Appleは2026年8月25日、M6とM5 Proを搭載するMac mini、M5 MaxとM5 Ultraを搭載するMac Studioを発表した。日本では同日から予約を受け付け、9月22日に発売する。Mac miniは149,800円、Mac Studioは419,800円からだ。筐体と入口構成のメモリ、SSD容量は旧世代を引き継いだが、国内の発表時価格は27.7〜58.0%上昇した。購入者にとって最大の変化は、性能向上と接続性に対して、いくら追加で払うかという点にある。
27.7〜58.0%、容量据え置きの価格上昇
新旧モデルを同じエントリー構成で比べると、標準メモリとSSD容量は4組すべてで変わたわけではない。価格は各世代の日本発表時にAppleが示した税込価格を使った。M3 Ultra搭載Mac Studioだけは、Appleの2025年発表がチップ別価格を載せていないため、ITmedia NEWSが当時記録した66万8,800円を参照している。
| 2026年モデル | 比較する旧モデル | 標準メモリ/SSD | 新価格 | 旧価格 | 差額/上昇率 |
|---|---|---|---|---|---|
| Mac mini(M6) | Mac mini(M4) | 16GB/256GB | 149,800円 | 94,800円 | +55,000円/+58.0% |
| Mac mini(M5 Pro) | Mac mini(M4 Pro) | 24GB/512GB | 299,800円 | 218,800円 | +81,000円/+37.0% |
| Mac Studio(M5 Max) | Mac Studio(M4 Max) | 36GB/512GB | 419,800円 | 328,800円 | +91,000円/+27.7% |
| Mac Studio(M5 Ultra) | Mac Studio(M3 Ultra) | 96GB/1TB | 949,800円 | 668,800円 | +281,000円/+42.0% |
この比較は、発売後の価格改定や販売店の値引きではなく、発表時価格同士をそろえたものだ。それでも、日本の購入者が直面するエントリー価格の変化は大きい。とりわけM6搭載Mac miniは55,000円上がり、2024年に94,800円で登場した最小構成が149,800円へ移った。標準容量が増えていない以上、価格上昇をメモリやSSDの増量では説明できない。
学生・教職員価格は、M6搭載Mac miniが132,800円、M5 Pro版が281,800円からとなる。Mac StudioはM5 Max版が385,800円、M5 Ultra版が880,800円からだ。通常価格より低いが、購入資格を満たす人向けの別価格であり、上の通常価格比較には混ぜていない。
筐体継承と通信強化、Mac miniの実用上の変化

Mac miniは2024年10月のM4世代で導入した、幅と奥行きが12.7cm、高さ5.0cmの筐体をそのまま使う。前面のUSB-Cポート2基とヘッドフォン端子、背面のHDMIも継続した。M6版は背面にThunderbolt 4を3基、M5 Pro版はThunderbolt 5を3基備えるため、ポートの世代構成も旧モデルと同じである。一方で、USB-C経由のgenlockに新しく対応し、ディスプレイとプロ向けカメラ収録を正確に同期できる。
日常利用で分かりやすい更新はネットワークだ。標準Ethernetは1Gbから2.5Gbへ上がり、10Gbを選べる。無線もWi-Fi 6EとBluetooth 5.3から、Wi-Fi 7とBluetooth 6へ進んだ。Threadにも対応する。ただし、2.5Gb EthernetやWi-Fi 7の速度を生かすには、ネットワーク機器やNAS、配線も対応していなければならない。
製品階層は少し複雑になった。標準モデルはM4からM6へ2世代進む一方、上位モデルはM4 ProからM5 Proへの更新にとどまり、Mac miniの中で世代番号が分かれる。基本構成はM6版が16GB/256GB、M5 Pro版が24GB/512GBだ。M6版は最大32GBと2TB、M5 Pro版は最大64GBと8TBまで構成できる。
AppleはM6版について、M4版よりAI処理が最大4倍、グラフィックスが最大2倍、CPUが最大40%高速だと説明する。いずれもAppleが選んだアプリ、構成、テスト条件での最大値であり、あらゆる処理が同じ割合で速くなる意味ではない。チップの詳細評価は実機テストを待つ必要があるが、2024年モデルからの買い替えでは、同じ筐体と近いポート構成に55,000円以上を追加する価値があるかが判断の分かれ目になる。
世代がそろったMac StudioのMaxとUltra

Mac Studioは幅と奥行きが19.7cm、高さ9.5cmの筐体を維持した。2025年モデルはM4 MaxとM3 Ultraを組み合わせていたが、今回はM5 MaxとM5 Ultraにそろった。上位ほどチップの世代番号が古く見える構成が解消され、製品階層は理解しやすくなった。
基本構成はM5 Max版が36GB/512GB、M5 Ultra版が96GB/1TBで、旧モデルと同じ容量だ。M5 Max版は最大128GBと8TB、M5 Ultra版は最大512GBと16TBまで選べる。ただし、512GBユニファイドメモリ構成だけは9月22日に間に合わず、10月後半に加わる予定である。
接続端子の骨格も変わらない。背面にはThunderbolt 5を4基、USB-Aを2基、HDMI 2.1と10Gb Ethernetを備える。前面はM5 Max版がUSB-Cを2基、M5 Ultra版がThunderbolt 5を2基搭載し、どちらにもSDXCカードスロットがある。無線はWi-Fi 7とBluetooth 6へ更新され、Threadにも対応した。
映像制作では、USB-C経由のgenlock対応が新しい。外部カメラやディスプレイとフレーム単位で同期する用途を想定した機能である。M5 Ultra版は最大8台の外部ディスプレイ、または5K/120Hzのディスプレイを最大4台まで扱える。M5 Max版は最大5台だ。高解像度映像を複数画面で扱う現場なら、演算性能以外の差も導入理由になり得る。
Appleは新Mac Studioについて、比較条件ごとの最大値としてAI処理が4.3倍、ストレージが2倍、グラフィックスが1.8倍、CPUが1.3倍高速だとしている。とはいえ、比較対象と用途は同一ではない。419,800円または949,800円からという価格を正当化できるかは、実際に使うアプリと処理時間で測るべきだ。
買い替えを急ぐ条件、待てる条件
M4世代のMac miniを使っている場合、筐体や端子配置に大きな変化はない。2.5Gb EthernetやWi-Fi 7が必要で、M6の性能向上によって毎日の待ち時間を短縮できる作業があるなら、新モデルを選ぶ理由が生まれる。genlockを使う映像制作も対象になる。現在の処理速度と1Gb Ethernetで足りるなら、55,000円以上の価格差を急いで負担する必要性は低い。
Mac Studioも考え方は同じだ。M4 MaxやM3 Ultraでメモリ容量と処理速度が足りている制作環境では、基本容量が同じ新モデルへの更新効果はワークロード次第になる。一方、5K/120Hzの多画面環境、genlockを使う映像設備、大容量メモリでローカルAIを動かす研究・開発環境では、M5 Ultraの追加機能が作業設計を変え得る。
全モデルの予約は始まっているが、発売は9月22日である。購入前に確認したいのは、実機でのアプリ別性能と、必要なメモリ・SSDを選んだ後のBTO総額だ。エントリー容量が据え置かれた今回は、カタログ上の最大倍率より、自分の処理時間が価格差に見合うだけ縮むかどうかが買い替え判断を決める。



