TrendForceは2026年8月7日、中国の上場企業18社をガラスコア基板の供給網に並べた。7月24日にはIntelとLens Technologyがガラス基板を使う先端パッケージで戦略協業を発表し、BOEも板レベルのパイロットラインを動かし始めている。AI半導体のパッケージが大きくなるにつれ、有機基板の反りと配線密度が性能拡大を妨げるためだ。ただし、18という社数は量産企業の厚みを表すものではない。2030年以降と見込まれる本格採用を前に、中国勢は製造工程を整え、装置企業はパイロット生産ライン向け受注を獲得し始めた。

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18社は「量産企業」の一覧ではない

TrendForceの整理では、供給網は原料ガラスと製造装置、TGV加工や銅充填を担う基板工程、AIチップを載せる先端パッケージの三層に分かれる。数に含まれる企業の到達点は、研究開発からパイロットライン、サンプル送付、装置受注まで幅がある。ディスプレイ用のガラス加工と、半導体パッケージ向けのガラスコア基板も同じ製品ではない。

この違いは、IntelとLens Technologyの提携内容に表れている。両社はガラス基板パッケージの開発を加速し、量産へ広げるための重要製造工程を共同で探る。Lens Technologyが持つ精密ガラス加工、レーザー加工、大規模生産と、Intelの半導体設計・先端パッケージ技術を組み合わせる計画だ。一方、発表は協業の探索を定めたもので、製品名、顧客、量産開始日は示していない。

それでも提携の意味は大きい。Lens Technologyの精密ガラス加工能力が、AIチップのパッケージ工程と公式に接続されたからだ。企業数より、どの企業が半導体向けの信頼性試験を通り、継続注文を得るかで供給網の実力が決まる。

10倍の配線密度を支えるTGV

ガラスが必要になる理由は、チップレットを一つのパッケージへ増やすほど、有機材料の伸縮と反りが微細配線を難しくすることにある。Intelは2023年、ガラス基板なら有機基板に比べてパターンの歪みを50%減らし、相互接続密度を10倍にできる可能性があると説明した。平坦で寸法が安定した材料ほど、複数層の配線を狙った位置へ重ねやすい。

TGV(Through-Glass Via、ガラス貫通電極)は、ガラスを縦に貫く微細穴へ導体を形成し、基板の上下を電気的につなぐ。Intel Foundryは2026年のECTCで、低テーパー穴や異なる寸法の穴、部品埋め込み用キャビティーを精密かつ反復可能に加工できると説明した。全銅充填した穴は、厳しい熱サイクル試験を故障なく通過したという。ガラスが平らでも、穴の内壁に亀裂が入ったり、銅が隙間なく埋まらなかったりすれば、パッケージとしては使えない。材料特性を製品の信頼性へ変える工程がTGVなのである。

Intel Foundryは、将来のガラス基板が電気と光を一つのプラットフォームに統合できると説明する。同社がECTCで示したCo-Packaged Optics(CPO)は、高帯域化と低消費電力化を狙う先端パッケージ研究である。ガラス基板とCPOを組み合わせた製品の仕様や投入時期は、まだ示されていない。Intelは完全なガラス基板ソリューションを2020年代後半に市場投入する計画だ。

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BOEの月産1,000枚とWG Techの10万平方メートル

BOEは2026年7月2日のInvestor Dayで、設計能力が月1,000枚の板レベルパイロットラインについて、同年上期に全自動設備の通線を終えたと発表した。TGV開孔、深孔への銅充填、ビルドアップ配線を一つの工程としてつなぎ、大型で多層のガラス基板サンプルを顧客へ送っている。BOEは5月にCorningと結んだ覚書の対象として、ガラス基パッケージ基板や光相互接続などを挙げた。一方、Corningの発表は協業範囲を次世代の消費者機器とデジタル基盤と広く表現し、個別製品には踏み込んでいない。

WG Techはさらに量産設備に近い数字を掲げる。同社の投資家向け開示によると、TGVの最小孔径は5μm、最大アスペクト比は100対1、加工できるガラス厚は0.05〜1.1mmである。年産10万平方メートルのラインを建設し、光モジュールやCPO向け製品を顧客へ送っている。ただし、ライン能力と実際の稼働率は別の数字だ。サンプル送付も、顧客認定を終えた継続量産を意味しない。

両社の開示から確認できる前進は、一つの基板上で穴加工、金属化、積層配線まで通す設備が形になったことだ。ここから先は、同じ品質を大量のパネルで再現できるかを顧客側が検証する。ディスプレイ工場で大判ガラスを扱った経験は出発点になるが、半導体グレードの歩留まりと耐久性は新たに積み上げる必要がある。

パイロット生産ライン向け受注が先に動く

基板メーカーが認定を待つ間も、パイロットラインにはレーザー穴あけ、湿式エッチング、成膜、めっき、研磨の装置が要る。DR Laserは2024年に海外顧客を含むTGV装置の新規受注を獲得し、ウエハーレベルとパネルレベルの双方をカバーしたと開示した。同社は2025年5月時点で、市場の中心をパイロット生産ラインだと説明している。完成基板が量産売上を生む前に、装置企業へ注文が入るという時間差がある。

ただし、装置企業の全社決算をガラス基板需要へ直結させると実態を誤る。Hymson Laserの2026年第1四半期売上高は13.17億元で前年同期比144.36%増え、純利益は2,521万元と黒字へ転じた。会社側が挙げた増収要因は、製造業の回復に加え、リチウム電池と家電向け設備の需要増である。太陽光と板金加工向けの装置も伸びた。TGVやCPOが増収を主導したという内訳は開示されていない。

したがって、装置受注が先行するという産業の順序と、個別企業の業績帰属は分けて読む必要がある。TGV向け装置の受注額や納入台数が開示されて初めて、ガラスコア基板が装置会社の収益をどこまで押し上げたかを測れる。

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2030年以降を決める三つの関門

TrendForceはTGVガラス基板が先端パッケージで本格採用される時期を2030年以降と予測する。Intelが2023年に示した2020年代後半の市場投入計画と矛盾するとは限らない。最初の製品投入から、複数の顧客と用途へ広がるまでには時間がかかるためだ。

第一の関門は歩留まりである。微小亀裂を抑えて穴を開け、深い穴へ銅を隙間なく満たし、大面積の配線をずらさず重ねなければならない。第二は信頼性だ。Intelが示した熱サイクル試験の結果を、各社が量産サイズと顧客条件で再現する必要がある。第三は顧客認定である。BOEとWG Techが送ったサンプルが認定を通り、継続注文につながるかが試される。

中国18社は、原料から装置、基板加工まで各工程に並び始めた。次の節目は社数の増加ではなく、BOEの月1,000枚やWG Techの年10万平方メートルという設備能力が、認定済み出荷と用途別売上へ変わる時だ。その転換が確認できれば、ガラスコア基板はAIパッケージの将来材料から、実際の供給制約を左右する部品になる。