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AirPods Pro 3の発売は2025年秋?それとも2026年?錯綜する次世代AirPodsの噂と予想される性能

Y Kobayashi

2025年5月19日

Appleの次世代AirPods、特にフラッグシップモデルとなるAirPods Pro 3を巡る情報が市場を賑わせている。ソフトウェアの解析からは2025年後半の登場を示唆するヒントが見つかる一方、著名アナリストからは2026年登場という異なる予測も提示され、ユーザーの期待と憶測は高まるばかりだ。果たして、私たちは何を信じ、何が期待できるのか?

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リーク情報が指し示す「2025年秋」のAirPods Pro 3登場シナリオ

ここ数日の間に、Apple自身のソフトウェアアップデートの中から、AirPods Proの次期モデルの存在を強く示唆する記述が発見された。具体的には、従来「AirPods Pro 2nd generation」とされていたテキストが「AirPods Pro 2 or later」(AirPods Pro 2またはそれ以降)と変更されていたのだ。この発見は、研究者Aaron Perris氏によってXで共有され、多くのAppleファンやメディアの注目を集めた。

この種のソフトウェア内の記述変更は、新製品登場の準備段階でよく見られる兆候であり、これまでのAirPods Proのリリースサイクル(初代2019年、第2世代2022年)を考慮すると、2025年秋の登場は十分に現実的な線と言えるだろう。 この時期は、例年新型iPhoneが発表されるタイミングと重なり、同時発表の可能性も囁かれる。

もし2025年秋に登場する場合、AirPods Pro 3には以下のような新機能が期待されている。

  • H3チップの搭載: より高速な処理能力、接続安定性の向上、そして新たなオーディオ体験を実現する新型チップの搭載は確実視される。
  • アクティブノイズキャンセリング(ANC)の進化: 現行モデルでも高い評価を得ているANC機能がさらに磨かれ、より静寂なリスニング環境を提供すると考えられる。
  • 心拍数モニタリング: 健康管理機能への注力を強めるAppleが、AirPods Proにも心拍数センサーを搭載するとの噂は以前から根強くある。すでにBeatsブランドのPowerbeats Pro 2で実現していることからも、その可能性は高いと言えるだろう。
  • デザインの刷新: 現行デザインを踏襲しつつも、装着感の向上やセンサー類の最適化を目的とした細かなデザイン変更が行われるかもしれない。

価格については、現行のAirPods Pro 2と同様の249ドルに据え置かれる可能性が指摘されているが、関税政策などの外部要因による価格変動のリスクも考慮に入れる必要があるだろう。

有力アナリストKuo氏の「2026年説」とその衝撃

一方で、Apple関連の予測で高い実績を持つアナリスト、Ming-Chi Kuo氏は、異なる見解を示している。同氏は、AirPodsラインナップにおける主要なハードウェアアップデートは2025年には行われず、AirPods Pro 3は2026年に登場すると予測しているのだ。

Kuo氏によれば、2026年モデルのAirPods Proには赤外線(IR)カメラが搭載される可能性があるという。これはApple Vision Proとの連携強化や、新たな空間オーディオ体験、さらにはAR(拡張現実)機能への布石となるかもしれない。 このIRカメラは、ユーザーを目的地へ誘導したり、収集したコンピュータビジョン情報をiPhoneなどの他デバイスと連携させ、Apple Intelligenceの能力を拡張する役割を担うとされている。

この「2026年説」は、ソフトウェアの痕跡が示唆する「2025年秋説」と真っ向から対立しており、市場に少なからず混乱を生んでいる。9to5Macなどの一部メディアは、AirPods Pro 2の発売から3年が経過し、Appleにとって最も人気があり収益性の高いAirPodsモデルであることを考えると、2026年まで大きなアップデートがないというKuo氏の予測には懐疑的な見方を示している。

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なぜ情報は錯綜するのか?

このように情報が錯綜する背景には、いくつかの要因が考えられる。

まず、Appleの厳格な情報管理体制である。同社は新製品に関する情報を発表直前まで徹底的に秘匿することで知られるが、一方で話題性を喚起するために意図的に情報を小出しにしているのではないか、という憶測も絶えない。

次に、情報源の多様性だ。ソフトウェアの解析から得られる情報は比較的具体的な開発状況を示唆するが、サプライチェーンからの情報やアナリストの予測は、より長期的な視点や戦略的意図を反映している場合がある。これらの情報が必ずしも同じタイミングで同期するとは限らない。

そして、開発プロセスにおける変更の可能性だ。製品開発は流動的であり、当初の計画から変更が生じることは珍しくない。現時点で複数の情報が混在しているのは、開発の最終段階に至っていないことの現れとも解釈できる。

確かにソフトウェアの具体的な記述変更は、少なくとも何らかの新型AirPods Proの準備が進んでいる確かな証拠と捉えられる。しかし、それが直ちに2025年秋の発売に結びつくか、あるいはKuo氏の指摘するような大幅な機能追加(IRカメラなど)を伴うモデルとして2026年に登場するのかは、現時点では断定できない。

共通して期待されるAirPodsの未来像:ヘルスケアとAI連携の深化

発売時期に関する見解は分かれているものの、次世代AirPodsが単なるオーディオデバイスを超えた存在へと進化していく方向性は、多くの情報源で共通して示唆されている。

  • ヘルスケア機能の拡充: AirPods Pro 3への心拍数モニタリング搭載の噂はその筆頭だ。将来的には体温測定など、さらなる健康関連センサーの統合も期待される。
  • IRカメラによる新たな体験: Kuo氏が指摘するIRカメラは、単なる機能追加に留まらず、Apple Vision Proとのシームレスな連携や、周囲の状況を認識するVisual Intelligence機能を通じて、Apple Intelligenceをより強力にサポートする可能性がある。 ユーザーがiPhoneをポケットに入れたままでも、AirPodsが視覚情報を収集し、AIアシスタントがより的確な情報提供や操作を行えるようになるかもしれない。
  • ライブ翻訳機能: iOS 19の登場と共に、既存のAirPodsにもライブ翻訳機能が追加されるとの噂も浮上している。 これが実現すれば、AirPodsを装着したユーザー同士が異なる言語でスムーズに会話できるようになるだろう。

これらの動きは、Appleがウェアラブルデバイスを通じてユーザーの日常生活に深く関与し、よりパーソナルでインテリジェントな体験を提供しようとしている戦略の表れと言えるのではないだろうか。

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AirPods Maxユーザーはさらなる忍耐が必要か?

オーバーイヤー型ヘッドフォンのAirPods Maxについては、Kuo氏によると、大幅なハードウェアアップデートは2027年まで待つ必要があるかもしれないとのことだ。 期待されるのは、現行モデルの課題でもある本体の軽量化である。

最近のソフトウェアアップデート(iOS 18.4、macOS 15.4)により、USB-C接続時のロスレスオーディオや低遅延オーディオ、パーソナライズされた空間オーディオへの対応が追加されたが、ハードウェアの刷新を待ち望むユーザーにとっては、まだしばらく辛抱の時が続きそうだ。

結局のところ、私たちは何を待ち、どう備えるべきか

現時点では、AirPods Pro 3の正確な発売時期や詳細なスペックについて、Appleからの公式発表はない。ソフトウェアのリークは2025年秋の登場を示唆するが、有力アナリストは2026年という異なるタイムラインを提示しており、情報が錯綜しているのが実情だ。

ユーザーとしては、以下の点を念頭に置くのが賢明だ。

  1. 情報の確度を見極める: リーク情報や噂はあくまで非公式なものであり、変更される可能性があることを理解しておく必要がある。
  2. 自身のニーズを再確認する: 現行モデルで満足しているのか、あるいは噂されている新機能が本当に必要なのかを検討し、買い替えのタイミングを判断することが重要だ。
  3. 公式発表を待つ: 最終的には、Appleからの公式発表が最も信頼できる情報源である。特に大きな買い物となる場合は、焦らずに確かな情報を待つのが得策と言えるだろう。

AirPodsシリーズが、音楽体験だけでなく、コミュニケーション、ヘルスケア、そしてAIとの連携において、今後どのような進化を遂げるのかは興味深い。ただ、最大のライバルであろうSonyのワイヤレスイヤホンWF-1000XM6の発売が今年とも噂されていることから、懐事情を考えると、AirPodsの次期は少しずらしてもらえるのが個人的にはありがたいところだ。


Sources

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