SpaceXTeslaが計画する半導体工場「Terafab」の大きさを、Giga Texas、米国防総省本庁舎、Apple Park、Mall of Americaと同一平面に並べた図がXで広がっている。SpaceXが2026年8月6日に示した計画は、1億平方フィートを超える「製造空間」だ。4施設の公表値を丸めて足すと約2,490万平方フィートで、Terafabの数字はその約4倍に達する。

ただし、この図から完成後の建物の外形は導けない。比較しているのは主に延べ床面積であり、土地を真上から見た接地面積ではないためだ。図が伝える桁外れの規模と、まだ決まっていない設計を分けて読む必要がある。

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4施設を足してもTerafabの4分の1

Nic Cruz Patane氏が8月6日に公開した図は、4施設の輪郭をTerafabとされる大きな矩形の中へ配置した。Tom's Hardwareも8月9日、この比較を取り上げた。各施設の公式資料にある丸め値を並べると、数字の関係は次のようになる。

施設 公表面積 資料上の意味
Terafab 1億平方フィート超 計画中の製造空間
Giga Texas 1,000万平方フィート超 工場床面積
Pentagon 650万平方フィート 建物の総床面積
Apple Park 280万平方フィート メイン棟の床面積
Mall of America 560万平方フィート 建物の総床面積

比較対象4施設の丸め値は合計2,490万平方フィートになる。Terafabの1億平方フィートをこの合計で割ると約4倍だ。平方メートルへ換算すれば約929万平方メートルに相当するが、これは床面積の換算にすぎない。

さらに、表の数字は厳密に同じ定義ではない。Giga Texasは「1,000万平方フィート超」であり、Apple Parkはキャンパス全体ではなくメイン棟を指す。図は規模感をつかむ道具としては有効でも、建築物を測量した比較ではない。

平面図が隠す「製造空間」の意味

SpaceXの発表は、Terafabについて「1億平方フィートを超える製造空間」と記す。一方、建物の階数、棟ごとの寸法、敷地に接する面積は示していない。複数階なら同じ床面積をより小さな土地に収められ、平屋なら接地面積は大きくなる。したがって、1億平方フィートを一枚の長方形へ置き換える作業には、公式資料にない建築条件が入る。

「製造空間」をすべてクリーンルームとみなすこともできない。SpaceXが挙げる範囲には、先端ロジックとメモリーの製造に加え、パッケージングと試験が含まれる。6月の目論見書は、さらに露光用マスクの設計まで一つの閉じた工場へ集める構想を示した。SpaceXの説明では、1億平方フィート超の製造空間に、性格の異なる工程が含まれる。すべてをクリーンルーム面積とは読めない。

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1億平方フィートに含まれる複数の製造工程

Terafabは、Teslaの人型ロボット「Optimus」や自動運転車「Cybercab」で推論を担うチップと、SpaceXの軌道上データセンター向け高出力チップを造る計画だ。ロジックとメモリーを製造し、実装と試験まで同じ場所で繰り返せば、設計変更を製造へ戻す時間を短くできるとSpaceXは説明する。公式資料がいう製造空間は、こうした複数工程を含む。ただし、工程別の面積配分は示されていない。

公式サイトに掲げる「1TW/年」も、工場が消費する電力ではない。SpaceXの目論見書では、年間に生産する計算ハードウェアの能力を表す長期目標である。床面積から1TWへ至る換算式や、ウェハー投入枚数は開示されていない。大きな建物を確保すれば、そのまま大きな生産能力になるわけではない。

1億平方フィートより先に確認すべき数字

SpaceX自身も、Terafabが成功しない可能性を目論見書のリスクとして挙げている。2026年6月時点では個別の開発日程や節目が未確定で、TeslaとIntelがプロジェクトへ残る義務もなかった。完成後も計算ハードウェアのかなりの割合を外部から調達する見通しだ。

8月の発表で確定したのは、テキサス州グライムズ郡という建設地と、SpaceXとTeslaが初期段階へ約168億ドルを投じる計画である。少なくとも3,000人を雇用する方針も示された。しかし、最終的な建物配置やクリーンルームの床面積、プロセス世代は依然として空白だ。

比較図はTerafabの桁を一目で伝えた。計画が半導体の供給能力へ変わるかを測るには、次に出る建築図面とウェハー投入能力、量産ノード、歩留まり、最初のウェハーの日付を待つ必要がある。これらがそろって初めて、1億平方フィートの計画規模と実際の製造能力の関係を評価できる。