
半導体工場の「ありふれた材料」が低消費電力メモリの主役になるか
日焼け止めや顔料に使われる二酸化チタンを厚さ3 nm以下に薄膜化すると、強誘電相が出現する。薄膜化するほど分極が強くなる「逆サイズ効果」を利用したこの発見は、半導体製造との親和性が高く、低消費電力メモリへの道を開く可能性がある。

日焼け止めや顔料に使われる二酸化チタンを厚さ3 nm以下に薄膜化すると、強誘電相が出現する。薄膜化するほど分極が強くなる「逆サイズ効果」を利用したこの発見は、半導体製造との親和性が高く、低消費電力メモリへの道を開く可能性がある。

北京大学主導チームが、ABC積層の相純度99%超、最大160×80µmの菱面体晶グラフェンを成長。量子チップ実用化には大面積化と独立追試が残る。

KAISTが応答速度を非揮発性にプログラムできるメムトランジスタを開発し、複数周波数が混在する信号の予測誤差を40分の1に低減した。物理リザバーコンピューティングの長年の制約だった「製造後に時間応答を変えられない」問題を、二層ゲート構造で克服した成果である。

NYCUとTSMCが単層MoS₂トランジスタの界面に0.42nmのエピタキシャルAl₂O₃層を挿入し、EOT約1nmと相互コンダクタンス0.45 mS/μmを同時に達成した。10年来のトレードオフを材料置換ではなく界面設計で緩和した、Nature Electronics掲載の成果である。

Eatonが米空軍から700万ドルを獲得し、Infleqtionの量子コンピュータで送電網の同時多発故障シナリオを解析するツールを開発。3億通り超の組み合わせ爆発に量子計算で挑む。

BESIII共同実験が100億個のJ/ψ崩壊を解析し、X(2370)の主要成分がグルーボールであることを特定した。力の媒介粒子だけで構成される粒子の存在を半世紀ぶりに実証したこの結果は、QCDの非アーベル構造を低エネルギーで直接検証する意義を持つ。

英国の球状トカマクMAST Upgradeが、核融合炉の壁を損傷するELM不安定性を4種の独立手法で同時に抑制し、史上最高プラズマ圧力を記録した。2040年稼働を目指す英国原型炉STEPの設計に直結する成果だが、ITER規模への外挿は未検証だ。

MITの研究チームがグラフェンと基板の1 nm未満の隙間で単原子層の超伝導体を成長させる「カプセル化エピタキシー」を開発し、1インチ超の大気安定な$\text{NbSe}_2$薄膜を実現した。超伝導量子回路の小型化を阻んでいた面積問題に、原子スケールの解決策を提示する。

AWSのDaniel R. SimonがDCPの量子多項式時間解法をプレプリントで提案した。格子問題への波及は証明検証と標準パラメータの資源評価にかかる。

スタンフォード大学がAIモデルEvo 2で設計したバクテリオファージのゲノムから、16個の機能性ウイルスを作出した。天然株を超える殺菌力と耐性克服能力を持ち、ゲノム設計の時代がタンパク質設計の先に開かれたことを示すScience誌掲載研究を解説する。

TAEはBlack Moon Energyと将来のヘリウム3供給契約を結んだ。だが月面探査と量産は未実証で、2031年の50 MWe発電計画との間に時期と技術検証の隔たりが残る。

従来のリチウムイオン電池の最大10倍のエネルギー密度を持つリチウム酸素電池。その実用化の壁だった充放電の過電圧を、貴金属を使わずに克服する新触媒が開発された。表面積の拡大という半世紀の定説を覆し、分子レベルの界面設計による酸素空孔が次世代モビリティの未来を拓く。