Geekerwanが2026年9月16日に公開した連続負荷テストで、iPhone 18 Pro Maxは5.9Wを維持しながら表面温度を44.3℃に抑えた。前世代のiPhone 17 Pro Maxは5.4W、45.2℃だった。AppleがA20 Proの実装とベイパーチャンバーを同時に変えたことの効果は、単に「冷たくなった」のではなく、前世代より高い電力を維持しながら、測定した表面温度を下げた点に表れている。ただし、この結果だけでAndroidゲーミングスマートフォンを性能で上回ったとは言えない。

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5.9Wと44.3℃が同時に示すもの

 

同じ連続負荷では、iPhone 18 Pro Maxは5.9W、17 Pro Maxは5.4W、OnePlus 15は6.1W、iQOO 15 Ultraはファン停止時5.9W、最大回転時7.3Wだった。

同じ試験の表面温度は、iPhone 18 Pro Maxが44.3℃、17 Pro Maxが45.2℃、OnePlus 15が47.2℃、iQOO 15 Ultraがファン停止時47.2℃、最大回転時46.2℃だった。

端末と動作条件 持続電力 測定表面温度
iPhone 18 Pro Max 5.9W 44.3℃
iPhone 17 Pro Max 5.4W 45.2℃
OnePlus 15 6.1W 47.2℃
iQOO 15 Ultra、ファン停止 5.9W 47.2℃
iQOO 15 Ultra、ファン最大 7.3W 46.2℃

iPhone 18 Pro Maxは17 Pro Maxより持続電力が0.5W、約9.3%増え、測定表面温度は0.9℃下がった。

この二つが同時に起きたことが重要である。表面温度だけが下がったなら、チップの動作を早めに抑えた可能性が残る。逆に電力だけが増えたなら、単に端末を熱くして性能を維持した可能性がある。今回は同じメーカーの大型モデルを同じ負荷で比べ、処理できる熱量の目安となる持続電力が増えた一方、外装の測定温度は下がった。少なくとも前世代との比較では、熱を広げて外へ逃がす経路が改善したという解釈に整合する。

もっとも、44.3℃は手に持って冷たい温度ではない。表面温度はチップ内部の接合温度でもなく、温度が高いこと自体が常に悪いわけでもない。内部の熱を外装へ速く運べば、チップを守りながら表面だけは高くなる設計もあり得る。今回の数値が強いのは、温度単独ではなく、前世代より高い持続電力と組み合わさっているためである。

ただし、公開動画からは室温、負荷アプリ、センサー位置を完全には確定できず、各端末の設定とOSも不明である。5.9WがSoC単体か端末側の測定値かも確定できない。数値は設計改善を示す有力な初期観測だが、条件を開示した実験室比較の代わりにはならない。

A20 Pro実装からベイパーチャンバーまで

Appleの説明では、A20 Proは2nmプロセスを採用し、シリコンダイとメモリを横並びに配置した。従来のようにメモリを熱の通り道へ重ねず、A20 Proを次世代ベイパーチャンバーへ直接接続する。さらにベイパーチャンバーの表面積をiPhone 17 Proの3倍に広げ、持続性能は最大40%高いとする。Appleの発表で並べられたこの三つは、別々の改善ではなく一つの放熱経路を構成している。

ベイパーチャンバーは、熱源側で作動液を蒸発させ、温度の低い領域で凝縮させることで、狭い一点に集まった熱を広い面へ移す。面積を増やせば熱を拡散できる余地は広がるが、「表面積3倍」を「冷却性能3倍」と読み替えることはできない。熱抵抗はチップと冷却器の接触、筐体への受け渡し、外気への放散、端末の姿勢やケースまで含む経路全体で決まるからである。

今回の特徴は、その入口も変えた点にある。メモリをダイの上から横へ移せば、熱源からベイパーチャンバーまでの積層を薄くできる。ダイを冷却器へ直接つなぎ、受け取った熱を3倍の面へ広げる。2nm化による電力効率の変化まで重なるため、Geekerwanの0.5W増と0.9℃減のうち、どこまでがパッケージ、ベイパーチャンバー、プロセス微細化の寄与かは分離できない。実測が裏付けるのは個別部品の優劣ではなく、統合した熱設計の結果である。

Appleの「最大40%」も、ベイパーチャンバー単体の性能ではない。比較対象、負荷、時間、温度条件に左右される最大値であり、5.9W対5.4Wの差が40%に届かないことは矛盾を意味しない。同時に、このテストを40%改善の再現証拠として扱うこともできない。

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Androidゲーミング端末に勝った、とはまだ言えない

iPhone 18 Pro Maxは、ファンを止めたiQOO 15 Ultraと同じ5.9Wで、測定表面温度が2.9℃低かった。OnePlus 15より持続電力はわずかに低いが、表面温度も2.9℃低い。受動冷却の大型スマートフォンとして見ると、Appleの新設計がAndroidの高性能機と同じ領域へ入ったことは確かである。

ただし、iQOO 15 Ultraのファンを最大にすると7.3Wまで伸び、iPhoneより1.4W大きい電力を維持した。温度は46.2℃でiPhoneよりやや高いが、能動冷却がより大きな発熱を引き受け、性能側へ余裕を振り向けた結果とも読める。iPhoneの低温とiQOOの高い電力上限は、どちらか一方の勝利ではなく、快適性と持続性能の配分が異なることを示す。

設計も違う。OnePlusはOnePlus 15で360度のCryo-Velocity冷却、エアロゲル断熱材、白色グラファイトを組み合わせる。iQOOは15 Ultraに8Kベイパーチャンバーと17×17mm、59枚羽根の冷却ファンを搭載し、最大風量を0.315CFMとする。ファンは熱輸送を強められる一方、電力、騒音、吸排気経路、長期的な異物対策という設計課題を増やす。密閉した受動冷却を選ぶiPhoneとは、達成しようとする製品像が異なる。

さらに、ワット数はフレームレートではない。SoCのアーキテクチャ、ゲームの最適化、解像度、OS、電力計測の範囲が違えば、同じ5.9Wでも得られる描画性能は変わる。この比較から分かるのは、連続負荷時に端末がどれだけの電力と表面温度を許容したかであり、「最速のゲーミングスマートフォン」という順位ではない。

別の試験でも改善は見えるが、40%の再現ではない

Tom's Guideの3DMark測定では、iPhone 18 Pro Maxの安定度が79.4%、17 Pro Maxが65.2%だった。差は14.2パーセントポイントであり、相対的には約21.8%の増加となる。ここを単に「14.2%向上」と書けば、ポイント差と比率を混同する。Appleの最大40%は持続性能、Tom's Guideの数字はストレステスト中の最高スコアに対する最低スコアの比率であり、分母も測定対象も同じではない。

小型モデルでは差がさらに小さい。同じ測定でiPhone 18 Proは62.8%、17 Proは61.1%で、改善は1.7ポイントにとどまった。18 Pro Maxの大きな筐体と3倍のベイパーチャンバー面積で得た結果を、そのまま18 Proへ一般化できないことを示唆する。端末寸法と熱容量は、同じA20 Proでも持続挙動を変える。

実使用の観察は方向性を補強する。TechRadarのレビューは、長時間の撮影で18 Proと18 Pro Maxがなお温かくなる一方、17世代より温度上昇が穏やかで、熱がより広く分散し、速く下がったと報告した。ベンチマークの一点だけでなく、熱の広がり方と回復の速さにも変化がある。ただし、定量条件の揃った比較ではなく、補助的な観察として扱うべきである。

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購入判断で次に見るべき条件

新しい冷却設計の恩恵が出やすいのは、数分で終わる単発ベンチマークではなく、高負荷ゲーム、長時間の高解像度撮影、端末上のAI処理、動画書き出しのように熱が蓄積する仕事である。ピーク性能が同じでも、周波数低下までの時間が延び、外装の局所的な熱さが減れば、利用者が受け取る性能は変わる。

購入判断には、少なくとも三つの追試が要る。

  • 室温、ケースの有無、画面輝度を揃え、通信状態、負荷時間、センサー位置も統一して前世代と比べる。試験環境による差を切り分けるためである。
  • 消費電力と表面温度に加え、フレームレート、1% low、バッテリー消費を実ゲームで測る。熱設計の改善が体感できる性能へつながるかを確かめる。
  • 大型の18 Pro Maxだけでなく、小型の18 Proでも同じ傾向が続くかを見る。筐体サイズの寄与を分けて判断できる。

数週間後のOSとゲーム更新、個体差も結果を動かし得る。

現時点で最も堅い結論は、iPhone 18 Pro Maxが「Androidゲーミング端末より冷たい」ことではない。Appleがチップのパッケージから熱拡散面までを一体で再設計し、前世代より多くの電力を維持しながら表面温度を下げたことである。今後、条件を明示した複数の独立測定で同じ傾向が再現され、実ゲームの安定性にも結び付けば、A20 Pro世代の本当の進化はピーク性能ではなく、長く使える性能にあると評価できる。