Term

RISC-V

別名: リスクファイブ, RISC-V

riscv.org

Overview

最終更新: 2026年7月9日

RISC-Vは、ライセンス料が不要で仕様が公開された命令セットアーキテクチャ(ISA)である。2010年に策定が始まり、CPUの基本設計を誰でも自由に利用・改変できる点が特徴で、Arm社やIntelが提供するプロプライエタリなISAとは異なる立ち位置を占める。オープン性とカスタマイズ性の高さから、組み込み機器からデータセンター、モバイル、宇宙用途まで幅広い分野で採用が進んでいる。

概要

RISC-Vは特定の企業が権利を独占しない中立的なISAであり、命令セットの仕様自体は無償で公開されている。ライセンス料が発生しないため、チップ設計企業は自社製品にRISC-Vコアを組み込む際の初期コスト負担が小さく、独自の拡張命令を追加して用途特化型のプロセッサを開発しやすい。この柔軟性が、Armの一強体制が続く半導体業界において代替選択肢としての存在感を強めている背景にある。

技術的位置づけ

Armはこれまで中立的なIPライセンサーとして半導体業界のエコシステムを支えてきたが、近年は自社でプロセッサ設計まで手掛ける動きを強めており、顧客企業との競合関係が生じつつある。こうした状況下で、RISC-Vはライセンス条件に縛られない代替アーキテクチャとして注目を集めている。x86やArmが長年蓄積してきたソフトウェア資産やエコシステムの厚みには及ばないものの、命令セットの仕様確定や周辺ツール、OS対応が進むことで、商用製品での実用性が徐々に高まっている。

主要な動向

2026年に入り、RISC-Vをめぐる動きは複数の分野で加速している。5月には、NASAとMicrochip Technologyが共同開発した宇宙用プロセッサ「HPSC」がRISC-Vアーキテクチャを採用し、従来の宇宙用チップと比べて大幅な処理性能の向上を実証したと報じられた。これにより深宇宙探査機の自律処理能力の向上が期待されている。同じく5月には、AlibabaのXuanTieチームが手がけたRISC-VベースプロセッサでAndroid 16を動作させることに成功し、RVA23標準準拠プロセッサでの最新Android稼働の初事例として、モバイル市場におけるRISC-Vの商用実用性を示した。

さらに5月には、半導体設計を自律的に行うAIエージェント「Design Conductor」が、簡潔な仕様書からRISC-V CPUの論理回路を組み上げ、短時間で製造用レイアウトファイルを出力する成果も報告されている。6月には、次世代ビデオコーデックAV2向けのオープンソースCPUデコーダ「dav2d」がRISC-Vを含む広範なプラットフォーム向けに最適化され公開された。

業界構造の面では、2026年6月にQualcommがRISC-V関連技術を持つAI半導体企業Tenstorrentの買収を最大100億ドル規模で協議していると報じられ、Arm依存からの脱却とデータセンター向けAI市場での競争力強化が狙いとされている。同時期には、Armが自社データセンター向けプロセッサを発表し中立的なライセンサーから競合的な立場へ転換したことを受け、米FTCがArmのライセンス慣行に関する反トラスト法調査を開始する事態も生じており、こうした動きがエコシステム側でのRISC-Vへのシフトを後押ししている面がある。

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よくある質問

RISC-Vとは何ですか?
RISC-Vは、ライセンス料が不要で仕様が公開されたオープンソースの命令セットアーキテクチャ(ISA)である。2010年に策定が始まり、誰でも自由に利用・改変できる点が特徴である。
RISC-Vは何に使われていますか?
組み込み機器、データセンター向けAIチップ、モバイル向けプロセッサ、宇宙用プロセッサなど幅広い分野で採用されている。2026年にはNASAの宇宙用プロセッサやAlibabaのモバイル向けチップでの採用が報じられた。
RISC-VとArmの違いは何ですか?
Armは企業が権利を持つプロプライエタリなISAでライセンス料が発生するが、RISC-Vは仕様が公開され無償で利用できる中立的なISAである。近年Armが自社プロセッサ設計に進出したことで両者の対比が際立っている。
最近RISC-Vに関してどのような動きがありましたか?
2026年6月にはQualcommがRISC-V技術を持つTenstorrentの買収を協議していると報じられ、同時期にArmの垂直統合を巡るFTCの独占禁止法調査も始まり、業界内でRISC-Vへのシフトが議論されている。
RISC-Vはモバイル市場で実用化されていますか?
2026年5月にAlibabaのXuanTieチームがRISC-VベースプロセッサでAndroid 16を動作させることに成功し、RVA23標準準拠での最新Android稼働の初事例として商用実用性を示した。

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