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Apple、OS命名規則を大転換? 次期iOSは19から一気に「iOS 26」になるとの噂

Y Kobayashi

2025年5月29日11:46AM

米Appleが、長年親しまれてきたiPhoneやMacなどの基本ソフト(OS)の命名規則に、メスを入れる可能性が急浮上している。Bloombergによれば、同社は現行のバージョン番号方式を廃止し、西暦に基づいた新たなナンバリングシステムへと移行を検討しているというのだ。これが事実であれば、今秋にも登場が噂される次期iOSは「iOS 19」ではなく、一足飛びに「iOS 26」として世に出ることになるかもしれない。この真相については、来る6月9日(日本時間6月10日未明)に開幕する世界開発者会議(WWDC)での正式発表で明らかになるとみられる。

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噂の核心:「iOS 26」時代の到来とその狙い

今回の情報は、米BloombergのMark Gruman記者によって報じられた。それらによると、Appleは以下の主要OSについて、名称変更を計画しているとされる。

  • iOS: 現行のiOS 18の次期バージョンは、「iOS 19」ではなく「iOS 26」に。
  • iPadOS: 同様にiPadOS 18の次は、「iPadOS 19」ではなく「iPadOS 26」に。
  • macOS: 現行macOS Sonoma (バージョン14)の次期メジャーアップデート(従来ならmacOS 15)は、「macOS 26」に。
  • watchOS: 現行watchOS 10の次期バージョン(従来ならwatchOS 11)は、「watchOS 26」に。
  • tvOS: 現行tvOS 18の次(従来ならtvOS 19)は、「tvOS 26」に。
  • visionOS: 比較的新しいvisionOSも、次期メジャーアップデート(従来ならvisionOS 2または3)は「visionOS 26」に。

まさに、Apple製デバイスのOS群が一斉に「26ファミリー」へと生まれ変わるというわけだ。

なぜ今、この変革なのか?

Appleがこのタイミングで大規模な命名規則の変更に踏み切る背景には、いくつかの狙いがあると考えられる。

第一に、ブランド全体での一貫性の確保だ。現状、各OSのバージョン番号は、それぞれの初代リリース時期の違いから、iOS 18、macOS 14、watchOS 10といった具合にバラバラであり、ユーザーや開発者にとって、どのOSが最新で、どのバージョン同士が同世代なのか直感的に理解しづらい側面があった。これを「26」という統一された数字で揃えることで、シンプルで分かりやすいブランドイメージを再構築しようという意図が透けて見える。

第二に、ユーザーと開発者の混乱軽減である。特に複数のAppleデバイスを使いこなすユーザーや、多岐にわたるプラットフォーム向けにアプリを開発する開発者にとって、バージョン番号の不統一は潜在的なストレス要因となり得る。新方式では、少なくともその年のメジャーアップデートは全て同じ番号で呼ばれるため、コミュニケーションの円滑化が期待される。

そして第三に、噂されているOSの大規模なデザイン刷新との連動だ。一部報道では、次期OS群はvisionOSに触発された、よりモダンで統一感のあるデザインへと進化するとも言われている。中身と外見を大きく変えるこのタイミングで、ネーミングも一新し、新たな時代の到来を印象づけたいというマーケティング戦略も十分に考えられるだろう。

「26」の謎:なぜリリース年の「翌年」なのか?

ここで一つの疑問が浮かぶ。なぜ2025年にリリースされるはずのOSが「OS名 25」ではなく「OS名 26」なのだろうか?

これについては、自動車業界でよく見られる「モデルイヤー」制度に倣ったものではないかと推測される。自動車メーカーは、例えば2025年の秋に発売する新型車を「2026年モデル」として市場に投入することが一般的だ。Appleもこれと同様に、OSのリリース年の翌年をバージョン番号に冠することで、常に「未来志向」のイメージを演出しようとしているのかもしれない。あるいは、単に会計年度や開発サイクルに合わせた内部的な事情がある可能性も否定できない。

韓国のSamsung Electronicがスマートフォン「Galaxy S」シリーズで、2019年発売の「Galaxy S10」の次に、2020年発売モデルを「Galaxy S20」とした前例もある。これは発売年と数字を一致させた分かりやすい例だが、Appleは一歩進んでいることを印象づけたいのか、翌年の数字を選ぶようだ。

OS命名史に新たな1ページ? 過去の巨人たちの迷走と既視感

OSのネーミングというのは、時に企業の個性が色濃く反映される部分であり、過去には迷走とも取れる歴史を刻んできた巨人たちも存在する。

代表格は、やはりMicrosoftのWindowsだろう。Windows 3.1の後、突如として年号を取り入れたWindows 95、98、Me(Millennium Edition)。そしてXP、Vistaと続き、Windows 7、8と来たかと思えば、なぜか「9」をスキップしてWindows 10へとジャンプ。最近ではWindows 11が登場し、そのネーミングの気まぐれっぷりは、長年ユーザーをやきもきさせてきた。今回のAppleの「バージョン飛ばし」のニュースに、かつて「Windows 9はどこへ行った?」とジョークを飛ばしたAppleユーザーが、一抹の既視感を覚えたとしても不思議ではない。

Apple自身も、過去にOSのネーミングで大きな転換を経験している。かつてのMac OS Xは、バージョン10.0 Cheetahから10.15 Catalinaまで長らく「テン」の愛称で親しまれたが、2020年にmacOS 11 Big Surとして新たなナンバリングへと移行した。この時は、バージョン番号が1つ進んだだけだったが、今回は一気に「18」から「26」へと飛躍する可能性があり、そのインパクトは大きい。

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新名称がもたらす影響と、尽きない疑問符

このOS名変更が実現した場合、我々ユーザーや開発者にはどのような影響があるのだろうか。

短期的には、多少の混乱や慣れが必要となるかもしれない。「iOS 26って、いつ出たんだっけ?」と一瞬考える場面も出てくるだろう。しかし、長期的には、Appleが狙う通り、バージョン管理のシンプル化に繋がる可能性はある。

一方で、いくつかの疑問も残る。

  • macOSの愛すべき「地名コードネーム」の行方: 「Sonoma」「Ventura」「Monterey」といったカリフォルニア州の地名に由来するmacOSのコードネームは、WWDCの発表におけるユーモラスな寸劇と共に、多くのファンに愛されてきた。新命名規則の導入で、この伝統がどうなるのかは気になるところだ。「macOS 26 Napa Valley」といった形になるのか、それともシンプルに「macOS 26」だけになるのか。WWDCの楽しみが一つ減ってしまうのは寂しい限りだ。
  • ハードウェアへの波及効果: 9to5Macなどの一部メディアは、この命名規則の変更がiPhoneなどのハードウェア製品名にも影響を与える可能性を指摘している。つまり、「iPhone 17」ではなく「iPhone 26」が登場するかもしれないというのだ。これは現時点では憶測の域を出ないが、Appleがブランド全体の統一感を重視するならば、あり得ない話ではないだろう。
  • 本当に分かりやすくなるのか?: 「翌年方式」が一般ユーザーにとって直感的に理解しやすいかどうかは、実際に運用されてみないと分からない部分もある。結局のところ、「今年の秋に出る最新OS」という認識が定着すれば、番号自体は些細な問題になるのかもしれないが。

Appleの目論見と市場の反応

今回のOS名変更の噂は、Appleのより大きな戦略の一端を示唆している可能性もある。

エコシステム全体での体験の統一性をより一層高め、ユーザーを自社プラットフォームに強く惹きつけるというAppleの基本戦略が、OSの命名規則という細部にまで及んできたということだろう。また、大規模なデザイン刷新と合わせてネーミングも一新することで、市場に対して「Appleは常に進化し続ける」という強力なメッセージを発信したいという意図も見て取れる。

WWDCでの正式発表が行われれば、市場の反応は賛否両論となるかもしれない。しかし、Appleが一度決断したことを覆すことは稀であり、ユーザーも開発者も、そして我々メディアも、新たな「26」の時代に適応していくことになるのだろう。

果たして、WWDCの基調講演でTim Cook CEOの口から「iOS 26」という言葉が発せられるのか。そして、その背景にある真の狙いは何なのか。全ては、間もなく明らかになる。この変革は、テクノロジー業界に新たな「基準」を提示するのか、それとも単なる「気まぐれ」として記憶されることになるのだろうか。


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