
SamsungがPCIe 6.0エンタープライズSSDの量産を開始、AIサーバーのストレージ帯域を倍増させる
Samsungは、AIサーバーのデータ転送速度向上に向けたPCIe 6.0対応のエンタープライズSSD「PM1763」を量産化した。前世代比2倍以上の読み取り速度を実現し、次世代AIプラットフォームでのボトルネック解消と効率的な運用を支援する。(119文字)
別名: PCI Express 6.0, PCIe 6.0
PCIe 6.0(PCI Express 6.0)は、PCI-SIGが策定したシリアルインターコネクト規格の第6世代であり、レーン当たり最大64GT/sの転送速度を実現する。前世代のPCIe 5.0(32GT/s)から信号方式をNRZからPAM4に変更することで帯域を倍増させており、x16構成では双方向で256GB/sに達する。AIサーバーやデータセンター向けSSD、GPU間接続など、大容量データを高速に扱う用途での採用が想定されている規格である。
PCIe 6.0はPAM4(4値パルス振幅変調)を採用した最初のPCIe世代であり、信号の高密度化によって従来比2倍の帯域を実現した一方、信号品質の維持やエラー訂正、発熱管理といった新たな技術課題も抱えている。これに対応する形で、PCI-SIGはバス自体にサーマルスロットリング機構を組み込み、温度上昇時にリンク速度を自動的に低下させる仕組みを規格に盛り込んでいる。
PCIeは世代を経るごとに転送速度を倍増させてきたが、PCIe 6.0はその延長線上にありながら、AI・機械学習向けワークロードの急増によるデータ転送需要の高まりを背景に実用化が加速している規格である。後継として2026年時点で仕様策定が進むPCIe 7.0は128GT/s、x16構成で512GB/sの双方向帯域を目指し、さらに次世代のPCIe 8.0では256GT/s、1TB/sという物理限界に近づく仕様が検討されており、光コネクタへの移行も視野に入れられている。PCIe 6.0はこうした高速化の系譜における現行世代の到達点として位置づけられる。
2026年4月には、Phison ElectronicsがComputex 2025においてPCIe Gen 6対応のSSDコントローラ「PT1601」を世界初公開し、単レーン64Gbpsという高速性能を示した。これにより、PCIe 6.0世代のSSD市場への実装が具体的な段階に入ったことが明らかになった。同時期には、PCI-SIGがPCIe 7.0の最終ドラフト(バージョン0.9)を会員向けに公開しており、PCIe 6.0の次を見据えた規格開発が並行して進んでいることも示された。
2026年5月には、PCIe 6.0世代のSSDが抱える発熱問題への対応として、バス自体にサーマルスロットリング機構を設ける仕組みが明らかになった。高速化に伴う発熱増大は既にPCIe 5.0世代のSSDでも巨大なヒートシンクが必要になるなど顕在化しており、PCIe 6.0ではこの課題への構造的な対策が規格レベルで組み込まれている。同月には、PCI-SIGがPCIe 5.0および6.0向けの新しい接続規格「CopprLink」の仕様を確定させたことも発表され、64GT/sの高速転送を実現する物理接続の選択肢が広がった。
2026年6月には、Samsung Electronicsが深センで開催されたGlobal Memory Innovation Forum 2025においてストレージ技術のロードマップを公開し、2027年に512TBのPCIe 6.0 SSDを投入する計画を示した。AIワークロードの拡大に対応した大容量ストレージの需要を背景に、PCIe 6.0が次世代SSDの標準インターフェースとして位置づけられていることが確認された。また同時期には、PCI-SIGが次世代規格PCIe 8.0の仕様策定開始を発表し、2028年のリリースを目指して256GT/s、x16構成で1TB/sの実現に向けた検討が進んでいることも報じられており、PCIe 6.0を含む一連の高速化競争が継続していることがうかがえる。

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