中国・深圳の華強北で、中古の16GB DDR4メモリが2026年初めの高値から3割以上下がった。中古相場の高騰に、ようやく緩和の兆しが現れたことになる。だが、同じ市場では新品DDR4が6月から7月にかけて再び値上がりした。上流のDRAM契約価格も、上昇率こそ急速に縮むものの、7〜9月期は前期比13〜18%上がる見通しだ。

中古品の450元という値札は、歴史的な高値から一部の商品が下り始めた証拠ではある。だが、世界のメモリ需給が緩んだ証拠ではない。中古、新品店頭、半導体メーカーと大口顧客が決める契約価格を分けると、足元で起きているのは全面安ではなく、需要が高値に耐えられなくなった市場から先に値動きが分かれ始めた局面なのだ。

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中古16GB DDR4、450元という観測範囲

MyDriversが7月18日に報じた華強北の相場では、中古16GB DDR4は約450元だった。2026年初めに700元を超えた高値から3割以上安い。それでも前年同期の5〜6倍に当たり、平時の価格へ戻ったわけではない。急な値動きを警戒し、現地の商家は大量在庫を抱えないようにしているという。

7月20日付の上海証券報による実地取材も、中古16GB DDR4を約450元としており、現在値は一致する。同紙が取材した新品の16GB DDR4は約600元で、中古品との価格差は小さい。現地商家からは「中古品をわざわざ選ぶ人は少ない」との声が出るほどで、中古市場に割安さを求める需要が押し寄せているわけではない。

対象を広げると、市況を読み違える。450元は華強北で売られる中古16GB DDR4の報告値であり、ブランドや動作速度、タイミング、状態までそろえた価格指数ではない。新品DDR4、DDR5、メモリーチップの現物取引、PCメーカーの調達価格はそれぞれ違う在庫と商流で動く。今回確認できたのは、局地的な中古相場が異例の高値から下がったことまでだ。

6月より高い新品、ピークより安い現在

上海証券報が取材した新品16GB DDR4の値動きは、単純な下落局面では説明できない。3月に800〜900元へ達した後、6月には400〜500元まで下がったが、7月は約600元へ戻った。現在は3月の高値よりおよそ3割安い一方、直近1カ月では上昇している。4人の商家が7月の反発を認めており、経路の違う中古品の下落と同時に起きている。

SSDにも同じ高値圏での揺り戻しが見える。華強北の1TB SSDは3月の約1,100元から現在の800〜900元へ下がったものの、2025年10月より前の約400元に比べれば約2倍である。高値からの下落率だけを見れば値頃感が出るが、前年の購入者が覚えている価格とはなお大きな隔たりがある。

しかも、製品によって負担はさらに重い。科創板日報の7月19日の現地取材では、16GB DDR5が450元から1,800元へ、32GB DDR5が900元から3,800元へ上がった。主流の1TB SSDも、前年の約410元から950〜1,000元に達した。同紙はPCで値上がりが最も大きく、購入を見送る消費者が増えたと報じている。

店頭では、高値を受け入れる買い手が減る一方、商家も値下がりによる在庫損を避けたい。上海証券報の取材では、注文に応じて仕入れと販売を急ぐ「快進快出」が広がり、以前に仕入れた在庫を7月の反発時に売る業者もいた。こうした薄い在庫の市場では、少量の入荷や売り急ぎでも価格が振れやすい。中古450元は、供給不足の解消よりも、需要の弱さと在庫リスクへの警戒を映した数字と考える方が実態に近い。

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契約価格は13〜18%上昇へ減速

上流では、価格の向きがまだ下を向いていない。TrendForceの調査によると、汎用DRAMの契約価格は2026年1〜3月期に前期比93〜98%上昇した。4〜6月期も58〜63%上がるとの予測で、7〜9月期の見通しは13〜18%上昇である。上昇率は四半期ごとに大きく縮むが、価格水準はさらに切り上がる計算だ。

契約価格は、半導体メーカーとPCメーカーなどの大口顧客が取り決める調達価格を指す。華強北の中古モジュールとは直接連動しない。それでも、PCメーカーが今後仕入れるメモリの原価を通じ、時間差を伴って新品PCや交換用モジュールの価格に影響する。中古品だけが先に下がり、契約価格が上がり続ける状態は矛盾ではない。

値上がりを支えるのは、メモリーメーカーが生産能力をAIサーバー向けへ優先配分しているためだ。TrendForceは、メーカーが2026年分としてPCメーカーやモジュール企業と合意した数量を供給しつつも、サーバー用途への振り替えがPC向けDRAMの供給量を削っていると説明する。PC需要が弱くても供給側も絞られるため、契約価格がすぐ下落へ転じにくい。

一方、買い手の負担能力には限界が来た。PCメーカーは在庫を補充しているものの、部品高がノートPCの店頭価格へ波及し、年間出荷を押し下げるとTrendForceは予測する。調達量を減らす消費者向け市場と、供給を吸収するAIサーバー市場が同居しているため、価格は一斉に反転せず、用途と商流ごとにばらつく。

本当の値下がりを判定する三つの数字

メモリ高騰が終わったと判断するには、中古16GB DDR4の450元だけでは足りない。まず、新品16GB DDR4が7月の約600元から再び下がり、6月の400〜500元を継続して下回るかを確かめる必要がある。次に、DDR5とSSDでも複数の容量、ブランド、地域に値下がりが広がるかを見る。中古品や特売品だけの下落なら、在庫処分の範囲を出ない。

上流では、7〜9月期に13〜18%上がるとされる汎用DRAM契約価格が、次の四半期に横ばいへ近づくかが分岐点になる。PC向け供給が増えないまま消費者需要だけが弱れば、店頭の販売量が減っても調達原価が下がるとは限らない。

華強北ではすでに、在庫を厚く持たず、値動きに合わせて短期間で売り切る行動が広がった。これは価格の天井が意識され始めた変化だ。ただし、底入れを示す数字ではない。新品16GB DDR4が6月の水準を下回る動きが複数の製品や地域へ広がるか、汎用DRAM契約価格の上昇が止まるか。中古市場の下落をメモリ全体の値下がりへ結びつけるには、これらを続けて確かめる必要がある。