
EUがFacebookとInstagramを暫定違反認定、無限スクロールを初期設定から外すよう要求
欧州委員会は、Metaが提供するSNSの無限スクロール等の設計が利用者の依存を促し健康リスクを評価・軽減していないとして、DSA違反の暫定見解を示した。同委は初期設定での自動再生無効化などを求め、サービス構造自体の是正を迫っている。
Instagramは、写真や動画の共有を中心機能とするソーシャルネットワーキングサービスであり、米Meta Platformsが運営する。2010年に設立され、本社はサンフランシスコに置かれている。世界的な利用者基盤を持ち、Metaの主要プロダクト群の一つとして位置づけられている。
Instagramはフィード投稿、ストーリーズ、リール(短尺動画)など複数の機能を通じて、利用者が写真や動画を共有し合う場を提供している。運営元であるMetaの傘下にあり、収益構造は広告を中心とする点でFacebookなど他のMeta系サービスと共通する。CEOにはAdam Mosseri氏が就いており、同氏はサービスの利用体験や依存性に関する社会的議論の場でMetaの立場を代表する役割を担っている。
2010年の設立以降、Instagramは写真共有アプリから短尺動画やライブ配信を含む多機能プラットフォームへと拡張してきた。Meta傘下入り後は同社の広告事業や若年層向け戦略の中核を担う存在となり、Facebookに次ぐ規模の利用者基盤を築いている。近年はTikTokなど短尺動画サービスとの競合を背景に、リール機能の強化やレコメンデーションアルゴリズムの改良が進められてきた。
2026年に入り、Instagramを取り巻く規制環境や社会的関心は一段と強まっている。2026年1月8日には、Metaが計画していたAIスタートアップManusの買収に対し中国商務省が調査を開始したと報じられ、Meta全体の事業戦略に影響を及ぼす動きとして注目された。同月11日から12日にかけては、Instagramの利用者に対して身に覚えのないパスワードリセット要求メールが大量に送られる騒動が発生し、1750万件規模のデータ流出疑惑が指摘されたが、Meta側は侵害を否定している。
2026年1月21日には、米連邦取引委員会(FTC)がMetaに対する独占禁止法訴訟の棄却判決を不服として控訴する方針を表明し、Instagramを含むMetaの事業構造そのものが競争政策上の焦点として再び浮上した。さらに2026年2月12日には、ロサンゼルスで進行中のソーシャルメディア依存症訴訟の証言台にMosseri氏が立ち、1日16時間規模の利用実態について、それが依存症を意味するものではないとの見解を示したことが報じられ、成長至上主義的な事業運営への批判が強まった。
こうした流れの中で、2026年5月には競合サービスであるDiscordが年齢確認ポリシーを強化し、利用者の一部離反や代替サービスへの関心の高まりが観測されるなど、ソーシャルメディア業界全体で未成年保護を巡る規制対応が進んでいる。同時期にはGoogleがAndroid 17において、無意識なアプリ利用を抑制する「Pause Point」機能を発表しており、Instagramのような習慣的利用を前提とするサービス設計に対するプラットフォーム側からの介入も強まりつつある。2026年6月には、10年分のInstagram投稿を分析した調査結果が公表され、フィード上のコンテンツが合成的・自動生成的な性質を強めているとの指摘がなされ、サービスの利用実態そのものが変化してきていることが示された。
Instagramは写真・動画共有という基本機能に加え、レコメンデーションアルゴリズムを軸としたコンテンツ配信が特徴であり、利用者の関与時間を最大化する設計が長年の成長を支えてきた。しかし2026年の一連の動向は、こうした設計思想そのものが依存性や未成年保護、データ管理といった観点から社会的・規制的な検証の対象となっていることを示している。Metaの中核事業としての位置づけは変わらないものの、今後はプラットフォームの設計と利用者保護のバランスが一層問われる局面にあるといえる。

欧州委員会は、Metaが提供するSNSの無限スクロール等の設計が利用者の依存を促し健康リスクを評価・軽減していないとして、DSA違反の暫定見解を示した。同委は初期設定での自動再生無効化などを求め、サービス構造自体の是正を迫っている。

GoogleはAndroid 17で、無意識なアプリ利用を抑制する新機能「Pause Point」を発表した。これは、アプリ起動時に10秒間の「意図的なフリクション」を設け、呼吸エクササイズや代替アプリ利用を促すことで、ユーザーの自己認識を回復させる。この機能は、無効化に端末の再起動を要求する強固な設計であり、高まる世界的規制圧力への戦略的応答でもある。

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