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Appleの次世代A20チップ、TSMCの2nmプロセスで製造か – アナリスト予測を訂正

Y Kobayashi

2025年3月21日

業界アナリストのJeff Pu氏が、AppleのiPhone 18向けA20チップがTSMCの2nmプロセスで製造されるという予測を明らかにした。少し前には3nmプロセスを使用するとの予測が報じられていたが、2nmプロセスの採用が叶えば、A20チップはA19チップより大幅なパフォーマンスと電力効率の向上が期待できる。

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A20チップの製造プロセスに関する予測の修正

GF Securities(香港)の主任AppleアナリストであるJeff Pu氏は当初、次世代iPhone 18向けA20チップがTSMCの第3世代3nmプロセス(N3P)で製造されると予測していた。このN3Pプロセスは、2024年後半に登場予定のiPhone 17向けA19チップでも使用される見込みであり、両チップが同じ製造基盤を共有するという見通しは、多くのスマートフォンプロセッサ愛好家を失望させていた。

しかし最近、Pu氏はMacRumorsへの連絡で予測を修正し、A20チップはTSMCの最先端2nmプロセス(N2)で製造されると述べた。彼によれば、N3Pプロセスに関する以前の情報は「無視すべき」だという。この修正により、A20チップが2nmプロセスで製造されるという以前の報告と一致することとなり、Appleのチップロードマップに関する噂が再び統一された。

業界専門家によれば、2nmプロセス(半導体の回路パターンが2ナノメートル程度の微細さで形成される技術)への移行は、A20チップがA19チップよりも大幅なパフォーマンスと電力効率の向上を実現することを意味する。半導体製造プロセスのノード数が小さくなるほど、より多くのトランジスタをチップに詰め込むことができ、より高性能かつ省電力な処理が可能になるのだ。

TSMCの2nmプロセス技術開発と生産展望

TSMCの2nm(N2)技術開発は予定通り順調に進んでおり、同社初のナノシート・トランジスタ技術を特徴としている。ナノシート・トランジスタとは、従来のフィン型トランジスタから進化した構造で、より優れた電気的制御と性能向上を実現する技術である。

TSMCによれば、N2技術は性能と消費電力の面で「フルノードの進歩」(製造プロセスの世代間における大幅な改善)をもたらし、量産は2025年に開始予定だという。同社は低抵抗RDL(再配線層)や超高性能の金属-絶縁体-金属(MiM)コンデンサなども開発し、さらにチップ性能を高めている。

業界関係者によれば、TSMCは2nmプロセスの試験生産ですでに60%の歩留まり(製造過程で基準を満たす製品の割合)を達成したとされている。この数字は、Appleなどの企業が最初のウェハーバッチを確保するために熱心になる理由を示している。

台湾の宝山と高雄の施設が完全稼働すれば、TSMCは2025年末までに月間2nmウェハー生産を8万枚に増やす計画だと報じられている。また、同社は4月から新しい「CyberShuttle」サービスを開始する予定で、これによりAppleなどの企業は同じテストウェハーで複数のテストを評価でき、開発コストを削減できるようになるという。

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iPhone 18シリーズへの採用と市場への影響

一方で、TF International Securitiesのアナリスト、Ming-Chi Kuo氏は、2nmチップの製造コストが非常に高額(ウェハー1枚あたり推定30,000ドル)なため、iPhone 18シリーズの全モデルがこの最先端プロセスを採用するわけではない可能性を指摘している。特に、「Pro」モデルのみが2nm SoCを搭載し、標準モデルは引き続き3nmプロセスを使用する可能性がある。

こうした製造プロセスの差異は、iPhone 18シリーズ内での性能格差をさらに広げる可能性がある。2nmプロセスのチップは、高度なAI機能、より長いバッテリー持続時間、より高速な処理能力など、ユーザー体験を大きく向上させる可能性がある一方、コスト面での制約から全モデルへの搭載は難しいかもしれない。

iPhone 18シリーズの発売はまだ1年半先であり、計画が「一瞬で」変更される可能性もあるが、少なくとも現時点では、A20チップがTSMCの2nmプロセスで製造されるという最新の予測は、Appleが引き続き半導体技術の最前線に立ち続ける意向を示している。


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