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Apple、M6・M7の情報がリーク、M3 Ultraの最大6倍コア搭載の巨大な「Baltra」AIチップ開発の情報も

Y Kobayashi

2025年5月10日

Appleが、2025年末に登場が期待されるM5チップのさらに先を見据え、次々世代にあたるM6およびM7チップの開発に着手しているとの情報が駆け巡っている。それだけではない。AI処理能力を劇的に向上させる可能性を秘めたサーバー向けプロセッサ「Baltra」や、謎に包まれたMac向けの新SoC「Sotra」の存在も浮上している。

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M5の足音と、その先に待つM6「Komodo」、M7「Borneo」:Appleシリコンの進化は止まらない

Appleの自社設計チップ「Appleシリコン」のロードマップは、常にテクノロジー業界の注目の的だ。2024年5月にiPad Proで鮮烈なデビューを飾ったM4チップは、同年10月にはiMac、Mac mini、MacBook Proへ、そして2025年3月にはMacBook Airへと搭載範囲を拡大した。このM4に続くM5チップは、早ければ2025年末にもiPad ProやMacBook Proに搭載されると見られている。

しかし、Appleの視線はすでにその先へと注がれているようだ。Bloombergの報道によれば、AppleはM6(開発コードネーム「Komodo」)とM7(同「Borneo」)という、さらに先の世代のチップ開発に既に着手しているとのことだ。これまでのMシリーズの進化のペースを踏襲するならば、M6は2026年頃、M7は2027年頃の登場が視野に入ってくると考えられる。

M1から始まったAppleシリコンの革命は、世代を重ねるごとに電力効率と処理性能のバランスを新たな次元へと引き上げてきた。M6、M7がどのようなアーキテクチャを採用し、MacやiPadの体験をどう変革するのか、具体的な情報はまだ少ないものの、その開発コードネームが明らかになったこと自体が、Appleの揺るぎない開発継続の意志を示していると言えるだろう。

AI戦略の核弾頭か? 怪物級サーバーチップ「Baltra」の衝撃

今回の情報で特に注目すべきは、Appleが開発中とされるAIサーバー向けプロセッサ「Baltra」の存在である。 Appleは現在、クラウドベースのAI処理「Apple Intelligence」のリクエスト処理にM2 Ultraチップを使用しているが、「Baltra」はこのM2 Ultraを置き換えるものとして開発が進められている模様だ。

驚くべきはその潜在的なスペックだ。Bloombergによれば、AppleはM3 Ultraの2倍、4倍、あるいは最大で6倍ものCPUおよびGPUコアを持つ構成を実験しているとされている。現行のハイエンドチップであるM3 Ultraが最大32コアCPUと80コアGPUを搭載していることを考えると、「Baltra」は最大で192コアCPU、480コアGPUという、まさに怪物級のスペックを秘めている可能性があるのだ。これほどの処理能力が実現すれば、Apple Intelligenceの応答速度や処理能力は飛躍的に向上し、より複雑で高度なAI機能の実現も夢ではなくなるだろう。

この「Baltra」は、半導体大手Broadcomとの協業で開発が進められており、2027年の完成を目指していると報じられている。 AppleがAI分野での競争力を一層強化しようとする強い意志の表れと言えそうだ。ただし、AppleのAI関連の取り組みについては、過去にもNVIDIAのAIサーバーへの投資や、日本のチップメーカーとの提携といった噂が流れており、今回の「Baltra」開発のニュースも、そうした多角的なアプローチの一つと捉えるべきかもしれない。

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謎多きMac向けSoC「Sotra」:デスクトップの未来を担うか?

M6、M7、そして「Baltra」に加え、もう一つ注目すべきチップの存在が明らかになっている。それは、開発コードネーム「Sotra」と呼ばれる、Mac向けの新しいSoCである。現時点では、この「Sotra」に関する技術的な詳細はほとんど明かされていない。

しかし、Appleの現在のMシリーズチップ(標準、Pro、Max、Ultra)がラップトップ市場をほぼカバーしていることを考えると、「Sotra」はハイエンドのデスクトップMac、例えばMac ProやMac Studioといったモデルの将来を担う特別なSoCである可能性が考えられる。あるいは、全く新しいカテゴリのMac製品に搭載されるのかもしれない。かつてM4の派生型として「Hidra」というコードネームのチップが開発されていたことも報じられたが、「Sotra」がこれと関連するのか、あるいは全く別の系統なのかは現時点では不明だ。

この「Sotra」がどのような位置づけのチップになるのか、今後の続報が待たれる。

Appleの飽くなきチップ開発:競争と進化の先に描く未来図

M5のリリースを目前に控えながら、すでにM6、M7、そして高性能AIサーバーチップ「Baltra」、さらには謎のMac向けSoC「Sotra」まで、Appleのチップ開発ロードマップは多岐にわたり、その野心的な姿勢を明確に示している。

背景には、QualcommのSnapdragon X Eliteをはじめとする競合の猛追がある。 Appleとしては、自社設計チップの優位性を維持し、さらに引き離したいという強い思いがあるのだろう。M4シリーズが既に高い評価を確立している中で、このアドバンテージを継続・拡大していくための布石と言える。

もちろん、これほど複雑で多岐にわたるチップ開発が常に計画通りに進むとは限らない。開発の過程で予期せぬ壁に直面する可能性も否定できない。しかし、今回明らかになった情報からは、Appleがハードウェア、ソフトウェア、そしてサービスを垂直統合する強みを最大限に活かし、ユーザー体験を根底から革新しようとする飽くなき探求心が垣間見える。

これらの次世代チップが具体的にどのような性能向上をもたらし、私たちのデジタルライフをどう変えていくのか。その全貌が明らかになるまでにはまだ時間を要するが、Appleの次なる一手に業界の注目が集まるのは間違いないだろう。


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