テクノロジーと科学の最新の話題を毎日配信中!!

Windows 11のスタートメニューが大きく変わる!その全貌と開発秘話をMicrosoftが語る

Y Kobayashi

2025年5月10日

Microsoftが、Windows 11の顔とも言えるスタートメニューの大幅な刷新を発表した。長年親しまれてきた機能に、現代のニーズとユーザーの声を取り入れたこの変更は、私たちのPC体験をどう変えるのであろうか?

スポンサーリンク

なぜ今、スタートメニュー刷新なのか? 「30年の約束」とユーザーの声

「最初にスタートボタンを押した時のことを覚えていますか?」Microsoftは、こうした問いからスタートメニュー刷新の物語を始める。それは、必要なものすべてがそこにあるという「約束」だった。30年の時を経て、その約束を守りつつ、現代の多様なデバイスとワークスタイルに対応するため、スタートメニューは新たな一歩を踏み出す。

この刷新の背景には、ユーザーからの切実な声があった。「アプリをもっと速く見つけたい」「自分の使い方に合わせてカスタマイズしたい」「でも、あの馴染み深さは失わないでほしい」。これらの声が、新しいスタートメニューのデザインの方針となった。これは、Windows 11が掲げる「穏やかで、人間中心のテクノロジー」という設計思想とも深く共鳴している。

新スタートメニューを導いた4つの「星」:その設計思想とは?

Microsoftは、今回の刷新にあたり、4つの「導きの星」を掲げた。これらは、新しいスタートメニューが目指す理想像を具体的に示している。

  1. アプリの一覧性向上 (Apps, at a glance): ピン留めされたアプリ、インストール済みのアプリ、そして新たに見つけたアプリまで、すべてがすぐに見つかること。
  2. ユーザーに合わせたカスタマイズ (Make it yours): まるで自分のために作られたかのように、必要なものだけを、望む形で表示できること。
  3. 日々の操作の高速化 (Accelerate the day): あらゆる操作を数秒でも短縮し、創造的な作業に集中できる時間を増やすこと。
  4. アイコンへの敬意 (Honor the icon): 30年にわたるユーザーの操作感を尊重し、根本から覆すのではなく、進化させること。

これらの指針は、単なるスローガンではなく、具体的な機能改善へと結びついている。では、その開発の舞台裏では、どのようなプロセスがあったのであろうか。

スポンサーリンク

ユーザーの声が形に:デザインの探求、検証、そして改良の道のり

新しいスタートメニューは、まさにユーザーとの対話から生まれた。Microsoftはその開発プロセスを「クラフトジャーニー」と呼び、「探索」「検証」「改良」という3つのステップで進められた。

  • 探索: ホワイトボードいっぱいのスケッチ、Figmaでのプロトタイピング、床から天井まで届くほどの紙の試作品など、初期段階ではあらゆる可能性が模索された。また、アプリの斬新な分類方法、セグメント化されたスタートメニュー、ウィジェットの統合(かつてのライブタイルを彷彿とさせる)、さらには非常に大胆なアイデアまで、多岐にわたるデザイン案が検討されたようだ。
  • 検証: 300人以上のWindows 11ユーザーがテストに参加し、アイトラッキングやスクロール操作の分析、そして何よりもユーザーの「!」という喜びの声に耳を傾けた。
  • 改良: ユーザーからの具体的な要望に応える形で、機能が磨き上げられた。
ユーザーの要望Microsoftによる改善策
アプリを簡単に見つけたいすべてのアプリをトップレベルに表示。使用頻度の高いアプリを優先するカテゴリグリッドビューなど、3つの表示方法(カテゴリ、グリッド、A-Zリスト)を提供。スクロールの負担を軽減。
もっと賢い提案機能が欲しいリアルタイムで学習し、ユーザーに最適化された推奨情報を表示。不要な場合は非表示にするオプションも用意。
もっとコントロールしたい「ピン留めを増やす」「おすすめを増やす」、またはその両方をバランス良く表示するなど、表示内容を柔軟に切り替え可能。
モバイルデバイスとの連携を分かりやすくしてほしい「phone sliver(フォンスライバー)」と呼ばれるスリムなパネルを導入。必要な時にだけ表示され、画面スペースを圧迫しない。

これらの改良は、Surface Goのようなコンパクトなデバイスから49インチのウルトラワイドモニターまで、あらゆる環境で快適に動作するよう、ピクセル単位での調整が繰り返された結果とのことだ。

どこが変わった?新スタートメニューの注目機能

(Credit: Microsoft)

では、具体的に新しいスタートメニューはどのように進化し、私たちのPC体験をどう変えるのであろうか?注目すべき新機能を詳しく見ていこう。

1. ダイナミックな推奨機能:必要な情報を、必要な時に

新しいスタートメニューは、単にアプリを並べるだけでなく、ユーザーの状況に合わせて最適な情報を提供する。例えば、朝9時には前日の見逃した会議の録画を、日中は作業効率を上げるためのスナップグループ(複数のウィンドウをまとめて管理する機能)を、そして午後2時にはいつも使うあのアプリを、さらにはまだ知らないけれど役立つかもしれないアプリを、まさに「必要な時」に提案してくれるのだ。これは、ユーザーの行動パターンを学習することで実現される、まさに「賢い」機能と言えるだろう。

2. アプリ表示の劇的改善:探す手間を過去のものに

アプリの探しやすさも格段にアップしている。新しいスタートメニューでは、すべてのアプリがトップレベルに表示され、アクセスしやすさが格段に向上した。ユーザーは、以下の3つの表示方法から好みのものを選べる。

  • カテゴリビュー: 使用頻度や種類に応じてアプリが整理され、直感的に目的のアプリを見つけられる。まるでスマートフォンのアプリ一覧のような使い勝手を目指したとのことである。
  • グリッドビュー: アプリアイコンが整然と並び、視覚的にすばやくアプリを識別できる。
  • A-Zリストビュー: 従来のスタートメニューに慣れ親しんだユーザーにも馴染みやすい、アルファベット順のリスト表示である。

どのビューも、スクロールホイールでの操作が快適に行えるよう最適化されている。

3. モバイルコンテンツとのシームレスな連携:「phone sliver」が橋渡し

スマートフォンとの連携も、よりスムーズかつスマートになる。「phone sliver(フォンスライバー)」と呼ばれる、スタートメニューの端からスライドして表示されるスリムな専用パネルが新設された。これにより、Androidスマートフォンで受け取ったWhatsAppの写真やTo-Doリスト、iPhoneの最新メッセージなどを、デスクトップの作業を中断することなく確認できる。このパネルは、必要な時にだけ表示され、画面スペースとユーザーの集中力を尊重する設計となっている。

4. パーソナライズ機能の深化:あなただけのスタートメニューへ

新しいスタートメニューは、これまで以上にユーザーの好みを反映できるようになる。

  • セクションのカスタマイズ: 最もよく使うセクション(ピン留め、おすすめなど)を拡大表示したり、逆にあまり使わないセクションを折りたたんだり、完全に非表示にしたりすることが可能だ。
  • アプリ表示の最適化: 最もよく使うアプリをピン留めし、すべてのアプリの表示方法も好みに合わせて設定できる。
  • 画面サイズへの適応: 大画面ディスプレイではより多くの情報を表示し、小さな画面ではコンパクトに表示されるなど、デバイスの画面サイズに応じてレイアウトが最適化される。

これにより、スタートメニューはまさに「あなただけの」作業空間へと進化するだろう。

5. パフォーマンス向上:「待たせない」スタートメニュー

「日々の操作を高速化する」という約束は、スタートメニュー自体のパフォーマンス向上にも現れている。新しいスタートメニューは、起動がこれまで以上に高速化され、クリック後の「待ち時間」によるストレスを軽減する。これにより、ユーザーは思考を中断されることなく、スムーズに作業に取り掛かることができるようになるはずだ。

新スタートメニューはいつから? 今後の展望とMicrosoftの期待

多くのユーザーが気になるのは、「この新しいスタートメニューはいつから使えるのか?」という点であろう。現時点では一般公開の具体的な時期は明言されていない。しかし、最新のWindows 11プレビュービルドでは、特定の機能IDを使ってこの新スタートメニューを有効化できる可能性が示唆されている。

Microsoftは、「デザインは対話であり、独白ではない」と述べている。今回の発表は、ユーザーへの「ピクセルによる語りかけ」であり、今後もユーザーからのフィードバックを真摯に受け止め、さらなる改善を続けていく姿勢を示している。新しいスタートメニューが私たちの手元に届いた時、どのような声が寄せられるのか、そしてそれがどのように反映されていくのか、注目が集まる。


Sources

Follow Me !

\ この記事が気に入ったら是非フォローを! /

フォローする
スポンサーリンク

「Windows 11のスタートメニューが大きく変わる!その全貌と開発秘話をMicrosoftが語る」への2件のフィードバック

  1. どうでもいいから、さっさとWin10のデスクトップと右クリックメニューに戻せよ。

    返信
  2. windows10のタイル式にできるかと思ったけど全然違うんですかね?
    全アプリを勝手にタイル式でまとめてるだけですかね
    タイル式が復活すると喜んでいたけど期待外れになりそう

    返信

コメントする