CoWoS高騰がガラス基板2027年商用化を後押し:AI半導体の次の量産焦点は2030年へ
AIチップの大型化に伴い、従来の有機基板に代わるガラス基板技術が注目されており、2027年頃の商用化が見込まれている。TSMCやインテル、韓国メーカー各社が開発を加速させており、コスト削減や熱対策、高密度接続を実現する次世代の量産基板として期待される。
TSMC(台湾積体電路製造)は、1987年に台湾で設立された世界最大の半導体受託製造企業(ファウンドリ)であり、微細化技術の最先端を走りながらAppleやNVIDIAなど多数のファブレス企業のチップ製造を担う中核的存在である。
TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)は、半導体の製造に特化したファウンドリビジネスモデルを世界で初めて確立した企業である。自社で製品の設計を行わず、顧客であるファブレス企業やIDMから委託された設計データに基づいて半導体チップの製造のみを行う。このモデルにより、顧客と競合することなく、製造技術の開発と生産能力の拡充に専念する体制を構築している。
1987年、モリス・チャン(張忠謀)によって台湾の新竹市で設立された。設立当初は台湾政府やフィリップスなどの出資を受け、産業育成政策を背景に成長を遂げた。1990年代以降、半導体産業において設計と製造の水平分業化が進む中で、ファウンドリとしての地位を確立した。1997年には台湾の証券取引所に上場し、同年に米国のニューヨーク証券取引所(NYSE)にも預託証券として上場を果たしている。
最大の強みは、極端紫外線(EUV)リソグラフィ技術などを駆使した最先端プロセスの量産能力である。7ナノメートル(nm)、5nm、3nmといった微細化プロセスを他社に先駆けて量産化し、スマートフォン用SoCや高性能コンピューティング向けGPUなどの製造を担っている。また、2.5D/3Dパッケージング技術(CoWoSなど)といった後工程の高度化にも注力しており、AI半導体の需要増大に対応している。
近年は地政学的リスクの軽減や各国のサプライチェーン強靱化政策に応じる形で、台湾外での生産拠点構築を進めている。米国アリゾナ州での新工場建設をはじめ、日本の熊本県(JASM)やドイツのドレスデンでの合弁工場設立など、グローバルな製造網の構築を推進している。一方で、最先端プロセスの研究開発や主要な量産拠点は引き続き台湾国内に維持しており、世界の半導体産業における中枢としての役割を担い続けている。
AIチップの大型化に伴い、従来の有機基板に代わるガラス基板技術が注目されており、2027年頃の商用化が見込まれている。TSMCやインテル、韓国メーカー各社が開発を加速させており、コスト削減や熱対策、高密度接続を実現する次世代の量産基板として期待される。
Intelは2026年から2028年にかけ、Nova Lake、Razor Lake、Titan Lake、Moon Lakeの4つの次世代CPUアーキテクチャを投入する計画だ。デスクトップ向けNova Lakeは最大52コアを搭載し、LGA1954ソケットを採用、続くRazor LakeはIPC向上に重点を置く。モバイル向けTitan Lakeは統合コアアーキテクチャ「Copper Shark」への回帰とNvidia RTX GPUタイルの搭載を予定し、大幅な競争力強化を目指す。
iPhone 18 Pro向けA20 ProチップはTSMCの2nmプロセスと新パッケージング技術WMCMを採用し、AI処理と電力効率を大幅に向上させる。ベースモデルのiPhone 18はDRAM供給不足からWMCMを見送るが、メモリを12GBに増強し、Appleはリリースサイクルを分割してサプライチェーンの負荷分散を図る。
ソニーセミコンダクタソリューションズとTSMCは、次世代イメージセンサーの開発・製造に向けた合弁会社設立の基本合意書を締結した。ソニーが過半数を出資し熊本の新工場に生産ラインを構築、日本政府の補助金も活用し、自動運転やロボティクスなどの物理AI市場での覇権維持を目指す。
Appleは、台湾の地政学リスクを背景に、AI向け先端チップのTSMCへの供給依存を見直し、Intelを第2の製造拠点として組み込む予備合意に達した。この合意は、Appleが自社設計チップの製造において、米国内に複数供給源を確保し、供給網の安定化を図る戦略的な動きである。
AIチップ需要の急増によりTSMCの先端プロセスが飽和し、AppleはMac miniの販売停止とMac Studioの供給遅延に直面している。この事態を受け、AppleはTSMCへの依存を解消するため、IntelとSamsung Electronicsとの交渉を進め、マルチファウンドリ戦略への転換を図っている。
データセンターの需要増が消費者向けデバイスのチップ不足を引き起こしており、AIシステム向けチップと消費者向けチップでは最適化される特性が異なる。半導体産業は寡占市場であり、少数の企業が市場を支配し、高利益率製品への投資を優先するため、供給不足と価格高騰が続いている。
次期Pixel 11は、AIデータセンター向けHBM需要増によるLPDDR5X価格高騰の影響で、前世代より少ないRAM構成で出荷される見込みだ。しかし、Tensor G6へのTSMC N2プロセス移行やMediaTek製モデム採用、カメラセンサー刷新により、電力効率と通信性能、画質の向上が期待される。
ローカルAIの実験環境を自宅に置きたい開発者にとって、Mac miniの最安構成が94,800円から124,800円へ上がったことは何を意味するのか。2026年5月1日、Appleの販売ラインからM4/256GB構成が消え、512GB構成が入口になった。同時期にMac miniとMac Studioは、AI(人工知能)エージェント用途の需要増で供給制約を受けている。これは小型Macが安価な入門機から、常時稼働するローカルAIサーバーへ役割を変え、購入計画の基準価格が一段上がったことを示す変化だ。
18%以上の電力削減と9%以上の性能向上という数字が、Intel Foundryを再び先端プロセス競争の中心へ押し戻している。VLSI 2026で示されたIntel 18A-Pは、RibbonFETとPowerViaを土台にした18Aの改良版だ。一方で、TSMC N2はトランジスタ密度でIntel 18Aを上回り、先端製造の主導権を握る。そこへAppleのM系入門版評価、Googleの先端パッケージング検討という報道が重なり、勝負の軸は「最も細かいプロセス」から「十分な効率と供給分散」へ広がり始めた。
Googleの次期SoC「Tensor G6」は、TSMCの最先端2nmプロセスを採用しつつ、GPUには2021年の設計を搭載する見込みだ。これは、チップ製造コストの抑制と、AI処理専用NPUやセキュリティチップ「Titan M3」へのリソース配分を優先したためである。ベンチマーク性能よりも端末内AI処理の深化に重点を置いた戦略だ。
GPUメーカーGALAXが市場撤退したとの誤報が流れたが、実際は独立法人としての運営を終了し、ブランド管理が親会社Palit Groupに統合されたことが判明した。これは、GALAXのエンジニアチーム解散と香港オフィスの閉鎖を伴うものの、高性能GPUの開発・製造・サポートは継続され、ブランド自体は存続する戦略的移行である。
Intelは2026年第1四半期決算で粗利益率41%を達成し、従来スクラップとして廃棄されていた低性能CPUダイをAIデータセンター向けに販売することで収益を劇的に改善した。これはAI需要の爆発的増加が半導体業界の価値基準を変化させ、製造ラインから生まれるほぼ全てのシリコンを収益化可能にした結果である。
AIのメモリの壁を打破するため、NEO Semiconductorが「3D X-DRAM」の概念実証に成功した。これは3D NANDの製造技術を転用し、モノリシックな立体構造でDRAMを製造する技術であり、既存のHBMの課題を解決し、容量、コスト、エネルギー効率を大幅に改善する。また、10ナノ秒未満の高速性と、JEDEC規格を15倍以上凌駕するデータ保持能力を持つ。
生成AIの進化に伴い、エージェント型AIの普及によりデータセンターのハードウェア構成が劇的に変化している。AIインフラの主役がGPU単体からCPUの中核的配置へと回帰し、ハイエンドサーバー向けCPUの供給不足と価格高騰を招いている。このCPU需要の急増は、サプライチェーンに強烈な負荷をかけ、クラウドプロバイダーのTCO悪化やアーキテクチャ再編のジレンマを引き起こしているのだ。
Metaはエージェント型AIの処理に特化し、GPUではなくArmベースのCPU「Graviton5」をAWSから数千万コア、最低3年間調達する大型契約を締結した。これは、エージェント型AIが求める低レイテンシと高いスレッド並列性がCPUの得意とする領域であり、電力効率とコスト面で優位性があるため、AIインフラの最適解がワークロードによって分岐しつつあることを示している。
TrendForceは、AIサーバー向け部品の優先供給により、一般サーバーの電源管理ICやベースボード管理コントローラーなどの部品調達が困難となり、2026年のサーバー出荷成長率予測を下方修正した。大手クラウド事業者が部品を確保する一方、一般企業は納期遅延や構成制約に直面し、AIブームのコストが広範囲に及ぶ見込みである。
SpaceXはIPOに向けたS-1登録書で、将来の大規模設備投資の一部として自社GPU製造を挙げ、チップ供給の不安定さを投資家へのリスクとして開示した。これはNVIDIA依存からの脱却というより、StarlinkやxAI、宇宙データセンター構想など、Musk氏傘下の複数事業における計算資源の安定確保を目的とした垂直統合オプションである。Intel 14Aプロセスを用いたTerafab構想と連携し、AIアクセラレータの内製化を目指すものの、その実現には大きな技術的・経済的リスクが伴う。
半導体設計の全工程を自律的に行うAIエージェント「Design Conductor(DC)」が開発された。DCは219語の仕様書からRISC-V CPUの論理回路を組み上げ、徹底的な検証とデバッグを経て、わずか12時間で製造用レイアウトファイルを出力することに成功した。これは、これまで人間が手動で行っていた複雑なプロセスをAIがエンドツーエンドで完遂する画期的な成果であり、ハードウェア設計の歴史における重要なマイルストーンとなる。
Bolt Graphicsは高性能GPU「Zeus」のテストチップのテープアウトに到達したが、量産時期は初期告知の2026年後半から2027年第4四半期へと後ろ倒しになった。このテープアウトは設計の前進を示すものの、実性能や量産を保証するものではなく、今後の実測値や事業化の進展が注目される。