Huaweiは、中国国際光電博覧会(CIOE)のIPECブースで、公称帯域7.2TbpsのNPO光モジュールを伝送実演した。同社が2026年9月10日付の発表で明らかにしたもので、光信号を扱う部品を計算チップの近くに置きながら、別部品として扱う方式の製品化を進める動きである。AI向け光接続では、NVIDIAやBroadcomが光部品とチップをパッケージにまとめるCPOの生産を進めている。Huaweiの実演を評価するには、帯域の大きさに加え、光部品をどこに置き、どう交換し、異なるメーカーの部品をどう組み合わせるかを見ていく必要がある。

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7.2Tの実演が示したこと

Huaweiの発表では、先端光電子研究部門を率いるMan Jiangwei氏が、7.2T NPO製品を投入し、IPECブースで動的な伝送の実演に成功したと説明している。同社はこれを「業界初」と呼ぶが、業界全体を独立に比較した結果ではなく、Huaweiによる評価だ。

製品には、内蔵光源と高集積のシリコンフォトニクスを使うという。シリコンフォトニクスは、シリコンを用いて光の回路を作る技術を指す。Huaweiは高帯域と信頼性をうたい、低遅延、低消費電力、低コストも利点として挙げた。

ただし、今回の発表文は、具体的な消費電力や遅延の絶対値、試験条件を示していない。7.2Tbpsも製品の公称帯域であり、AI学習の速度がそのまま上がることや、特定の通信で常にその速度が出ることを示す数字ではない。実演から大規模な運用へ進む際には、利用するチップや冷却条件を含めた評価が必要になる。

NPOという方式自体は以前からある。Ruijie Networksも従来製品の説明で、光部品とスイッチチップを分離して搭載する設計を示していた。今回の新しさは、Huaweiが7.2Tの製品を実演し、標準化を話し合う場でその実装を提示した点にある。

光部品をチップに近づけ、分けて扱う

光エンジンは、電気信号と光信号を変換する部品だ。Ruijieの説明では、NPOはこの光エンジンとスイッチチップを別々にし、同じシステム基板へ載せる。一方、CPOは両者をパッケージにまとめる実装であり、電気信号が通る配線の長さや部品の扱い方が変わる。

置き場所を近づけると、なぜ電力を減らせるのか。Broadcomは2026年3月12日のNPO技術解説で、光エンジンを計算チップに近接させれば、内部の電気配線で生じる信号損失を小さくできると説明した。その設計では、信号を処理するDSP回路を光モジュール内に置く必要がなくなり、回路が使う電力と部材費を減らせるという。

光通信に替える効果は、光ファイバーの区間だけで決まらない。チップから光へ変換する地点まで、電気信号をどれだけ運ぶかも効いてくる。NPOは、その電気区間を短くしつつ、光エンジンを独立した部品として残す設計である。

部品を分ける利点は、システムを作る側の選択にも及ぶ。Ruijieは、独立した光エンジンのインターフェースによって、スイッチチップとNPOモジュールを柔軟に選べると説明する。チップと光部品の選定を分けやすい点は、供給元や修理方法を考えるうえでも意味を持つ。

もっとも、NPOという名称が、あらゆる製品の相互互換性や稼働中の交換を保証するわけではない。実際に交換できる部品の範囲や停止手順は、製品ごとの実装で確かめる必要がある。Huaweiの7.2T製品についても、今回の発表文から具体的な交換手順までは分からない。

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CPOの生産は始まり、BroadcomはNPOも提案

NVIDIAは2026年5月31日の発表で、Spectrum-X Ethernet Photonicsを生産中のCPOスイッチとして紹介した。また、Broadcomは2025年5月15日の発表で、Tomahawk 5-Baillyが量産CPO製品になったと説明している。CPOの大規模な普及時期を論じることと、個別製品が生産されているかを確かめることは、分けて考えるべきだ。

各社の発表を、製品の方式と公表時点の状態で並べると、次のようになる。

企業・対象 方式 公表日 発表で示した段階
Huaweiの7.2T光モジュール NPO 2026年9月10日 製品投入と伝送実演
NVIDIA Spectrum-X Ethernet Photonics CPO 2026年5月31日 生産中
Broadcom Tomahawk 5-Bailly CPO 2025年5月15日 量産製品と説明
Broadcomの3.2Tbps VCSEL光エンジン NPO 2026年3月12日 光エンジン構想を提案

BroadcomはCPOの量産製品とNPOの光エンジン構想を並行して示している。Huawei対NVIDIA・Broadcomという企業の並びを、そのままNPO対CPOという方式の対立に置き換えると、Broadcomの取り組みが抜け落ちる。

表は2026年9月11日までに確認できた各社の公表内容を、実演・生産・提案という状態で分類したものだ。光モジュールや光エンジンと、複数の接続を束ねるスイッチ製品では、対象の単位が異なる。このため、帯域を直接比べて順位をつける表ではなく、企業による生産の説明から実際の出荷台数まで読み取ることもできない。

Huaweiの製品を採用候補として考えるなら、競合方式が将来いつ普及するかという予測に加え、現在選べる実装との比較が要る。同じ用途で必要な帯域を満たし、冷却と保守を含めて運用できるか。その条件に合う製品を選ぶ競争になる。

標準化の先に残る、交換と供給の条件

9月10日のNPO標準化サミットは、IPECとOIFが共同で開催した。CIOEの公式議程には、OIFによる次世代NPOモジュールのプロジェクト紹介と、BroadcomによるVCSEL方式のNPOを扱う講演が並ぶ。VCSELは面発光レーザーの一種であり、NPOの中でも光源や実装の選択肢があることが分かる。

Huawei名義の発表は、サミットで国際的なNPO標準化について合意が得られたと説明している。ただし、方向性を共有することと、異なるメーカーの製品を組み合わせて動くことは別だ。光エンジンとチップを分離する利点を広く使えるようにするには、接続の仕様をそろえ、製品どうしの互換性を確かめなければならない。

Huaweiの今回の発表文には、7.2T製品の具体的な量産日や価格、顧客の導入台数は示されていない。実演の次に欲しいのは、調達できる時期と、使う側が比較できる運用データである。故障したときにどこまで交換するのか、実際のシステムでどれだけ電力を使うのかが分かれば、設計者は公称帯域を導入条件に結びつけられる。

7.2Tの帯域を、交換しやすい部品構成と継続して調達できる製品に仕上げられるか。そこが確かめられれば、NPOはAIシステムの通信量を増やしながら、保守や部品選定の自由を確保する選択肢になる。