Term

EUVリソグラフィ

別名: 極端紫外線リソグラフィ, EUV露光, EUV, Extreme Ultraviolet Lithography

Overview

最終更新: 2026年7月9日

EUVリソグラフィとは、波長13.5ナノメートルの極端紫外線を光源として、シリコンウェハー上に数ナノメートル規模の回路パターンを露光形成する半導体製造技術である。従来の光学リソグラフィでは困難だった微細化を実現する手段として、先端ロジック半導体やDRAMの量産に不可欠な工程となっている。オランダのASMLが世界で唯一この装置を量産できる企業として市場を独占している。

概要

EUV光は波長が短いため、既存の可視光や深紫外線を用いた露光技術では困難だった数十ナノメートル以下のパターン形成が可能になる。実際の露光には反射光学系や真空環境、スズ滴に高出力レーザーを照射してプラズマを発生させる光源技術など、多数の高度な工学技術が組み合わされている。装置一台の価格は非常に高額で、製造・保守できる企業はASMLに限られているため、地政学的にも重要な資産と位置づけられている。

沿革

EUVリソグラフィは長年の研究開発を経て、2010年代後半から量産ラインへの導入が本格化した。TSMC、Samsung Electronics、Intelといった先端ファウンドリがEUV露光装置を導入し、7ナノメートル世代以降のプロセスノードで採用してきた。装置の生産能力や高度な要素技術の独占性から、米国を中心とした輸出管理の対象にもなっている。

技術的位置づけ

半導体の微細化がスケーリングの限界に近づく中、EUVリソグラフィは高NA(開口数)EUVなど次世代装置の開発によってさらなる微細化を目指している。一方で、2D材料を用いたトランジスタやナノインプリントリソグラフィ(NIL)といった代替・補完技術の研究も進んでおり、EUV一辺倒だった微細化戦略に多様な選択肢が生まれつつある。

主要な動向

2026年6月には、オランダが米国主導の半導体供給網構想Pax Silicaに正式参加したことが明らかになり、ASMLの製造装置を巡る輸出統制の実務的な強化が進んでいる。米国はMATCH法案を通じて同盟国に規制の足並みを揃えるよう求めており、先端AIチップだけでなく製造工程全体の管理を狙う動きが強まっている。

同じ2026年6月には、ASML、TSMC、imecが共同で2D材料トランジスタの300mmウェハー統合に成功し、50nmピッチという業界標準の微細化を実証したと発表された。これはシリコンの限界を見据えたポストシリコン時代への布石とされ、EUVリソグラフィを含む既存の製造プロセスとの統合可能性が注目されている。

一方で、ASMLの独占的地位に挑戦する動きも見られる。2026年4月には、2024年設立のスタートアップInversion Semiconductorが、小型粒子加速器を用いた次世代EUVリソグラフィの開発に取り組んでいることが報じられた。また中国では、2026年6月にPrinano Technologyが国産のナノインプリントリソグラフィシステムを初出荷し、Canonを超える10ナノメートル未満の解像度を実現したと主張しており、米国の輸出規制下で代替技術の開発が進んでいる実態がうかがえる。

さらに2026年6月には、Samsung ElectronicsとASMLが韓国・華城で計画していた共同研究開発センターの計画を修正し、土地売却を行いつつも協力関係自体は継続する方針であることが明らかになった。こうした一連の動きは、EUVリソグラフィを軸とした半導体製造の技術覇権と供給網の地政学的な緊張が、装置メーカーと顧客企業の関係性にも影響を及ぼしていることを示している。

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よくある質問

EUVリソグラフィとは何ですか?
波長13.5nmの極端紫外線を用いてシリコンウェハー上に微細な回路パターンを露光形成する半導体製造技術である。先端ロジック半導体やDRAMの量産に不可欠な工程となっている。
EUVリソグラフィ装置を製造できる企業はどこですか?
オランダのASMLが世界で唯一この装置を量産できる企業として市場を独占している。TSMCやSamsung、Intelなどの先端ファウンドリが同社の装置を導入している。
EUVリソグラフィに代わる技術はありますか?
ナノインプリントリソグラフィ(NIL)や2D材料トランジスタなどが代替・補完技術として研究されている。2026年6月には中国Prinano Technologyが国産NILシステムを初出荷したと報じられた。
ASMLのEUV独占に挑む動きはありますか?
2026年4月にスタートアップのInversion Semiconductorが小型粒子加速器を用いた次世代EUVリソグラフィの開発に取り組んでいることが報じられ、独占構造への挑戦とみられている。
EUVリソグラフィは輸出規制の対象になっていますか?
米国を中心とした輸出管理の対象となっており、2026年6月にはオランダが米国主導のPax Silicaに参加し、ASML製装置の輸出統制強化が進んでいる。

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