Term

DUV

別名: 深紫外線露光装置, DUV, Deep Ultraviolet Lithography, DUV装置, DUVリソグラフィ装置, DUVリソグラフィ, 深紫外線リソグラフィ, DUV露光装置, 深紫外線, Deep Ultraviolet, 深紫外

Overview

最終更新: 2026年7月9日

DUV(Deep Ultraviolet Lithography、深紫外線露光)とは、波長193nmないし248nmの深紫外線を光源として、半導体ウェハ上にフォトマスクのパターンを縮小投影し回路を焼き付ける露光技術である。1990年代後半から2010年代にかけて半導体製造の主力技術として確立し、EUV(極端紫外線)リソグラフィが実用化された現在でも、成熟プロセスや一部の先端プロセスの量産において広く使われている。装置を供給できるのはASML、Nikon、Canonなど少数の企業に限られ、地政学的な要衝技術としても注目されている。

概要

DUVリソグラフィは、ArF(フッ化アルゴン、193nm)エキシマレーザーやKrF(フッ化クリプトン、248nm)エキシマレーザーを光源とし、液浸露光や多重露光(マルチパターニング)技術と組み合わせることで、EUV登場前から数十nm世代までの微細化を実現してきた。EUV露光装置が7nm以降の最先端プロセスで主流となった後も、DUVは装置価格やスループット、信頼性の面で優位性を持ち、成熟プロセスノードや一部の先端プロセスにおいて併用されている。

沿革

DUVリソグラフィは1990年代にKrFエキシマレーザーを用いた露光装置として導入され、微細化の進展を支えた。2000年代にはArFエキシマレーザーへの移行と液浸露光技術の導入により、45nm世代以降の微細化にも対応するようになった。2010年代後半にEUVリソグラフィが実用化されると最先端プロセスの主役はEUVに移ったが、DUVは多重パターニング技術と組み合わせることで一定の微細化を継続し、成熟プロセスの主力技術として定着している。

技術的位置づけ

EUV(波長13.5nm)と比較すると解像度の限界は低いが、装置価格が安く量産の安定性が高い。EUV露光装置の輸入が規制されている地域では、DUVを多重露光技術と組み合わせることで、EUVを使わずに先端プロセス相当の微細化を実現する試みも進められている。DUV露光装置自体も輸出管理の対象となっており、先端半導体の製造能力を左右する戦略物資としての性格を強めている。

主要な動向

2026年4月には、中国科学院の研究チームが、従来のガスベースのエキシマレーザーに代わり、コンパクトな固体光源で波長193nmのDUVレーザーを生成する技術の開発に成功したと発表した。同年5月には、ASMLが約30年にわたり独占してきたDUV市場に対し、Nikonが垂直統合戦略で価格競争を持ち込む動きが報じられた。同年6月には、中国のYMTCが輸出規制下で国産設備比率50%超の生産ラインを構築し、NANDフラッシュの生産能力を拡大していることが明らかになった。同じく6月には、中国国内の技術者がASML製DUV装置の分解によるリバースエンジニアリングを試みたものの失敗し、ASMLに修理を依頼する事態も発覚した。さらに6月には、中国のSMICがEUV装置を使わずDUVを用いた多重露光技術で5nmプロセスの開発に成功し、Huaweiへの供給を検討しているとの報道もあった。これらの動向は、DUVが先端半導体製造をめぐる輸出規制の枠組みの中で、依然として重要な代替技術として位置づけられていることを示している。同月には、ASMLとオランダの研究機関TNOが、DUV露光装置や計測技術を光チップ(InP)のパイロットラインに導入し、量産化に向けた製造実証を進める提携も発表しており、DUV技術の応用範囲は半導体ロジック・メモリ製造以外の分野にも広がりつつある。

Mentioned Articles

12 件

よくある質問

DUVとは何ですか?
DUVとは、波長193nmや248nmの深紫外線を光源として半導体ウェハ上に回路パターンを縮小投影する露光技術である。1990年代から半導体製造の主力技術として使われてきた。
DUVとEUVの違いは何ですか?
EUVは波長13.5nmの極端紫外線を用いてより微細な回路形成が可能だが装置価格が高い。DUVは解像度の限界が高いものの装置価格や運用面で優位性があり、成熟プロセスなどで併用される。
DUVはどのようなプロセスで使われていますか?
成熟プロセスの量産に加え、多重露光技術と組み合わせることでEUVを使わずに先端プロセス相当の微細化を実現する事例もあり、中国のSMICなどが5nmプロセス開発に活用したと報じられている。
中国はDUVをどのように活用していますか?
2026年に中国科学院が固体光源によるDUVレーザー開発に成功したほか、YMTCが国産設備比率を高めた生産ラインを構築するなど、輸出規制下で国産化を進める動きが目立っている。
DUV市場ではASML以外にどのような企業がありますか?
2026年5月には、Nikonが垂直統合戦略でDUV市場に価格競争を持ち込む動きが報じられ、約30年にわたるASMLの独占的地位に変化の兆しが見られている。

External Mentions

10 件