
HBM4からHBM5までを同時進行、Samsungが設計・接合・認証を横断採用
SamsungはHBMの設計からパッケージ、顧客認証までを横断する経験者採用を開始した。HBM4の増産や次世代品の開発を見据え、工程間の連携を強めることで開発期間の短縮と量産歩留まりの改善を図り、AIメモリ市場での競争力を高める狙いだ。
別名: 第7世代HBM, HBM4E
HBM4E(High Bandwidth Memory 4 Extended)は、HBM4(第6世代)の拡張版として開発される第7世代の高帯域幅メモリ規格だ。AI推論・学習や高性能計算(HPC)向けに帯域幅と搭載容量のさらなる向上を目指しており、主にSamsungとSK hynixが開発競争を繰り広げている。
HBM4Eは、前世代であるHBM4の仕様をベースに拡張した設計を持つ。Samsungが2026年5月に出荷を開始したサンプルは12層積層・48GBの容量を持ち、帯域幅は最大3.6TB/sに達する。この世代では単純な帯域幅や容量の拡大にとどまらず、メモリスタック底部に配置される「ロジックダイ」の微細化が重要な技術的差別化の軸となっている。SamsungはHBM4でロジックダイに4nmプロセスを採用し、その後継となるHBM4E世代では2nmプロセスの投入を検討しているとされる。ロジックダイの微細化は電力効率や熱特性の改善に直結するため、AI半導体システム全体の性能と運用コストに影響を与える。
HBM4E開発の背景には、AI向けアクセラレーターの急速な進化がある。NVIDIAやAMDといったGPUメーカーは次世代製品に向けて大容量・高帯域のメモリを必要としており、HBMはその主要な供給源として位置づけられている。AI需要に伴うHBMの需要増は、Micron・Samsung・SK hynixによる供給能力の上限に迫りつつあり、2027年以降も供給逼迫が続くとの見通しが示されている。こうした状況下でHBM4Eは、AIデータセンター向けの次世代プラットフォームに向けた重要部品として開発が前倒しで進んでいる。
2026年5月、SamsungはHBM4E(12層/48GB)のサンプル出荷を業界で世界初とし、予定より前倒しで開始した。帯域幅は最大3.6TB/sを達成しており、4nmロジックダイによる電力効率と熱特性の改善も主要な訴求点とされている。
2026年6月には、SamsungがHBM4E世代のロジックダイに2nmプロセスを投入する計画を持つことが報じられた。これはSK hynixに対する技術的な追撃を狙う動きであり、メモリの「ロジック化・高機能化」という競争軸の変化を象徴している。同時期には、SamsungとSK hynixによるHBM4世代の開発戦略の違いが明確になりつつあり、AI半導体市場における競争の重心が演算チップ(GPU)単体から「メモリとの統合設計」へと移行していることが各方面で指摘されている。
一方、SK hynixは2026年1月に清州でのP&T7工場建設を発表し、先進パッケージング能力の内製化と脱TSMC依存を進めることを明らかにした。これはHBMの設計・製造・パッケージングを一貫して自社で完結させる体制を構築する動きであり、HBM4Eの量産競争においても重要なインフラ整備と見られている。
また、NVIDIAの次世代AIアクセラレーター「Rubin Ultra」の構成変更(4チップレットから2チップレットへの見直し)が報じられた2026年7月の時点においても、次世代HBMの帯域幅・容量要件はシステム設計の主要な制約要因として議論が続いている。AIメモリの競争軸は「単体スペック」から「製造統合力と安定供給能力」へと移行しており、HBM4Eはその転換点に位置する世代として注目されている。

SamsungはHBMの設計からパッケージ、顧客認証までを横断する経験者採用を開始した。HBM4の増産や次世代品の開発を見据え、工程間の連携を強めることで開発期間の短縮と量産歩留まりの改善を図り、AIメモリ市場での競争力を高める狙いだ。

SamsungとSK hynixによるHBMへのハイブリッドボンディング採用は、規格緩和や既存技術の改良により2026年以降へ遅れる見通しだ。第7世代の16段HBM4Eが最短の候補だが、量産安定性を優先しTCボンディングの活用を継続する判断が強まっている。

NVIDIAの次世代AIアクセラレーター「Rubin Ultra」において、製造上の懸念から4チップレット構成を断念し、2チップレットへ変更する計画が報じられた。同社は単体性能の追求よりも量産性を重視し、ラック単位での最適化へ舵を切った。

AI需要に伴うメモリー価格の高騰は、主要メーカーと大口顧客による供給枠の複数年契約やHBMの生産難化により、2027年以降も続く見通しだ。この供給不足はメーカーに巨額の利益をもたらす一方、消費者向け製品のコストを押し上げる要因となっている。

Samsungが、次世代AI向けメモリ「HBM4E」(12層/48GB)のサンプル出荷を予定より前倒しして開始。帯域幅最大3.6TB/sの性能向上に加え、4nmロジックダイを活用した電力効率や熱特性の改善が鍵となる。AIメモリの競争軸が「単体スペック」から「製造統合力と安定供給」へと移るなか、業界初となるサンプル出荷の意義と、量産に向けた今後のハードルを読み解く。

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