テクノロジーと科学の最新の話題を毎日配信中!!

iPhone 17シリーズ全モデルに12GBのRAM搭載か – Apple Intelligence強化の切り札に

Y Kobayashi

2025年4月30日

2025年秋登場見込みのiPhone 17シリーズで、RAMが12GBに増強されるとの噂が浮上している。これはApple Intelligenceの性能向上を目的とした動きと見られるが、全モデルに適用されるかはまだ不透明だ。

スポンサーリンク

iPhone 17全モデルで12GB RAM搭載?錯綜する情報

iPhone 17シリーズのRAM容量に関する噂が、再びテクノロジー界隈を賑わせている。発端の一つは、リーク情報で知られる「デジタルチャットステーション」氏が中国のソーシャルメディアWeiboに投稿した内容だ。同氏は、iPhone 17「シリーズ」が12GBのメモリを採用すると主張しており、その文言からは、Proモデルだけでなく、標準モデルを含む全ラインナップでの搭載を示唆しているように読み取れる。

この12GBへの増強は、Appleが近年注力するAI機能群「Apple Intelligence」にとって大きな恩恵となる、と同氏は付け加えている。また、同時に搭載される見込みの次世代チップ「A19 Pro」と合わせ、全体的なパフォーマンス向上も期待されるという。A19 Proは、台湾の半導体メーカーTSMCの先進的な3nmプロセス(N3p)で製造されると見られている。

しかし、著名アナリストMing-Chi Kuo氏の最新の調査報告は、少し異なる見解を示している。Kuo氏は当初、最上位モデルであるiPhone 17 Pro Maxのみが12GB RAMを搭載すると予測していた。だが、最新の報告では、Pro Maxに加え、Proモデル、そして噂される薄型モデル(iPhone 17 Airとも呼ばれる)の少なくとも3モデルが12GB RAMを搭載する見込みだと予測を修正した。

一方で、Kuo氏は、Appleが標準モデルのiPhone 17にも12GB RAMを搭載することを目指しているものの、部品の供給不足が懸念材料になっていると指摘する。Appleはこの件に関する最終的な評価を進めており、2025年5月頃までに決定を下す見込みだという。

このように、iPhone 17シリーズにおける12GB RAM搭載の噂は、1年ほど前から存在し、複数の情報源から繰り返し浮上している。例えば、2024年5月にはアナリストのJeff Pu氏が、ProモデルのRAMが8GBから12GBに増強される可能性を指摘していた。情報が錯綜している状況ではあるが、複数のアナリストやリーカーがRAM増強の可能性に言及している点は注目に値する。

なぜRAM増強が必要なのか? AIと競争が背景に

AppleがiPhoneのRAM容量を大幅に増やす可能性が浮上している背景には、いくつかの要因があると考えられる。

最大の推進力は、やはり「Apple Intelligence」だろう。近年のAI、特にデバイス上で動作する生成AIなどの機能は、大量のメモリを消費する傾向にある。Appleが今後、より高度で複雑なAI機能をiPhoneに搭載していくのであれば、それらをスムーズに動作させるための十分な作業領域、すなわちRAMの増強は必然的な流れと言える。デジタルチャットステーション氏も、RAM増強が次世代のApple Intelligenceを支えるために必要だと指摘している。

もちろん、RAMの増量はAI機能だけでなく、iPhone全体の体験向上にも寄与する。より多くのアプリをバックグラウンドで待機させたままでもスムーズに切り替えられるマルチタスク性能の向上や、高度なグラフィック処理を要求するAAA級(大作級)ゲームの快適なプレイにも繋がる物であり、AI機能を重視しないユーザーにとっても恩恵は大きい。

さらに、競争環境の変化も無視できない。Androidスマートフォン、特にSamsungのGalaxyシリーズは、以前からRAM容量の大きさでiPhoneを上回ってきた。例えば、最新モデルのGalaxy S25 Ultraは12GB RAMを標準搭載し、一部市場では16GBモデルも提供されている。Appleはこれまで、ハードウェアとソフトウェア(iOS)の緊密な連携による最適化を理由に、RAM容量の単純なスペック競争とは距離を置いてきた。しかし、AI機能の重要性が増す中で、競合他社とのスペック差がユーザー体験の差として現れる可能性も出てきた。Kuo氏も、Appleのより積極的なDRAM(RAMの一種)アップグレード戦略の背景には、スマートフォン市場における競争激化があると分析している。

スポンサーリンク

実現へのハードル:供給とコストの壁

iPhone 17シリーズ全モデルへの12GB RAM搭載という野心的な計画には、いくつかの課題も存在する。

最も大きな懸念は、Kuo氏が指摘する部品の供給問題だ。特に、全モデルに12GB RAMを搭載するとなると、膨大な量のDRAMチップが必要となる。現在のサプライチェーンで、その需要を満たせるだけの供給量を確保できるかは不透明であり、特に販売台数が多くなる標準モデル向けの供給がボトルネックになる可能性がある。

もう一つの重要な要素はコストである。Kuo氏の分析によると、12GB RAMの平均販売価格(ASP)は、現行のiPhone 16 Proモデルなどに搭載されている8GB RAMよりも約50%高いという。これは、RAMサプライヤーであるMicronやSK hynixにとっては大きなビジネスチャンスとなるが、Appleにとっては部品コストの大幅な増加を意味する。

Appleがこのコスト増を吸収するために、iPhone 17シリーズの販売価格を引き上げる可能性もあるが、一方でコスト増を避けるために、12GB RAMの搭載を一部モデルに限定するという判断を下すことも考えられる。Kuo氏は、歴史的に販売が好調なProモデルや、新たな薄型モデルとして注目を集めるであろうiPhone 17 Airには12GB RAMを搭載し、標準モデルは8GB RAMに据え置くことで、コストと供給のバランスを取る可能性を示唆している。

iPhone 18への期待と今後の展望

仮に、2025年のiPhone 17シリーズで標準モデルのRAMが8GBに留まったとしても、12GB RAMへの移行は既定路線と見られている。Kuo氏は、もしiPhone 17の標準モデルが8GB RAMを採用した場合でも、2026年に登場するiPhone 18シリーズでは、すべてのモデルで12GB RAMが標準搭載されると予測している。その頃には、12GB DRAMチップの製造技術が成熟し、供給量が安定することで、コストも低下している可能性があるためだ。

さらに先の技術として、iPhone 18シリーズでは「6チャネルLPDDR5X」と呼ばれる、より高速なデータ転送を可能にする新しい規格のRAMが採用されるとの噂も出ている。これが実現すれば、さらなるパフォーマンス向上が期待できるだろう。

現時点では、iPhone 17シリーズのRAM容量に関する情報は、あくまで噂やアナリストの予測に基づいたものであり、Appleからの正式な発表はない。特に供給状況やコストに関する判断は流動的であり、最終的な仕様は変更される可能性も十分にあるため、情報の取り扱いには留意いただきたい。


Sources

Follow Me !

\ この記事が気に入ったら是非フォローを! /

フォローする
スポンサーリンク

コメントする