フレーム生成を有効にして平均FPSが伸びても、画面が等間隔で更新されなければ、その数値どおりの滑らかさにはならない。Hardware Unboxedは2026年8月20日、AMD FSR Frame Generationを10作品で再検証し、FSR 3.1統合をドライバで更新する経路と、ネイティブのFSR 4系統合の双方で、表示間隔が不均一になる場面を捉えた。

同検証が「double tap」と呼ぶのは、生成フレームが短く表示された後、実フレームが長く残る並びである。PresentMonの平均FPSでは捉えにくいため、モニター側のリフレッシュ表示と960fpsのスローモーション映像も併用した。これはHardware Unboxedによる単一環境中心の独自測定で、AMDが公式に認定した不具合や修正予定ではない。それでも、FSRの画質改善と表示の時間的な安定を同じものとして扱えないことを示す材料にはなる。

AMDはFSR 3.1でフレームペーシングの改善を公表し、現行のML版Frame Generation 4.0.1も提供している。今回の再検証は、画像を作るモデルの世代更新後にも、画面へ出す間隔の問題が残るのかを問う内容だ。

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10作品で残った二連打

Hardware Unboxedの検証環境は、Radeon RX 9070 XT、Adrenalin 26.7.1、最大240HzのMSI MAG 321UPXである。全作品でFSR Frame Generationのドライバ更新トグルを有効にし、FSR 3.1実装をRedstoneへ更新する経路の5作品と、FSR 4系をネイティブ統合した5作品を並べた。前者には「サイバーパンク2077」、「マフィア:オリジン ~裏切りの祖国」、「ボーダーランズ4」、「ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク」、「ホグワーツ・レガシー」が入り、後者には「紅の砂漠」、「レゴ バットマン:レガシー・オブ・ザ・ダークナイト」、「アサシン クリード ブラック フラッグ RE:シンクロ」、「BIOHAZARD requiem」、「Alan Wake 2」が含まれる。

「サイバーパンク2077」では、出力がおよそ120fpsで、240Hzの上限を下回っていてもdouble tapと一部のtearingが見えたという。「ボーダーランズ4」は徒歩中なら90fps台で比較的安定したが、高速移動では平均が約98fpsでもモニターのリフレッシュ表示が揺れた。FPSの平均値が保たれることと、各フレームが同じ時間だけ表示されることは別だ。

結果は常に同じ強さで出たわけでもない。「マフィア:オリジン ~裏切りの祖国」では、同じセッション、同じ設定、ほぼ同じ約103fpsで、乱れるキャプチャと概ね安定するキャプチャがあった。「レゴ バットマン:レガシー・オブ・ザ・ダークナイト」では20〜30フレームほど安定した後に1〜2組が乱れる程度で、検証者は相対的に利用しやすいと評価した。ゲーム統合だけを唯一の原因と決めることは、この揺れからはできない。

ネイティブFSR 4統合の「紅の砂漠」でも、約115fpsで乱れが観察された。Frame Generationを切り、設定を下げて約90fpsにした方が表示間隔は一定で、Hardware Unboxedはそちらを滑らかに感じたとしている。「アサシン クリード ブラック フラッグ RE:シンクロ」、「BIOHAZARD requiem」、「Alan Wake 2」でも程度の差はあれdouble tapを確認したという。

平均FPSと表示の滑らかさは別物

AMDの設計では、Frame Generationが前後の実フレームの間に中間画像を作り、置換スワップチェーンが実フレームと生成フレームをいつ表示するかを扱う。FSR 3は2023年9月29日、「FORSPOKEN」と「アヴェウムの騎士団」のパッチで初めてゲームに提供された。この時点から、画像補間と表示タイミングは役割の異なる部品だった。

現行のML版FSR Frame Generation 4.0.1は、光学フロー推定とモーションベクトルを使って中間フレームを作る。対応条件はRDNA 4のRadeon RX 9000シリーズ以上、DirectX 12、Windows 11であり、旧GPU向けには解析的なフォールバックも残る。一方、Frame Generation Swapchain 3.1.7は高優先度のペーシングスレッドで移動平均から目標表示間隔を計算し、別のpresent threadが生成フレームと実フレームを順に表示する。狙いは各フレームを同じ時間だけ画面に載せることだ。

したがって、中間画像が視覚的に正しく作られたこと、GPUやアプリケーションが高い平均FPSを返したこと、パネルが画像を等間隔で走査したことは同義ではない。double tapでは生成フレームの表示時間が短く、続く実フレームが長く残る。平均が約120fpsでも、均一な120fps相当の動きとしては見えにくくなる。

Hardware UnboxedはDLSS Frame Generationとの同一ゲーム比較ではNVIDIA側のペーシングがより一貫していたとも報告した。ただし、今回の動画は10作品すべてについて、同一GPU条件での定量比較表を示していない。この結果からRadeon全般の購入判断へ広げるには、統一した条件の追加測定が要る。

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4.0.1が直した部分、直したと書いていない部分

AMDは2024年7月のFSR 3.1でフレームペーシングの改善を案内していた。その後、2025年12月にRedstoneが公開され、現行の4.0.1とSDK 2.3ではMLベースのFrame Generationが更新されている。今回のテストは、その更新を通した旧統合と、最初からFSR 4系を組み込んだ新作の両方にまたがる。

ただし、AMDが4.0.1の更新履歴で挙げるのは、生成矩形に向けたモーションベクトルの前処理、カメラ情報のバインド、終了時の競合やハンドル処理などである。表示間隔を一般的に修正したとは記載していない。ここで区別すべきなのは、ML Frame Generation 4.0.1が中間画像を作る側であり、Swapchain 3.1.7が表示ペーシングを担う側だという点である。

この境界があるため、動画で見える乱れをMLモデル固有の欠陥と断定することも、ドライバだけで直せると決めることもできない。OS、VRR、V-Sync、キュー、スワップチェーンのどの層が影響したかは、今回の映像から特定されていない。Mafiaで安定と不安定が切り替わった観察は、単純な原因論をさらに難しくする。

推奨条件を満たしても消えない例

AMDは補間前60fps以上を推奨し、30fps未満を避けるよう案内する。Swapchainの文書は、4.0.1による生成自体を30fps以上向けとしながら、最適な表示ペーシングは60fps以上で、30〜60fpsでは最適でない場合があると説明する。これは低FPSを一律に仕様外とする記述ではなく、生成できる条件と均一な表示を得やすい条件を分けている。

「ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク」はその差を考える手掛かりになる。Hardware Unboxedは出力約138fpsで、補間前もAMD推奨の60fpsを上回る条件だったとしながら、明瞭なdouble tapとtearingを観察した。60fpsという推奨値を満たせば、すべての実装・設定で表示間隔が保証されるわけではない。

AMD自身も、良好なペーシングにはスワップチェーンへ妨げなくアクセスできることが必要だとする。DXGIを横取りする第三者ソフトが問題を生む可能性があり、VRRではフレームタイムが変動するならV-SyncをOFF、安定しているならONとする。フレームリミッターの実装も強く勧めている。測定時にこれらの条件がどう作用したかまでは示されておらず、「マフィア:オリジン ~裏切りの祖国」の再現性の揺れも含め、設定と実装の組み合わせを切り分ける必要がある。

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原因の特定と修正経路が次の課題

今回の価値は、FSR 3.1からのドライバ更新とネイティブFSR 4系の両方で、平均FPSだけでは見落とす表示間隔の乱れを10作品にわたって可視化した点にある。もっとも、Radeon RX 9070 XTと240HzのMSI MAG 321UPXを組み合わせた一つの環境を中心にした定性的な検証であり、すべてのRadeon GPU、モニター、設定での挙動を示すものではない。960fps映像も、乱れの根本原因を直接示す計測ではない。

AMDが次に公開する更新履歴に表示ペーシングの修正を載せるかは、問題がどの層にあるかを判断する材料になる。より決定的なのは、平均FPSに加えてフレーム間隔の分布を測り、GPU、VRR対応モニター、V-Sync、フレームリミッターの条件を変えて再現性を比べることだ。画像生成の品質が上がったことを、画面に届く動きの均一さまで含めて評価できるかは、その測定で初めて確かめられる。