テクノロジーと科学の最新の話題を毎日配信中!!

Metaの「効率化の年」は2024年も続く:主要部門で新たな人員削減を実施

Y Kobayashi

2024年10月18日

Metaは、WhatsApp、Instagram、Reality Labs(VRおよびAR部門)を含む複数の主要部門で新たな人員削減を実施している。この動きは、同社が事業運営の効率化を図る中で行われており、Mark Zuckerberg最高経営責任者(CEO)が2023年を「効率化の年」としていたが、これが1年では終わらず2年目に突入したことを示す動きと言える。

スポンサーリンク

Metaの新たな人員削減の概要

今回の人員削減は、2022年後半から続く一連のリストラの一環であり、Metaが直面する成長鈍化や他のソーシャルメディアプラットフォームとの競争激化といった課題に対応するものだ。具体的な削減規模は明らかにされていないが、この2年間で既に32,000人以上の従業員が削減されている。

今回の人員削減の特徴は、全社的な大規模リストラではなく、特定のチームの再編に合わせて実施されている点だ。影響を受けているのは以下の部門である:

  • WhatsApp
  • Instagram
  • Reality Labs(VRおよびAR部門)
  • Facebook

また、The Vergeの報道によると、人事、法務、デザイン部門の従業員も影響を受けているとされる。しかし、Meta社の広報担当者は、Threads、採用、法務運営部門は今回の再編の影響を受けていないと述べている。

削減規模については詳細が明らかにされていないが、一部の情報筋によると、少なくとも一つのチームで10人以上が影響を受けたとされる。また、従業員の中には異なるポジションへの移動を提案されたり、退職金パッケージを選択できる選択肢が与えられたりした者もいるようだ。

Meta社の公式声明と戦略

Meta社の広報担当者は、TechCrunchに対して以下のような声明を発表している:

「本日、Meta社の一部のチームが、長期的な戦略目標と立地戦略に沿ってリソースを確実に配分するための変更を行っています。これには、一部のチームを異なる場所に移動させたり、一部の従業員を異なる役割に移動させたりすることが含まれます。このような状況で役職が廃止された場合、当社は影響を受ける従業員に他の機会を見つけるために懸命に努力します」。

この声明からは、Meta社が単なる人員削減ではなく、戦略的な再編を目指していることが読み取れる。会社全体のリソース配分を最適化し、長期的な目標達成を目指す姿勢が表れている。

スポンサーリンク

過去の人員削減と「効率化の年」の文脈

今回の人員削減は、Meta社が2022年以降に実施してきた一連のリストラの最新のものだ。これまでの主な人員削減は以下の通りである:

  • 2022年11月:約11,000人(従業員の13%)を削減
  • 2023年3月:10,000人の追加削減を発表、5,000の未充填ポジションを取り下げ
  • 2023年5月:さらに6,000人を削減

これらの大規模な人員削減により、Meta社は数十億ドルのコスト削減を実現したとされる。

Zuckerberg CEOは2023年3月の人員削減発表時に、以下のように述べている:

「より小規模な組織は、最優先事項をより迅速に実行できます。社員はより生産的になり、仕事はより楽しく、やりがいのあるものになるでしょう。我々は、最も才能ある人材をさらに引き付ける存在になります。そのため、我々の効率化の年では、重複するプロジェクトや優先度の低いプロジェクトの中止、そして各組織をできる限り効率的にすることに注力しています」。

従業員への影響とMeta社の対応

今回の人員削減の影響を受けた従業員の中には、ソーシャルメディア上で自身の状況を公表する者も現れている。特に注目を集めているのは、Jane Manchun Wong氏の事例だ。Wong氏は、Meta社のアプリの未発表機能を報告することで知られ、2023年にThreadsチームに加わったばかりだった。当時、彼女の採用はMeta社のCTOであるAndrew Bosworth氏やInstagramの責任者であるAdam Mosseri氏によって祝福されていた。

一部の従業員によると、影響を受けた者の中には6週間分の退職金が提供されているケースもあるという。また、Meta社は影響を受けた従業員に対して、新しい機会を見つけるためのサポートを提供していると述べている。

興味深いのは、職場アプリBlindで流れた噂を裏付けるように、Financial Timesが報じた内容だ。それによると、一部の従業員が25ドルの食事クレジットを食品以外の家庭用品の購入に使用したことで解雇されたという。これが事実であれば、Meta社の経費管理の厳格化を示す一例と言えるだろう。

Meta社の継続的な再構築に向けた努力

これらの一連の人員削減と組織再編は、Meta社が直面する複数の課題に対応するための包括的な戦略の一部であると考えられる。主な要因としては以下が挙げられる:

  • ユーザー成長の鈍化:Facebook、Instagramなどの主要プラットフォームでのユーザー増加が以前ほど急速ではなくなっている。
  • 競合他社の台頭:TikTokなどの新興プラットフォームが若年層を中心に人気を集めており、Meta社のサービスからユーザーを奪っている。
  • 広告収入の不確実性:プライバシー規制の強化やAppleのトラッキング制限などにより、広告ビジネスモデルへの影響が懸念されている。
  • メタバース投資の長期的性質:Reality Labsへの巨額投資が短期的には収益に寄与せず、投資家の懸念を招いている。

このような状況下で、Meta社は「効率化の年」を通じて、より無駄のない組織構造を目指していると言える。しかし、この取り組みは諸刃の剣でもある。一方で、コスト削減と効率性の向上を実現しつつ、他方では、イノベーションの鈍化や従業員のモラル低下、人材流出のリスクも抱えている。


Sources

Follow Me !

\ この記事が気に入ったら是非フォローを! /

フォローする
スポンサーリンク

コメントする