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xMEMS、厚さ1mmの超薄型がマイクロスピーカー「Sycamore」を発表 – ウェアラブル機器の設計自由度を大幅に向上

Y Kobayashi

2024年11月20日

スマートウォッチやARグラスの音響機能を大きく向上させる画期的なスピーカーが開発された。xMEMS Labsは2024年11月19日、世界初となる1mm薄型の全シリコン製ニアフィールド・フルレンジマイクロスピーカー「Sycamore」を発表した。従来の動電型ドライバーと比較して体積で7分の1、厚さで3分の1を実現し、次世代モバイル機器の小型軽量化への道を拓く。

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超音波からの音声生成で薄型化を実現

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Sycamoreの革新性は、同社が開発した「sound from ultrasound」プラットフォームにある。この技術は、超音波波動を利用してフルレンジの音声を生成する。サイズは8.41×9×1.13mmと極めて小型ながら、重量はわずか150mgに抑えられている。xMEMSのVP of Marketing and Business DevelopmentのMike Housholder氏は「Sycamoreにより、モバイル機器は薄型でスタイリッシュなフォームファクターを実現しながら、豊かな音質を維持できる」と語る。

性能面でも従来技術を凌駕

Sycamoreはその音響性能も特筆すべき物がある。低周波数のロールオフ特性において従来のドライバーと同等の中音域性能を保ちながら、サブベース域で11dBものヘッドルームを確保。さらに5kHz以上の高周波数帯域では従来比で最大15dBの性能向上を実現している。また、全シリコン製のソリッドステート構造により、IP58規格の防塵防水性能も確保した。

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広範な応用可能性

Sycamoreの応用範囲は多岐にわたる。スマートウォッチやスマートグラスといったウェアラブル機器に加え、オープン型ワイヤレスイヤホン、スマートフォンの通話用スピーカー、自動車のヘッドレストやピラー部のツイーターなど、様々な用途が想定されている。同社は2025年第1四半期からサンプル出荷を開始し、同年10月から量産を開始する予定だ。

Xenospectrum’s Take

xMEMSのSycamoreは、半導体製造プロセスを活用したMEMS技術の新たな地平を示している。xMEMSは、以前にも報じたようにMEMS技術を利用し、スマートフォン向けプロセッサの冷却性能を劇的に向上させる技術も開発している

今後、量産時の歩留まりや長期信頼性の検証が今後の課題となるだろう。Apple Watchをはじめとする次世代ウェアラブル機器への採用如何で、同社の命運が決まるかもしれない。


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