的なWeb検索結果を提示するのではなく、ユーザーのクエリに対してより焦点を絞り、関連性の高い情報源をキュレーションしていることを示唆している。

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新しい発見を促す「興味がある」

何について学べばよいか分からない、あるいは単にNotebookLMの機能を試してみたいというユーザーのために、「提供元を見る」機能のテキスト入力欄の下には「興味がある」ボタンも用意されている。これをクリックすると、NotebookLMがランダムなトピックを選び出し、それに関連する情報源を自動的に収集・提案してくれる。「改善について」「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の観測結果」といった多様なトピックが提案された。これまで作成したノートに基づく推奨と考えられるが、これは、予期せぬ知識との出会いを創出し、知的好奇心を刺激する面白い試みと言えるだろう。

Geminiを活用した機能拡張の第一弾

Googleは公式ブログで、この「提供元を見る」機能が「Geminiの能力を活用してノートブックに関連情報源を見つけ、収集する一連のNotebookLM機能の第一弾」であると明言している。これは、今後NotebookLMがさらに強力なリサーチ支援ツールへと進化していくことを示唆しており、期待が高まる。Google内部で検索エンジン開発に携わった経験から言えば、Geminiのような大規模言語モデルを検索と情報キュレーションに応用する試みは、ユーザーの情報探索体験を根底から変える可能性を秘めている。特に、信頼性の高い情報源を効率的に見つけ出すという課題に対し、AIがどのように貢献できるかは、今後の重要な焦点となるだろう。

提供状況

「Discover sources」機能は、発表日から無料および有料のすべてのNotebookLMユーザーを対象に順次展開が開始されており、全ユーザーに行き渡るまでには約1週間程度かかる見込みである。

この新機能は、NotebookLMを単なるノートアプリや要約ツールから、能動的なリサーチパートナーへと昇華させる重要な一歩と言える。情報収集の効率化はもちろん、新たな知識分野へのアクセスを容易にすることで、学習や研究、企画立案など、様々な知的生産活動に貢献することが期待される。


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