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MicrosoftがOfficeアプリの起動を高速化する新機能「Startup Boost」を5月から展開

Y Kobayashi

2025年3月28日

Microsoftは、Officeアプリケーションの起動時間を短縮し、パフォーマンスを向上させる新機能「Startup Boost」を発表した。この機能は、2025年5月中旬からMicrosoft Wordを皮切りに順次展開され、ユーザーがより迅速に作業を開始できるよう支援するものである。

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新機能「Startup Boost」による起動時間の最適化

Microsoftは、Officeアプリケーションのユーザー体験向上の一環として、起動パフォーマンスの改善に取り組んでいる。その最新の取り組みが、新たに導入される「Startup Boost」機能である。

この機能は、Windowsの「タスク スケジューラ」にOffice Startup BoostおよびOffice Startup Boost Logonという名前の新しいタスクを追加することで実現される。これらのタスクは、PCの起動時やシステムの状態が許す場合に定期的にバックグラウンドで実行され、Officeアプリケーションが必要とする「パフォーマンス強化」要素を事前に読み込む(プリロード)ものだ。

Microsoftの説明によれば、「システムがタスクを実行した後、アプリは一時停止状態(paused state)に留まり、ユーザーがアプリを起動するとシーケンスが再開されるか、システムがリソースを再利用するためにアプリをメモリから削除するまでその状態を維持する」とのことである。これにより、ユーザーが実際にWordなどのOfficeアプリを起動した際に、読み込み時間が短縮され、より素早く利用を開始できることが期待される。

この「Startup Boost」機能は、まずMicrosoft Word向けに提供が開始され、将来的にはExcelやPowerPoint、Outlookといった他のOfficeアプリケーションへの対応も予定されている。展開は2025年5月中旬から全世界で始まり、同月下旬までに完了する見込みである。

システム要件とユーザーによる制御

「Startup Boost」は、システム全体のパフォーマンスに影響を与えないよう配慮されている。この機能が有効になるのは、以下の条件を満たすPCに限られる。

  • 利用可能なRAM: 8GB以上
  • 利用可能なディスク空き容量: 5GB以上

これらのリソース要件を満たさないシステムでは、Startup Boostは自動的に動作しない。さらに、PCが「省電力モード」で動作している場合も、本機能は無効化される。

Microsoftは、Startup Boostを「オプションのパフォーマンス機能」と位置付けており、ユーザーは必要に応じて無効化することが可能である。無効化するには、対象のOfficeアプリ(現時点ではWord)を開き、「ファイル」>「オプション」>「全般」>「スタートアップ オプション」内にある「Startup Boost」のチェックを外す。機能を無効にしてもOfficeアプリケーションは完全に機能するが、起動時間は通常通りとなる。

ただし、注意点として、ユーザーが手動でStartup Boostタスクを無効化したり、タスクスケジューラから削除したりしても、Officeのアップデートが適用される際に、Officeインストーラーによってタスクが自動的に再作成される。そのため、継続して機能を無効にしたい場合は、Officeアップデートのたびに再度アプリ設定から無効化操作を行う必要がある点には注意が必要だろう。

この機能の展開にあたり、管理者側での特別な操作は不要である。

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Office体験向上への継続的な取り組み

今回の「Startup Boost」導入は、MicrosoftがOfficeアプリケーションのパフォーマンス、特に起動時間という基本的なユーザー体験の改善に継続的に取り組んでいることを示すものである。バックグラウンドでの事前準備というアプローチは、システムリソースへの影響を考慮しつつ、体感速度の向上を目指す現実的な解決策と言えるだろう。

Wordを皮切りに今後他のアプリへも展開されることで、多くのOfficeユーザーが日々の作業をよりスムーズに開始できるようになることが期待される。ただし、アップデートごとに設定がリセットされる仕様については、ユーザーからのフィードバックを受けて改善される可能性も注視したい。


Sources

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