PlayStation 3エミュレーター「RPCS3」が、個別のPS3ゲームをSteamライブラリへ追加するためのショートカット作成機能を実装した。これにより、対応するタイトルをSteam側のライブラリから呼び出しやすくなり、毎回RPCS3のメイン画面を経由して起動する手間を減らせる。Steamをゲームの統合ランチャーとして使っているPCユーザーにとって、PS3タイトルを普段のライブラリ運用に組み込みやすくする更新だ。

案内されている手順では、RPCS3のゲーム一覧から対象タイトルを選び、「Manage Game」内の「Create Steam Shortcut」を実行すると、Steam向けのショートカットを作成できる。Steamに非Steamゲームを登録する発想自体は以前からあったが、今回の変更ではその作業をRPCS3側のUIから進めやすくした点に意味がある。

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RPCS3のゲーム一覧からSteam用ショートカットを作成できる

今回の更新で追加されたのは、RPCS3のゲーム管理画面からタイトル単位でSteamショートカットを作る機能である。報じられている内容では、ユーザーはゲーム一覧から対象のPS3タイトルを選び、管理メニュー経由でSteamライブラリ向けの登録処理を進められる。従来のように、Steam側で外部ゲーム登録を手作業で整えたり、起動用の引数や補助ツールを組み合わせたりする運用よりも分かりやすい。

この機能によって変わるのは、エミュレーターの性能そのものというより、ゲームの呼び出し方である。RPCS3を先に起動し、そこから目的のタイトルを探して立ち上げる流れではなく、Steamライブラリの一覧から個別のPS3ゲームを選んで起動しやすくなる。Steamを日常的な起点として使うユーザーにとっては、PS3タイトルの置き場が明確になる更新といえる。

これにより、ライブラリ上の見た目も含めて扱いやすさが増すようだ。ただし、どの情報がどの条件でSteam側へ反映されるのか、アートワークや表示形式の仕様がどこまで固定されているのかについては、確認できる範囲が限られている。現時点では、まず個別タイトルをSteam側から起動しやすくする機能追加として受け取るのが妥当である。

手動運用や補助ツールで行っていた作業をUIに取り込んだ更新

今回の更新は、完全に新しい仕組みをゼロから追加したというより、従来は上級者が手動で整えていた運用を、RPCS3の標準機能として使いやすくした側面が強い。報道では、これまでもコマンドライン引数や外部ツール、Steam ROM管理系の仕組みを使って似た運用を組んでいたユーザーがいたとされる。RPCS3は個別ゲームの直接起動に必要な手段をすでに持っていたが、その操作をより見つけやすいUIに載せた形である。

この種の改善は地味に見えて、エミュレーターの利用体験では重要だ。互換性が高まっても、実際の起動手順が煩雑であれば日常的には使いにくい。逆に、ライブラリ管理や起動導線が単純化されると、PCゲームとエミュレータータイトルの境界を意識せずに扱いやすくなる。今回の変更は、まさにその導線の整備に当たる。

Steam側から見れば、ユーザーが普段触れているライブラリにPS3タイトルを並べられることになる。PCネイティブのゲーム、他ランチャー由来のタイトル、非Steamゲームと並列にRPCS3のタイトルも置けるようになれば、起動環境をひとまとめにしやすい。更新の価値は、性能の数値よりも、日々の使い勝手の改善にある。

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Big Picture中心の環境や携帯型PCで恩恵が大きい

この機能が特に分かりやすく効くのは、Steamを中心にゲームを起動している環境である。デスクトップPCだけでなく、携帯型ゲーミングPCやリビングルーム向けの構成では、SteamのBig Picture Modeを基点にコントローラーでライブラリを巡回する使い方が定着している。そうした場面では、エミュレーター本体のデスクトップUIを毎回経由しなくてよいこと自体が利便性につながる。

実機画面では、Big Pictureとの親和性や、Steam中心のUIにPS3タイトルを組み込みやすくなっている。特に、複数のプラットフォーム由来のゲームを1つのインターフェースで管理しているユーザーにとって、Steamライブラリに個別ショートカットとして並ぶことは大きい。タイトル単位で一覧に現れれば、起動したいゲームを選ぶまでの手順が短くなるためである。

もっとも、この更新だけであらゆる入力操作が完全に統一されるわけではない。実際のプレイ体験は、各ゲームのRPCS3上での互換性、コントローラー設定、環境ごとの操作体系にも左右される。今回の機能が解決するのは主にライブラリ登録と起動導線であり、エミュレーション環境全体の調整まですべて不要にするものではない。

反映にはSteam再起動が必要

実運用上の注意点として、ショートカット作成後にSteamの再起動が必要で、RPCS3側でショートカットを作った直後にSteamライブラリへ即時反映されるわけではなく、Steamを再起動して初めて新規追加分が見える点に注意が必要だ。したがって、連携機能とはいっても、常時同期型の更新ではない。

それでも、作業の流れは十分に簡略化されている。ユーザーが毎回Steam側で登録作業を探したり、個別の起動設定を自前で整理したりする必要が薄れるからだ。Steam再起動という一手間は残るものの、全体としては「RPCS3でショートカットを作る」「Steamを再起動する」「Steamライブラリから起動する」という分かりやすい流れに整理されたとみてよい。

エミュレーターの改善は、互換性や描画性能のような大きな項目が注目されやすいが、日々の利用ではこうした小さな導線の整備も効いてくる。RPCS3は直近でPS3タイトルの約70%がプレイ可能な状態にあると案内しており、遊べるタイトルが増えるほど、起動や管理のしやすさの重要性も増していく。今回のSteamショートカット機能は、その運用面を補強するアップデートとして位置付けられる。


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