韓国で計1,324MWに達する水上太陽光6案件が、事業権獲得の手続きに入った。だが、1,324MWは着工済みでも承認済みでもない。毎日経済新聞が8月19日に報じた6案件は、初期提案の審査中、または初期提案者を選んだ後に第三者公募を控える段階にある。
既設のDaeho Lake 1期は98MWだった。新規案件は最大500MWへ広がる。水面の確保に加え、係留や保守、送電網を水域ごとに成立させられるかが、1,324MWを設備として実現できるかを左右する。
6水域・1,324MW、現在地は事業権審査
毎日経済新聞によると、Korea Midland PowerはSapgyo Lakeで375MW、Yedang Lakeで105MW、Cheongcheon Lakeで26MWを計画し、合計506MWとなる。Korea Western PowerはGanwol Lake 500MWとNamyang Lake 198MWの計698MW、Korea East-West PowerはDaeho Lake 2期として120MWを進める。3社分を足すと1,324MWになる。Korea Western Powerの公式開発ページにも、Ganwol Lakeの500MW案件が開発案件として掲載されている。
同紙によれば、Sapgyo Lake、Yedang Lake、Namyang Lake、Daeho Lake 2期は初期提案の審査中だ。Cheongcheon LakeとGanwol Lakeは初期提案者が選ばれ、競争入札型の第三者公募を控えている。Korea Rural Community Corporation(KRC)の手続きでは、事業者が地点と容量に加え、資金調達や住民参加策を提案に盛り込み、KRCがそこから初期提案者を選ぶ。その後の公募で最終事業者を選ぶため、初期提案の選定は建設許可を意味しない。
1,324MWはAPR1400の定格出力1,400MWに近い設備容量だ。ただし、これは算術上の比較にすぎない。太陽光と原子力では設備利用率も給電特性も異なり、発電量が同等という意味にはならない。
98MWから500MWへ広がる公共水面の使い方
Korea East-West PowerはDaeho Lakeの98MW水上太陽光を2024年に竣工したと事業報告で開示している。今回の2期120MWと、最大500MWのGanwol Lake案件は、単一水域で100MWを超える案件が並ぶ段階へ移ったことを示す。
98MWから500MWへの拡大は約5.1倍にあたる。フロートを繰り返し並べれば済む容量差ではない。風で生じる動荷重と水面の上下を踏まえ、水深や湖底の地形・地盤にも合わせて、係留から送電設備までを組み直す必要がある。
政策側も規模を求めている。気候エネルギー環境部の第1次再生可能エネルギー基本計画は、2030年に再生可能エネルギー100GWを導入する方針を掲げる。水上型を含む4つの政策立地には太陽光44.2GWを集中導入し、10件以上・合計12GWのGW級太陽光新規事業を発掘する計画だ。毎日経済新聞によれば、KRCも2030年までに28地区、3GWの水上太陽光用地を開発する計画を持つ。
水面上で25年以上を保つための設計条件
World Bank Group、ESMAP、SERISがまとめた水上太陽光の実務ハンドブックは、設計上の課題として電気安全、アンカー・係留、運転保守を挙げる。プラットフォームには25年以上にわたって機能を保つことが求められ、風荷重、フロートの形式、水深、水位の変化、湖底の地形と地盤を踏まえて設計しなければならない。
数百MW級になるほど、こうした条件は設備全体に広がる。アンカーや係留はパネルを浮かべるための部材ではなく、風や水位変動を受ける大きな面積を水面に保持する仕組みになる。電気安全と保守も、水上にある機器へ人がどう近づき、異常時にどう対応するかまで含めて設計する必要がある。
とはいえ、水上太陽光は長期運転の実績と環境影響のデータがなお限られる。水面を覆うことの効果や影響を一律に判断することはできず、水域の条件を踏まえた案件ごとの環境評価が必要になる。
公募の後に残る環境評価と送電網
KRCが最終事業者を選んでも、環境影響評価、各種許認可、建設が続く。毎日経済新聞は、竣工までに3〜5年ほどかかるとのKRCの説明を伝えた。個別の工期や投資額、送電網へつなぐ地点と費用、買取条件や環境評価の結果は未確定または未公表である。
水上用の資材は初期費用を押し上げる。さらに、数百MWの変動電源を受け入れる送電網を確保しなければ、発電事業の許可が遅れる可能性があると同紙は報じた。公共水面は陸上の用地取得競争を抑えられる一方、水利、地域との合意、環境評価、系統接続を同時に通す必要がある。
第三者公募の先では、水利と地域合意を詰め、案件ごとに環境影響評価を進める。各種許認可を得ると同時に、受電地点と系統接続策を具体化できるかが、6案件・1,324MWの行方を左右する。



