
急速充電で負極の内部に何が起きているのか?KAISTが構築した3次元デジタルツインが示す微小構造の死角
KAISTの研究チームが市販黒鉛負極の3次元デジタルツインを構築し、急速充電時の劣化を解析した。電極全体の平均値では見えないバインダー偏在がリチウム電析や応力集中を引き起こす機構を解明し、空間配置を重視した電極設計の指針を提示した。

TU Grazの研究チームが、リチウムチタン酸塩の結晶格子から酸素原子を意図的に引き抜き、未充電状態でリチウムイオンの拡散経路を活性化することに成功した。組成を変えずに「欠陥」だけでイオン伝導を制御するこの手法は、電池材料設計の前提を問い直す。

アデレード大学の研究チームが、尿に含まれる尿素と食塩からヒドラジンを電気化学的に合成する新手法をNature Synthesisに発表。120年間続いた危険な酸化剤依存の工業製法に対し、水系、常温で10倍以上の電流密度と240時間の安定運転を達成した。

広州のEV15台の実走データ1年分を物理整合型因果推論で分析した結果、最も攻撃的な運転スタイルはエコ運転と比べて約2.5倍のバッテリー容量劣化をもたらすと予測された。温度や充電状態の影響を統計的に分離した初の試みの一つだが、1,000サイクル後の数値はモデル予測であり実測ではない。

好塩菌の光駆動プロトンポンプを半導体ナノシートに組み込んだハイブリッド材料が、常温常圧で太陽光と空気から過酸化水素を合成した。半導体単独の5倍以上の生成効率を示し、アントラキノン法に代わる分散型・脱炭素の合成ルートの可能性を開く。

廃基板1トンに含まれる金は天然鉱石の約200倍。この「都市鉱山」を掘り出す溶媒抽出は、酸と塩基の大量消費が宿命だった。イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の研究チームが、電荷を内蔵した一分子で抽出サイクルを完全に電化する設計原理を実証。化学試薬を最大100分の1に減らし、金89%回収を達成した。

MITの研究チームがビスマス電極のpHスイング反応を利用し、化学添加剤なしで海水からマグネシウムを選択回収する手法を開発した。推定コストはトンあたり107ドルで、従来法を大幅に下回る。中国依存のマグネシウム供給網を変える可能性を秘める。


全固体電池の実用化を阻むデンドライトの発生原因が、電解質内部の結晶粒界に生じる「空間電荷層」にあることが判明した。この領域が電子を滞留させ金属リチウムの析出を招くという知見は、次世代電池の安全性と性能を飛躍させる重要な鍵となるだろう。

NVIDIAがBIO 2026でBioNeMo Agent Toolkitを発表した。50社超のパートナーとともに、仮想スクリーニングを数日から数分に短縮するエージェント型AIインフラを創薬業界へ展開する。抗体設計の成功率が1/1000から15%へと上昇するなか、GPUメーカーから創薬インフラ企業への転換が加速している。

リチウムイオン電池を凌駕する高エネルギー密度を持つフッ化物シャトル電池において、フッ素の溶解度と反応性の両立が課題であった。国際研究チームは安価な無機塩を添加する新手法を開発し、この難題を解決して次世代電池の実用化に向けた道を切り拓いた。

中国の研究チームが、プラスチック廃棄物を高品質なジェット燃料へ効率的に変換する新技術を開発した。単原子触媒を用いた二段階の連続処理プロセスにより、従来困難だった分子構造の精密な制御を実現し、深刻な原料不足に悩む航空業界の脱炭素化を加速させる。