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AppleのM4 Max、Geekbenchテスト結果がリーク – 前世代比で最大31%の性能向上、Core Ultra 9 285KやRyzen 9 9950Xにも勝利

Y Kobayashi

2024年11月2日

新型MacBook Proに搭載されたAppleの最新プロセッサM4 Maxの詳細なベンチマークスコアが公開され、同社のシリコン製品において過去最高の性能を記録したことが明らかになった。特にシングルコア性能では大幅な向上が確認され、前世代のM3 Maxと比較して最大31%の性能向上を達成している

圧倒的なシングルコア性能の向上

Geekbench 6の測定結果によると、16インチMacBook Proに搭載されたM4 Maxは、シングルコア・スコアで4,060ポイント、マルチコア・スコアで26,675ポイントを記録した。この数値は、前世代のM3 Max(シングルコア3,070ポイント、マルチコア21,405ポイント)と比較して、シングルコアで31%、マルチコアで25%の性能向上を示すものだ。

特筆すべきは、このスコアが2023年モデルのMac Studio(M2 Ultra搭載)のシングルコア2,868ポイント、マルチコア22,065ポイントをも大きく上回っていることである。M2 Ultraが24のCPUコアを搭載しているにもかかわらず、16コア構成のM4 Maxがより高いパフォーマンスを実現している点は注目に値するだろう。

プロセッサシングルコアマルチコア
M4 Max4,06026,675
M4 Pro3,92522,669
M43,86415,288
M3 Pro3,10715,269
M3 Max3,07021,405
M33,06511,959
M2 Ultra2,86822,065
M2 Max2,74814,674
M2 Pro2,63514,235
M22,5969,733
M1 Max2,41912,623
M1 Ultra2,39518,326
M1 Pro2,38712,349
M12,3428,352

ちなみに、Intel及びAMDのデスクトップの最新CPUと比較してもM4 Maxのスコアの方が優れている点も驚きだ。M4 Maxは、IntelのCore Ultra 9 285Kをシングルコアで約19%、マルチコアで約16%上回るパワーを発揮している。 Ryzen 9 9950Xと比較すると、M4 Maxはシングルコアで18%、マルチコアで25%高いパフォーマンスを示した。これをノートPCの消費電力で達成しているのだから驚きだろう。

プロセッサシングルコアマルチコア
M4 Max4,06026,675
Ryzen 9 9950X3,43421,399
Core Ultra 9 285K3,42222,954
M3 Max3,07021,405

GPUパフォーマンスも大幅に向上

グラフィックス性能においても、M4 Maxは著しい進化を遂げている。Geekbenchのメタルスコアでは192,532ポイントを記録し、M3 Max(154,860ポイント)と比較して約25%の性能向上を達成した。さらに注目すべきは、76コアGPUを搭載するM2 Ultra(221,646ポイント)との差がわずか13%に縮まっていることである。

40コアGPUを搭載するM4 Maxが、コア数でほぼ2倍のM2 Ultraに近い性能を発揮できている点は、Appleのチップアーキテクチャの効率性向上を示す重要な指標となっている。

プロセッサOpenCLMetal
M4 Max192,532
M4 Pro69,867111,119
M453,372
M3 Max86,077154,860
M3 Pro52,76973,810
M329,27446,255
M2 Ultra119,218221,646
M2 Max86,805132,106
M2 Pro52,69177,179
M223,35143,233
M1 Ultra94,125160,020
M1 Max60,167110,718
M1 Pro37,79565,432
M118,84930,874

M4 Maxは、12個のパフォーマンスコアと4個の効率重視コアを組み合わせた16コアCPU構成を採用している。クロック速度は最大4.5GHzに達し、これは標準仕様の4.40GHzから若干上昇している。この周波数向上が、特にシングルコア性能の大幅な向上に寄与していると考えられる。

Xenospectrum’s Take

今回のベンチマーク結果は、Appleのシリコンデザインにおける重要な転換点を示している。特にシングルコア性能での31%という大幅な性能向上は、通常の世代間改善率を大きく上回る成果だ。この進化は、アーキテクチャの根本的な改良と電力効率の最適化によって実現されたと考えられる。

特に注目すべきは、デスクトップ向けのハイエンドチップであるM2 Ultraを上回る性能を、ノートPC向けのM4 Maxで実現している点だ。これは、モバイルでのハイパフォーマンスコンピューティングの新たな可能性を示唆している。

ただし、これらのベンチマークスコアは製品発売前の初期データであることに留意が必要である。実際の製品レビューや多様なワークロードでのテストを待って、M4 Maxの真の性能を評価する必要があるだろう。今後、クリエイターやデベロッパーによる実際の使用レポートが、このチップの実性能をより明確に示すことになるだろう。


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