Sandiskは8月20日、個人ユーザーや小規模事業者向けに、SANDISK NAS 600 SATA SSDとSANDISK NAS 800 NVMe SSDを発表した。TechPowerUpが掲載した発表内容によると、いずれも2026年9月、Sandisk.comと世界の一部販売店・オンライン販売店で発売する予定だ。米国での希望小売価格は、NAS 600の500GB179.99ドルから、NAS 800の960GB309.99ドルからとなる。

今回の製品群は、既設NASの2.5インチSATAベイを使い続ける更新と、PCIe 5.0 x4のM.2スロットを使う高性能構成に分かれる。NAS向けSSDはキャッシュ、ストレージ階層、オールフラッシュNASの主記憶という三つの役割を想定する。SATAの延長線上にあるNAS 600と、容量と書き込み耐久性を大きく広げたNAS 800では、向くNASが異なる。

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2本に分けたNAS向けSSDの役割

項目 SANDISK NAS 600 SATA SSD SANDISK NAS 800 NVMe SSD
容量 500GB1TB2TB4TB 960GB1.92TB3.84TB7.68TB
形状・接続 2.5インチ、7mm、SATA III 6Gbps M.2 2280、PCIe 5.0 x4、NVMe 2.0
最大シーケンシャル読込 560MB/s 14,900MB/s
最大シーケンシャル書込 520MB/s(4TB 13,200MB/s(1.92TB
書き込み耐久性 350〜2,500TBW 1,750〜14,000TBW
キャッシュ・DRAM SLCキャッシュ、DRAMなし SLCキャッシュ、DRAMあり

NAS 600は、既存の2.5インチSATAベイをSSD化する製品だ。NAS本体が2.5インチSATAドライブの搭載に対応していれば、3.5インチベイにも収まる。最大560MB/sの読込性能は全容量で共通で、書込は500GB505MB/sから4TB520MB/sまでとなる。

NAS 800はM.2 2280を採用し、PCIe 4.0および3.0の構成にも後方互換とされる。960GBから3.84TBは厚さ2.38mm7.68TB3.88mmで、最上位容量だけが物理的に厚い。M.2スロットがあっても、PCIeレーンの割り当て、ファームウェア、放熱部品とのクリアランスまで、NASの実機で確認する必要がある。

表の差は、二つが適合するNASを分ける。SATAしか持たないNASではNAS 600が直接の交換候補になり、M.2 2280を備えた機種ではNAS 800がキャッシュから主記憶まで容量の選択肢を増やす。採用判断は、SSD単体の最高値より先に、NASのベイとスロットの構成で決まる。

NVMeだけが世代交代の幅を広げた

NAS 800の前世代に当たるWD Red SN700は、PCIe Gen3 x4、最大4TB4TBモデルで最大3,400MB/sのシーケンシャル読込、最大5,100TBWだった。NAS 800はPCIe 5.0 x4へ移行し、容量上限を7.68TB、耐久性を14,000TBWへ広げ、最大読込を14,900MB/sとしている。旧製品の読込値は4TBモデル、新製品の読込値は全容量での最大値であり、同一容量の直接比較ではない。それでも、今回の世代差がNVMe側に集中していることは明瞭だ。

ランダム4KB性能もNAS 800では、容量順に読込が1.6/2.3/2.3/2.2 million IOPS、書込が0.8/1.5/2.0/2.1 million IOPSとなる。これらはキュー深度32、16スレッドで測定した数値だ。容量ごとに最大値が異なるため、7.68TBがすべての性能項目で最高になるわけではない。

対してNAS 600は、WD Red SA500と同じ500GB1TB2TB4TBの容量と、350、600、1,300、2,500TBWの耐久性を引き継ぐ。最大560MB/sの読込もSA500と変わらない。NAS 600のランダム読込・書込は最大で各8万7,000IOPS、7万7,000IOPSであり、SA500の最大値を大幅に上回る更新ではない。SATAベイでの互換性を保つ更新と捉えるのが妥当だろう。

価格の出発点も、SATA側が担う役割の変化を考える材料になる。Western Digitalが2019年に発売したWD Red SA500の2.5インチ500GBモデルは、米国での開始希望小売価格が75ドルだった。NAS 600の同容量は179.99ドルで始まる。この二つは発売時点が異なる名目の開始価格であり、現在の実売価格や直接の価格差を示す比較ではない。

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14,900MB/sをNAS全体の速度と取り違えない

2.5GbEの理論上の生の転送量は312.5MB/s、10GbEは1,250MB/s、100GbEは12,500MB/sだ。いずれも1バイトを8ビットとして換算した、プロトコルのオーバーヘッドを含まない値である。NAS 600の560MB/sは単一の2.5GbE回線を上回る一方、単体では10GbEを満たせない。NAS 800の14,900MB/sは、単一の100GbE回線の生の転送量より高い。

ただし、この比較はドライブのピーク値とネットワーク回線の上限を並べたものにすぎない。NAS 800が14,900MB/sに達するには、適切なPCIe 5.0 x4ホストとワークロードが必要だ。さらにNASでは、ネットワーク、CPUやストレージコントローラ、スロット世代、RAID構成、実際の入出力パターンが先に制約となり得る。

Sandiskの性能値は内部のドライブ試験によるもので、ホスト、容量、使用状況などで変動する。複数ドライブを組み合わせたNASアプリケーションでの実測値ではない。ネットワーク越しの性能を見込む場合、SSDの仕様表からNAS全体の転送速度を約束することはできない。

9月の購入前に確かめたい保証と搭載条件

両シリーズの限定保証は、5年または最大TBWへの到達のうち早い方で終了する。NAS 800の最大7.68TBモデルは14,000TBW、NAS 600の最大4TBモデルは2,500TBWだ。14,000TBWを5年の1,825日で割ると、1日当たり約7.67TBとなる。ただし、これは書き込める量を均した計算値であり、特定のワークロードを保証する数値ではない。MTTFも同様に、個々のドライブの寿命や保証期間を表す数値ではない。

NAS 800はTCG Opal 2.02をサポートするが、有効化にはマザーボードのBIOSかサードパーティー製ソフトウェアが必要になる。消費電力も容量で変わり、NAS 800の平均読込・書込は5.6〜6.9W、NAS 600の平均動作時は1.1〜1.2Wだ。ドライブ報告の動作温度範囲は、NAS 800が0〜85℃、NAS 600が0〜70℃となる。連続負荷時のキャッシュ消尽後の書込速度やサーマルスロットリングのデータは公開されていない。

Sandiskは多数の主要システムで試験したとしているが、対応NASの完全な一覧はデータシートにない。購入前には、対象NASの2.5インチベイまたはM.2 2280スロット、PCIe世代とレーン数、7.68TBモデルの高さを確認したい。9月の発売後は、各NASでの実測性能と、日本での価格・発売日が導入判断の具体的な材料になる。