OpenAIは2026年7月22日、米ジョージア州エフィンガム郡(Effingham County)でAIデータセンター「Project Camellia」を設計・開発すると発表した。Georgia Powerから3.2GWの電力供給を受け、2028年から2032年にかけて段階的に整備する計画だ。郡側が示した資本投資額は200億ドルで、初期雇用は400人になる。単一拠点で3.2GWを確保する一方、電気料金や水利用への懸念を地域との契約にどう落とし込むかまで含めた計画である。

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3.2GWは州内電源の約15%に当たる

Project Camelliaの3.2GW3,200MWである。ジョージア州公益事業委員会(Georgia Public Service Commission、PSC)の2026年3月資料によると、Georgia Powerが州内で運用する電源は22,000MWだ。発電能力とデータセンターの契約容量は同じ指標ではないが、規模を単純比較すると約15%に達する。

OpenAIが2026年5月に示した「初期10GW」という計算基盤目標と比べても、Project Camelliaだけでほぼ3分の1となる。ただし、同社はこの拠点が初期10GWの内側か外側かを明らかにしていない。確定したのは3.2GWを一度に稼働させることではない。Georgia Powerと供給契約を結び、5年にわたって容量を積み上げる計画だ。

計画地は、すでに工業用地となっているSavannah Gateway Industrial Hubである。郡の発表では同Hubは2,600エーカーの物流キャンパスで、Project Camellia以前は倉庫・物流施設の開発が想定されていた。OpenAIはデータセンターへ転換すれば、同じ土地を倉庫に使う場合より完成後の交通量と水使用を抑えられるとしている。

2028年開始を左右する設計と資金

2028年は全面完成の時期ではない。Project CamelliaのFAQは、初期容量が同年に稼働する可能性を示す一方、最終的な規模と日程は許認可やインフラ整備に左右されると明記した。資金調達と建設、地域との協議もまだ終わっていない。OpenAI自身も、サイト計画から運営方式まで多くの作業が残ると認めている。

建設と運営を担う企業も決まっていない。OpenAIは設計・開発を主導するが、キャンパスを建設・運営するパートナーは競争入札で選ぶ。建物数と導入する半導体は公表されていない。各段階の容量と資金構成も未公表であり、200億ドルは完成済み資産の価値ではなく計画投資額である。

電力契約にも規制手続きが残る。Project CamelliaはGeorgia Powerと契約する方針だが、最終契約はPSCの承認を受ける必要がある。3.2GWという数字はOpenAIが確保を目指す完成時の容量であり、現時点の消費電力ではない。この区別を外すと、発表の大きさと実行段階を取り違えることになる。

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水と電力をめぐる公開データ

OpenAIは冷却に閉ループ方式を採用する。水を継続的に取り込み、排出する方式ではなく、車のラジエーターのように循環させる設計だ。完成後の継続的な水利用は、同程度の従業員が働く一般的な職場と同水準を見込み、冷却のために地域の公共水道へ依存しないとしている。

電力面では、需要が高まった時や系統が逼迫した時に、住宅顧客へ影響が及ぶ前にデータセンター側の消費を下げる設計を掲げる。PSCは2025年1月、100MWを超える新規大口需要家に対し、専用設備に加えて発電・送配電の費用を負担させ、長期契約や財務保証を求められる規則を承認した。OpenAIは、この枠組みに従って必要なインフラと電力サービスの全費用を支払うとしている。

ただし、閉ループ設備の年間取水量、需要を下げる発動条件と削減幅はまだ示されていない。OpenAIは電力・水使用データを公開し、独立企業による監査を毎年実施すると約束した。約束の実効性は、完成後の印象ではなく、公開される使用量と監査指標で測れるようになる。

400人から始まる雇用と地域還元

エフィンガム郡の共同発表は、Project Camelliaが初期に400人の常勤雇用を生むとしている。Project Camellia側は、全面整備時に1,000人超へ増やす見通しを示し、建設段階では電気工や設備運転員など数千人の仕事を見込む。200億ドルの投資と雇用が計画どおり進めば、OpenAIは郡内最大の納税者になると予想している。

税収とは別に、OpenAIは事業期間を通じて地域基金へ8,000万ドルを拠出する。学校や医療、公共安全をはじめ、住宅と職業訓練にも充てる想定だ。配分は地域との協議で決める。さらに州内の対象学生へ、1人100ドル、総額最大7,100万ドルのCodexクレジットを提供する。

具体的な責任は、今後策定する「Georgia Community Compact」に書き込む。2026年7月23日の公開説明会を皮切りに住民や学校、企業の意見を集め、約束と評価方法を固める構想だ。年次監査の具体的な対象はまだ公表されていない。2028年に最初の容量を立ち上げられるかに加え、電力・水使用データとCommunity Compactの評価項目が公開されれば、3.2GWの便益と負担を同じ物差しで追えるようになる。