テクノロジーと科学の最新の話題を毎日配信中!!

iPhone 20周年記念モデルは驚愕の機能の数々を搭載?完全ベゼルレス、次世代バッテリー、HBM搭載でAI性能も劇的進化との噂

Y Kobayashi

2025年5月15日

2027年、初代iPhoneの登場から20年という大きな節目を迎える。この記念すべき年に、Appleが再び世界を驚かせるような革新的なiPhoneを準備しているとの情報が、海外メディアやサプライチェーン情報筋からもたらされた。噂されているのは、これまでのiPhoneの集大成と言えるような、完全ベゼルレスデザイン、画面からパンチホールやノッチが消え去るアンダーディスプレイカメラ、そしてエネルギー密度を飛躍的に高めた新世代バッテリー、さらにはオンデバイスAIの処理能力を劇的に向上させるHBM(High Bandwidth Memory)の搭載だ。この噂が真実であれば、iPhone Xがスマートフォン市場に与えたような大きなインパクトを、Appleは再び世界に与える事になるかもしれない。

スポンサーリンク

iPhone Xの衝撃再び?20周年記念モデルへの高まる期待

思い返せば、2017年に登場したiPhone 10周年記念モデル「iPhone X」は、それまでのiPhoneのデザイン言語を刷新し、ホームボタンの廃止、Face IDの導入、そして当時としては画期的な有機ELディスプレイの採用など、スマートフォンの新たなスタンダードを提示した。それから数年、iPhoneの進化はどちらかといえば漸進的であり、一部のユーザーからは「退屈な時代」との声も聞かれるようになったのは否めない。

しかし、この20周年という節目は、Appleにとって再び大きな飛躍を遂げる絶好の機会となるのかもしれない。複数の情報源が示唆するように、単なるマイナーアップデートに留まらない、根本的な設計思想の変革が計画されている可能性は十分に考えられる。Bloombergが報じた「大胆な新しいProモデル」や「ガラスをより広範に使用する」といった言葉の断片は、まさにその予兆と言えるのではないだろうか。

技術的ブレークスルーの数々:噂される驚愕の新機能

現在までに報じられている20周年記念iPhone(仮称:iPhone 19 Pro、iPhone 20th Anniversary Editionなど)に関する技術的な噂は、本当に実現されるのか?と思えるような、大きな変化を伴う物ばかりだ。ここでは主要なものを個別に見ていこう。

究極の没入感へ:4辺ベゼルレスとアンダーディスプレイカメラの衝撃

最も注目を集めているのが、ディスプレイデザインの抜本的な刷新だ。韓国の電子業界専門メディアET Newsは、Appleが「4辺ベンディングディスプレイ技術」の開発を進めていると報じている。これは、ディスプレイのガラスを上下左右の4辺すべてでカーブさせ、物理的なベゼルを完全に排除するというものだ。実現すれば、かつてAppleのデザインを率いたJonny Ive氏が抱いていたとされる「一枚のガラス(a single slab of glass)」という究極のビジョンに限りなく近づくことになるだろう。

さらに、この完全ベゼルレスデザインを実現するためには、フロントカメラやFace IDセンサーを画面下に埋め込む「アンダーディスプレイカメラ(UDC)」技術が不可欠となる。これにより、長年iPhoneの象徴でもあったノッチや、近年採用されているDynamic Islandといったパンチホールも姿を消し、真のフルスクリーン体験がもたらされることになる。UDCの実現には、有機EL基板材料としての透明ポリイミドの使用や、有機ELピクセルからの光学的損失を低減するための特殊レンズなど、高度な技術開発が求められるという。 Appleは、主要ディスプレイサプライヤーであるSamsung DisplayやLG Displayと、これらの先端技術の採用について協議を開始するとET Newsは伝えている。

バッテリー革命:「ピュアシリコン」か「ソリッドステート」か

スマートフォンの進化において、バッテリー持続時間は常にユーザーの大きな関心事だ。20周年記念iPhoneでは、このバッテリー技術にも大きなブレークスルーが期待されている。

ET Newsは、Appleが「ピュアシリコンバッテリー」の採用を検討していると報じている。 これは、現在のリチウムイオンバッテリーの負極材に使われているグラファイト(黒鉛)を100%シリコンに置き換えることで、エネルギー密度を飛躍的に高める技術だ。現在のスマートフォン用バッテリーのシリコン含有率は一般的に20%未満であり、これを100%にすることで、バッテリー持続時間の大幅な向上、あるいは同等の持続時間を維持しつつ本体のさらなる薄型化が可能になるという。

一方、9to5Macは「全固体電池」の可能性にも言及している。 全固体電池は、電解質を液体から固体に置き換えることで、エネルギー密度の向上だけでなく、安全性や寿命の改善も期待される次世代バッテリー技術だ。9to5Macは、TDKが全固体電池技術で進展を見せている事例などを挙げ、その実現可能性に期待を寄せている。

これらの新技術がどちらか一方、あるいは組み合わせて採用されるのかは現時点では不明だが、バッテリー性能の大幅な向上は間違いないだろう。

オンデバイスAIの真価を発揮:HBM搭載で処理能力が異次元へ?

近年のAppleは、「Apple Intelligence」の発表に見られるように、オンデバイスでのAI処理能力の向上に注力している。20周年記念iPhoneでは、このAI性能をさらに飛躍させるための切り札として、HBM(High Bandwidth Memory: 高帯域幅メモリ)の採用が噂されているのだ。

HBMとは、複数のDRAMチップを垂直に積層し、TSV(Through-Silicon Via:シリコン貫通電極)と呼ばれる微細な電極で接続することで、メモリ帯域幅(データ転送速度)を劇的に向上させる技術だ。主に高性能コンピューティングやAIサーバーなどで採用されてきたが、これをモバイル向けに最適化した「モバイルHBM」をiPhoneに搭載することで、アプリケーションプロセッサ(APU)やグラフィックスプロセッサ(GPU)が、より高速かつ効率的にメモリへアクセスできるようになる。 これにより、大規模言語モデル(LLM)のような高度なAI処理を、クラウドを介さずデバイス上で快適に実行できるようになり、応答速度の向上やプライバシー保護の強化にも繋がると期待される。

ET Newsによると、Appleは既にメモリサプライヤーであるSamsung ElectronicsやSK hynixとモバイルHBMについて協議している可能性があり、これらのサプライヤーは2026年以降の量産を目指して独自のパッケージング技術(SamsungのVCS、SK HynixのVFOなど)を開発中だという。

見えない進化も重要:省電力化を実現する新世代有機ELディスプレイドライバー

派手な新機能の影に隠れがちだが、デバイス全体の効率を左右する重要な進化も噂されている。ET Newsが詳細に報じているのが、有機ELディスプレイを駆動するDDI(Display Driver IC)の刷新だ。

Appleは、このDDIの製造プロセスを、現行の28ナノメートル(nm)プレーナープロセスから、より微細で電力効率に優れた16nm FinFETプロセスへ移行することを計画しているという。 FinFETはトランジスタを3次元構造にすることでリーク電流を低減し、消費電力を抑える技術だ。DDIの省電力化は、ディスプレイそのものの消費電力を削減するだけでなく、オンデバイスAI処理などによって増大する電力需要に対応し、バッテリー持続時間の確保や本体の薄型化にも貢献する、縁の下の力持ちと言えるだろう。

スポンサーリンク

サプライチェーンの動向と技術的ハードル

これら数々の革新的な技術は、楽しみではあるが、2027年の実現に向けては、いくつかのハードルも存在する。

まず、これらの技術が本当に2027年までに商用化レベルに達するのかという点だ。ET Newsの報道がサプライチェーンに関する情報ということで比較的信頼性があるが、あくまで開発中の技術である点は留意すべきだろう。 特にUDCやピュアシリコンバッテリー、モバイルHBMといった最先端技術は、量産体制の確立やコスト低減など、クリアすべき課題も少なくない。

また、これだけ多くの新技術を盛り込むとなれば、iPhoneの製造コストが大幅に上昇する可能性も否定できない。特にHBM搭載による価格上昇も決して小さくはない。 Appleがこれらのコストをどのように吸収し、最終的な製品価格にどう反映させるのかも注目される。

サプライヤーにとっては、Appleの次世代iPhoneへの採用は大きなビジネスチャンスであり、Samsung Display、LG Display、SK Hynixといった企業間の技術開発競争はますます激化することが予想される。

2027年、iPhoneは再び世界を変えるか?

仮にこれらの噂される技術革新が20周年記念iPhoneで実現したならば、私たちのスマートフォン体験はどのように変わるのだろうか。

完全ベゼルレスとUDCによる真のフルスクリーンは、コンテンツへの没入感を極限まで高め、視覚体験を新たな次元へと引き上げるだろう。バッテリー性能の飛躍的な向上は、充電の煩わしさから解放され、より自由なデバイス活用を可能にする。そして、HBMによるオンデバイスAIの劇的な進化は、パーソナルアシスタントの能力を飛躍的に高め、私たちの日常生活や働き方をよりインテリジェントにサポートしてくれるかもしれない。

これはまさにiPhoneというデバイスの「再定義」と言えるほどのインパクトを持つ可能性があるものだ。Appleは、20周年という節目に、再びスマートフォン市場のゲームチェンジャーとなろうとしているのかもしれない。

もちろん、現時点ではこれらはあくまで噂の段階であり、Appleからの正式な発表は何もない。しかし、これほど具体的で多岐にわたる技術革新の噂が出てくること自体が、Appleの野心と、それに対する市場の大きな期待を物語っていると言えるのではないだろうか。


Sources

Follow Me !

\ この記事が気に入ったら是非フォローを! /

フォローする
スポンサーリンク

コメントする