2026年に発売予定のiPhone 18シリーズに搭載される見込みのApple A20プロセッサに関して、新たな情報が浮上している。台湾の半導体製造大手TSMCの最新プロセス「2nm」を採用することにより性能が大幅に向上する可能性は報じられていたが、前世代チップと比較して約15%の性能向上を、同等の消費電力で実現されるかもしれないとのことだ。
A20プロセッサ、予想を覆しTSMCの2nmプロセスを採用
以前の報告では、A20チップはA19と同じくTSMCの第三世代3nmプロセス(3nm ‘N3P’)を継続使用し、大きな性能向上は見込めないとされていた。しかし最新の業界分析によると、AppleはiPhone 18シリーズ向けのA20プロセッサで、TSMCの最新2nmプロセスを採用する方針に転換したことが報じられていた。
半導体の製造プロセスにおける「nm(ナノメートル)」の数値が小さいほど、より微細な構造を持つチップが製造可能となり、同じ面積により多くのトランジスタを詰め込むことができる。これにより、性能向上や電力効率の改善が実現する。
最近の経済日報(Economic News Daily)の報告によれば、3nmから2nmへの製造プロセス微細化により、同じ電力消費で約15%のパフォーマンス向上が実現するという。TSMCは2nmウェハーの注文受付を間もなく開始し、Appleがその最初の顧客になる可能性が高いと伝えられている。
現行のiPhoneシリーズではA18 SoCが搭載されており、これはTSMCの3nmプロセスで製造されている。来年発売予定のiPhone 17シリーズも基本的には3nmプロセスを継続使用するが、改良型3nmプロセスにより微細化が進み、トランジスタ密度が増加することで、適度な性能向上が期待されている。
効率性とバッテリー持続時間の向上も期待
2nmプロセスへの移行は「ワット当たりの性能」を向上させるが、Appleはさらに電力効率を高めるために、最大消費電力を制限する設計変更を行う可能性もある。これにより、システム全体の電力効率が向上し、バッテリー持続時間の改善につながる。
また、iPhone 17および18シリーズでは、シリコンカーボンバッテリー技術を採用する可能性も報告されている。この新型バッテリーは、デバイスの厚みを増やすことなく容量を増加できる特徴を持つ。A20の効率性向上とこの新型バッテリーを組み合わせることで、iPhone 18シリーズは前例のないバッテリー持続時間を実現する可能性がある。
コスト増加とiPhone価格への影響
しかし、2nmへの製造プロセス微細化には課題も存在する。各ウェハーは約3万ドルと推定されており、これは現行プロセスと比較して大幅なコスト増加を意味する。このコスト増により、AppleはiPhone 18シリーズの価格を引き上げる可能性があるとの見方もある。特にA20プロセッサを搭載するモデルは影響を受けやすいだろう。
半導体業界全体への影響
TSMCの2nmプロセス技術は、Apple以外の企業からも高い関心を集めている。報告によると、インテルのNova Lakeプラットフォームも2nmプロセスの採用を計画しており、順番待ちは2026年まで続くという。TSMCの2nmプロセスはまだ量産段階に入っていないにもかかわらず、すでに予想を上回る市場需要を獲得している。
Appleの幹部は最近、Apple Siliconの自社開発チップが成功した秘訣として、競合他社が最新技術(第二世代3nmなど)を直接最初に使用できないことを挙げている。Appleは最新技術への優先アクセスから大きな恩恵を受けており、これが製品と顧客に利益をもたらしているという。
なお、情報源の一部ではiPhone 18シリーズの発売時期を2026年としているが、他の情報源では2025年としており、正確な発売時期については不確定要素が残る。
さらに、Appleはアメリカでのチップ生産にも力を入れており、トランプ政権の「アメリカ製造」政策に積極的に対応している。今後4年間でアメリカに5,000億ドル以上を投資する計画を持ち、TSMCのアリゾナ州新工場からのチップ調達にも数十億ドルの投資を約束しているとのことだ。
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